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"世界の野球"【西アジアの野球ネパール編】~野球普及への葛藤と模索~

2016年2月11日

文・写真=色川冬馬

 一週間の滞在を終え、ネパール野球が目指している方向が見えてきた。どこの西アジア地域の国もそうだか、野球の認知度は簡単に言えばマイナースポーツでしかない。そこに、道具やルールの複雑さが相まって、より野球への参画を難しくしている。それでも、野球の魅力に取り憑かれた青年の想いや輝く目は「人」を突き動かすと改めて感じた。

 最終日、普段は入る事のできない軍隊の野球チームを訪問させてもらえた。その日は12名の選手が練習をしており、キャッチボールの時点で、直ぐにクリケット経験者だと分かった。クリケット独特のフォームから繰り出されるボールは、正確に相手の胸に届き、捕球から持ち替えのスピードが非常に早い。難点は、どんな球でも両手でとりにいく為、リーチが短くグローブを活かしきれないとこだ。まさに、西アジア地域特有のクリケット野球だ。
 私が出会った24歳の軍人青年は、身体が強く、野球に対する姿勢が素晴らしかった。彼のような若者がネパール代表を牽引し始めたら、2017年、2019年の西アジアカップがより盛り上がる事は間違いない。ネパールがイラン、インドの2位争いに加わる日もそう遠くはないだろう。

 野球の普及・発展を支える側としては、このような嬉しいニュースが活動を継続していく気持ちを支えてくれる。大陸繋がりの地域であっても、宗教、文化、言語が違う為、それぞれの国で課題が常に付きまとい、同じようなイメージ通りにいく事は少ない。例えば、今回出会った将来有望な軍人青年の代表チーム招集すら、軍隊、野球連盟、オリンピック委員会等の各組織の連携が不十分であり、現状は不可能なのだ。これから、各組織・連盟の関係調整と野球をする為の環境整備という、大きな課題が待ち受けている。

 また、道具を提供する、野球を紹介する、そして国内大会のマネジメントに関わる等の活動も、常に質を上げていかなければ、現地の人を喜ばせる事が出来ても、主体性を育む事が出来ない。「誰かがやってくれる」という認識を持たれてしまえば、普及と発展の足はとまる。現地人と距離をとり過ぎても、近くなり過ぎても良くないという、この「距離感」が一番難しい。現地の野球関係者の主体性を育む仕掛けを作り、共に前へ進まなければならない。私たち日本人が去った5年後、10年後に成長した満足げな彼らに出会うためには、全てやってあげるという一番簡単な行為をしてはいけない。

 以上の様なタレント発掘と、次の世代に繋げる為に歩む道を作る環境整備を各国が違う事情を乗り越え、継続して活動していかなければならない。活動を継続していく上で、失敗する事もあるが、野球を通して現地の人々に「幸せ送り」をどのようにしたら続けられるか常に葛藤している。

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