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"世界の野球"ヒマラヤを北に望む国ネパールの野球「行動」

2021年11月9日

文・写真=NPO法人ネパール野球ラリグラスの会(小林 洋平)

 前回のコラムでも触れたように、世界では野球はまだまだ普及しておらず、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)がベースボール5の普及を進めるなど、野球普及のために様々な取り組みがなされている。そして、こうした野球普及に取り組むため、世界各地で多くの人が活動している。しかしながら、日本においても、こういった人々の活動の状況は一般にはなかなか伝わってこないのが現状である。ましてや野球が盛んではない国では、野球のことが報道されたとしてもそのニュースに関心のない方々が圧倒的に多い。だが「伝える」ことを止めることは競技の衰退にもつながる行為であり、仲間や競技人口を増やし発展させていくためには、野球の魅力を伝え続けるしかない。

 また先日、ネパールにおいては、ネパール野球ソフトボール協会のディパック・ネウパネ事務局長が現地の放送局OEPLのテレビ番組「Sports Hour」に出演し、ネパール野球について30分間の特集が放映された。ネパールで野球がこのような形で番組に取り上げられる機会はあまり無いので、ネパール国内に野球を知ってもらうための貴重な機会となった。ディパック・ネウパネ事務局長も「この番組を観て野球に興味を持ってくれて、野球に関わる人が増えてくれると嬉しい」と述べている。

 ところで、ネパールはこの時期、大きなお祭りが続いた。ネパールは6月から9月までが雨季で、雨季が明けた後に来るこのお祭りの時期は休みが続き、現地では人々の仕事も停滞しがちになる。具体的にお祭りを紹介すると、まず10月には、ネパール最大のお祭りで、女神ドゥルガーが人々を苦しめていた魔物に勝利したことを祝うヒンズー教のお祭り「ダサイン」が15日間に渡って行われる。そして、11月にはダサインと並ぶ重要なお祭りである「ティハール」が行われる。ティハールは、富や繁栄、収穫などを祝うヒンズー教のお祭りである。ティハールでは、富と繁栄を司る女神であるラクシュミーを家に迎えて祈りを捧げるために街が花や明かりで美しく飾り付けられることから「光の祭り」とも呼ばれている。また、これらのお祭りの時期には、現地の野球チームによっては「ダサイン・カップ」や「ティハール・カップ」と名付け、試合やイベントを行うところもある。そして今年は、関西独立リーグの06ブルズの元投手で、日本で私たちと共に活動しているイッソー・タパ氏もティハールの時期に合わせて久しぶりにネパールに里帰りした。イッソー・タパ氏は「コロナの影響で、ネパールに帰りたくても帰れなかったが、やっと帰ることができた。久しぶりに家族や友人、野球仲間と会え、ネパールでティハールを過ごすことができて嬉しい。野球もしばらく活動が止まっていたが、ネパールの仲間たちとまた盛り上げて、野球を通じて成長していきたい」と話している。

 ネパール野球の活動を進めていくためには、冒頭でも紹介したとおり、情報発信も重要な要素のひとつである。私たちのネパール野球の活動は、野球を通してネパールの人たちと交流したいとの想いから始まったし、日本とネパールの友好を促進するという目的もある。そういう意味で、野球の情報はもちろん大切であるが、例えばダサインやティハールのようなネパールの文化や人々の生活といった情報を伝えるのも重要であると考えている。野球をきっかけにネパールに興味を持った人が、ネパールについて理解を深めることでネパールとの友好促進につながれば嬉しい限りである。

 さて、ダサインやティハールで盛り上がったネパールであるが、年内には野球大会の開催も検討されており、12月には、以前のコラム(2021年7月15日付「キャッチボールクラシックオンライン国際交流大会プレ大会2021」)で紹介したようにネパールも出場するキャッチボールクラシックの本大会が予定されている。コロナ禍もあってしばらく活動が停滞していたネパール野球ではあるが、コロナ禍も徐々に落ち着きつつあり、現地では以前のように野球ができることを心待ちにしている選手も多い。

 しかし、私たちやネパール野球ソフトボール協会では以前の状況に戻すことを「目標」とはしておらず、活動を前進させていきたいという想いでいっぱいである。そのためにも具体的にどのような形で野球を発展させていくのか、ありたい姿から現状を把握し、その差を埋めるための計画作り、逆算して物事を進めていける体制を作っていきたい。ビジョンを明確にし、強い信念を持ってぶれずに努力を続ければ、必ず道は開けると信じている。

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