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"世界の野球"ヒマラヤを北に臨む国ネパールの野球 第13回「被災地の野球事務所に見た信念」

2016年5月19日

文・写真=NPO法人ネパール野球ラリグラスの会(小林 洋平)

 「ネパール震災復興支援野球大会」大会期間中の4月24日、大会に参加していたバクタプル・ベースボール・クラブの事務所の開所式が行われ、ラリグラスの会のメンバーも参加した。

 初めて見たバクタプルの事務所は、大変立派なものだった。室内には事務机がひとつ置かれている他、棚には野球道具がきちんと整理されており、壁にはユニフォームやポスターなども飾られていた。バクタプルは、当会が関係している野球の拠点の中で最も地震の被害が大きかった地域である。家が全半壊した選手もおり、地震直後の5月上旬に当会スタッフが現地を訪れた際には、壊れていない建物を探す方が難しかった。

 当会では、この1年間、支援物資を届けるなどの支援を行ってきた。バクタプルの事務所も地震で壊れた建物を修理したものである。屋根には当会が支援物資として提供したトタン板が使われていた。地震で大きな被害を受けた建物がこんなに立派な野球事務所となったことに、大変驚かされた。

 バクタプル・ベースボール・クラブのリーダーはローシャン・タパ氏である。彼は昨年6月に中国のMLB開発センターで指導者の訓練を受けた人物でもある(第3回「ネパール野球の有望株」参照)。以前にも述べたが、MLB開発センターでの訓練に関しては、当時は地震の直後ということで、中国へ行くのは困難かと思われた。しかし彼は「MLB中国での訓練は大きなチャンスである。このような時だからこそ、今、頑張らなければならない。家が壊れたからといって下を向いていても何も変わらない。子供たちのため、バクタプルのため、ネパールのため、是非行かせて欲しい。」と訴えた。困難なときだからこそ、野球を続けることで、その困難に打ち勝つという強い信念を見せた。

 今回、新しく出来た事務所を見て、彼がネパールの野球発展を真剣に考えていることを改めて認識させられた。そんな強い信念を持ったリーダーのもと、1年前、バクタプルの野球少年たちは地震の2日後から練習を再開した。その後もMLB開発センターで訓練を受けたローシャン・タパ氏が選手たちを引っ張り、復興支援野球大会を目標にして練習する中で選手たちの絆が深まって行き、素晴らしいチームが出来上がった。そして、大会では選手たちが元気一杯のプレーを見せてくれた。そんな姿を見ていると、この1年間、自分はネパールの人たちを何とか励まそうと様々な活動を行ってきたが、むしろ自分の方が励まされた感じだった。

 ローシャン・タパ氏は言う「この野球事務所を作ることができたのは、ラリグラスの会や支援者の皆さんのおかげです。だから、ラリグラスの会の皆さんにはぜひ開所式に来て欲しかったです。これからも、ネパール野球発展のため共に頑張りましょう。」

 ここ数年、バクタプル以外にも、数カ所で野球チームが出来始めている。各チームでは、それぞれ強い信念を持ったリーダーがチームを引っ張っている。今後も、こういった強い信念を持った人物が増えることを望んでいる。

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