8月22日、「第12回 BFA U15アジア選手権」(台湾・台南市で8月23日まで)のスーパーラウンド第2戦が行われ、侍ジャパンU-15代表は地元のチャイニーズ・タイペイと対戦。ミスを連発してしまい7対10で敗れたが、得失点率で決勝進出を決めた。







前日に韓国との全勝対決を5対1(後攻のため攻撃回6回)で制し、この試合に敗れて韓国やチャイニーズ・タイペイと勝敗で並んでも、当該対戦間の得失点率により「敗れても7点差までなら決勝進出」「8点差以上の負けなら3位決定戦」(※ともに7回で終了の場合)」という条件で試合は始まった。
余計な考えを避け、選手たちには進出条件を伝えずに始めた試合だったが、「勝てば決勝進出」という相手の気迫や熱気ある地元応援の前に初回から飲まれていった。
先発の岡田宗一郎(豊田リトルシニア)が先頭打者に四球を許すと、犠打と暴投、ショートゴロの間に失点と、無安打で先制を許した。さらに3回は味方失策からピンチを招くと、3本の安打や犠牲フライで4点を奪われて0対5とリードを許した。
それでも4回、相手の失策2つで1点を返すと、小山蓮心(狭山西武ボーイズ)と佐々木愛斗(秋田北リトルシニア)の連打で満塁とチャンスを広げた。ここで岡田は見逃し三振に倒れるも、丹羽裕聖(愛知尾州ボーイズ)がセカンドへの内野安打を放って、この回2点目。さらに舩山大翔(東名古屋ボーイズ)のセンター前へ安打の処理を中堅手がファンブルすると、丹羽が一塁から一気に生還し走者一掃。5対5の同点に追いついた。
こうして試合は振り出しに戻ったが、ここからミスを連発。5回には失策2つが絡み2点、6回には失策3つが絡んで3点を失い、ついに8点差の負けが視界に入る5対10にリードを広げられた。
だが、この場面でチームを救ったのが試合途中から一塁手に入っていた佐々木だ。ライト線へと抜けようかというファーストライナーをダイレクトで掴むと、そのままベースを踏んで併殺が完成。井端弘和監督が「あの強烈な当たりを捕ってくれたのは大きかったですね。あれが抜けていたらと思うとゾッとします。無死二、三塁になるところが二死走者無しになったので救われました」と振り返るビッグプレーで、5点差にとどめた。





さらに7回表は2安打を許して肝を冷やしたが、畠山颯志(明石ボーイズ)がセカンドゴロに打ち取ると、倉田雄星(湖南ボーイズ)と舩山の二遊間が併殺を奪ってピンチを脱出。点差を5点にとどめて、この時点で決勝進出を確実なものにした。
7回裏には勝利を諦めない選手たちが丹羽の二塁打を皮切りに打線を繋げると、押し出しと成田遥喜(熊谷リトルシニア)のヘッドスライディングによる内野安打で2点を返し、7対10まで迫った。
以降は追加点を奪えずに敗れたものの、最終7回に2点を奪ったことで得失点率でスーパーラウンド1位にも上がり、日本時間23日19時半から始まる決勝戦はホームチームで迎えることとなった。
試合後、井端弘和監督は「反省を促すために」と決勝進出は伝えずにミーティングを開始。「エラーを6個もする選手たちじゃないと思っているよ」と伝えるとともに、前向きで積極的なプレーを求めた。そして宿泊先のホテルに到着する直前、スタッフから決勝進出を伝えられ、一部は涙していた選手たちも安堵。井端監督の「同じ相手に2度は負けないよ。今日の借りを返すよ」と発破をかけられると選手たちも大きな声で返事をし、決勝戦での雪辱に闘志を燃やした。
監督・選手コメント
井端弘和監督
「勝たないといけないという中でプレーさせてはいましたが、試合の入りが甘かったですね。もう1回チャイニーズ・タイペイと試合ができるので、今日みたいな譲り合ったり、人の顔見てプレーしたり、足が止まったりするようなプレーではなく、積極的にプレーして欲しいです。ミスをするとしても前のめりなミスをして欲しい。(チャイニーズ・タイペイの印象)小技を絡めてミスを誘ってくるのは今年も変わらないですね。日本の少年野球は今あまりバントをしないので、こちらは出してもやったことない選手も多いですし、打って繋ぐしかない。良いタイミングでのエンドランなどは狙っていこうと思います」
佐々木愛斗(秋田北リトルシニア)
「(チームを救う好守)相手が押せ押せの状況だったので、なんとか勢いを止めたいなと思い、常に準備や試合で流れを変えようと思いました。(決勝では)打撃でフライアウトが続いています。初めてのナイターでボールの見え方も違ったのですが、しっかり修正して低く強い打球で繋ぐ打撃をしたいです」
岡田宗一郎(豊田リトルシニア)
「(4回5失点で降板)相手の応援の熱気もあって自分の投球ができませんでした。球も高めに浮いて、とらえられました。(打者としても3打数無安打2三振)見たことのないような球や初めてのナイターということもありましたが、しっかり反省して、決勝では絶対に取り返したいです」
丹羽裕聖(愛知尾州ボーイズ)
「決勝に行くことができてホッとしています。ナイターでしたし、あれだけ相手の応援がいることは初めてで、上手く連係が取れませんでした。(決勝では)同じ相手に2度も負けるつもりはありません。気持ちを新たにして、なんとしてでも勝てるように頑張りたいです」
第12回 BFA U15アジア選手権
大会期間
2025年8月17日~8月23日
オープニングラウンド(グループB)
8月17日(日)14:30 日本 14 - 1 香港
8月18日(月)14:30 スリランカ 1 - 24 日本
8月19日(火)14:30 日本 10 - 0 フィリピン
スーパーラウンド
8月21日(木)14:30 日本 5 - 1 韓国
8月22日(金)19:30 日本 7 - 10 チャイニーズ・タイペイ
決勝・3位決定戦
8月23日(土)
開催地
台湾(台南)
出場する国と地域
グループA
チャイニーズ・タイペイ、韓国、タイ、パキスタン
グループB
日本、フィリピン、香港、スリランカ