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"世界の野球"ヒマラヤを北に望む国 ネパールの野球「オリンピックデー」

2025年7月7日

文・写真=NPO法人日本アジア球友団ラリグラス(小林 洋平)

 現在、ネパールは雨季の真っただ中にある。例年6月から9月中旬にかけて続くこの時期は、連日の雨により天候が不安定となり、野球の活動も制約を受ける。しかし一方で、雨季はネパールにとって重要な季節でもある。国内の電力の大部分を占める水力発電は、この雨季に得られる豊富な水資源によって支えられており、生活や産業の根幹を成している。

 そんな中、6月23日に迎えた「オリンピックデー」では、ネパールでもさまざまな記念イベントが実施された。オリンピックデーは、1894年6月23日に国際オリンピック委員会(IOC)が創設されたことを記念して制定されたもので、世界各国でオリンピズムの普及とスポーツの価値を広める活動が行われている。ネパールでは、首都カトマンズの地震記念ホールをはじめ、各地で3日間にわたりペースボール5や柔道など計23のイベントが開催された。

 当日は、「スポーツの健康促進のために、みんなで体を動かしましょう(Let’s Move)」というテーマのもと、多くの人々が参加。スポーツを通じた健康づくりと社会参加の重要性が改めて強調される機会となった。こうしたスポーツの国際的な広がりは、ネパール国内にとどまらない。オリンピックデーに前後して、アジア地域でも国際的な野球大会や技術交流の動きが見られた。5月17日からは、イランのキャラジにて第16回BFA西アジアカップが開催され、地域の7か国が参加。前回大会で準優勝だったパレスチナが初優勝を飾った。今大会はイランで初めての開催となり、中東地域における野球の拡がりと、アジア野球の地理的な多様化を象徴する大会となった。

 大会期間中には、審判員を対象とした講習会も併催された。競技力の向上とともに、審判技術の強化もアジア野球の持続的発展には欠かせない。講習会の講師を務めたのは、アジア野球連盟(BFA)副審判長であり、スリランカ出身のスジーワ・ウィジャヤナーヤカ氏。長年にわたり各国での指導経験を積み、アジアの審判育成の中核を担っている人物である。そして、今大会では同氏が審判長を務めた。一方で、今回の大会にはネパール代表は出場しなかった。同時期にネパール国内ではスポーツ競技団体への支援体制の見直しが進められており、その影響で大会出場は叶わなかった。発展途上にあるネパール野球にとって、公的支援の有無は競技活動の継続と発展に直結する。政治的・制度的な不安定さがスポーツ活動に影響を与える場面も少なくなく、現場では模索が続いている。

 改めて、オリンピックデーの意義に目を向けたい。オリンピズムとは、スポーツを通じて人間の尊厳を守り、平和で調和のとれた社会の実現を目指す理念である。ネパールにおける野球の取り組みもまた、国境や文化を越えた人と人との交流を生み出すものであり、こうした理念と響き合うものである。今後も、スポーツの持つ力を信じ、ネパール野球が地域社会の発展と国際理解の促進に寄与していくことを願ってやまない。

ヒマラヤを北に臨む国 ネパールの野球
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