7月10日、「第45回 日米大学野球選手権大会」(7月13日まで北海道、新潟、東京で5試合開催)に出場している侍ジャパン大学代表が第3戦と第4戦が行われる新潟へ移動。日本チーム史上初の大会3連覇に王手をかけて迎える試合を前に、会場となるHARD OFF ECO スタジアム新潟で約2時間、汗を流した。






堀井哲也監督ら指導陣は練習を前に選手たちを集め、ミーティングを実施。コンディショニングの大切さとともに、アメリカ大学代表の競った展開での多彩な攻撃やさらなる好投手が登板してきた際の備えなど、連勝後の気の緩みが出ないよう伝えてから練習を開始させた。
堀井監督が警戒を強める理由は「一昨日と昨日ではフリー打撃の打球が全然違いました」とも話すように、4日から来日しているアメリカ大学代表のコンディションの向上を感じているからだ。加えて、安江均コーチも、試合後に悔しさを全面に出している相手の様子を伝え「我々も強い気持ちで戦いましょう」と選手たちに呼びかけた。
練習は連戦の後ということもあり、野手のフリー打撃以外は各自に任された。メニューの合間はリラックスした様子も見られたが、練習になると各自が課題に向き合うメリハリのある2時間となった。





優勝に王手をかけた状態で迎える11日17時からの第3戦。先発投手は毛利海大(明治大)とダックス・ホイットニー(オレゴン州立大)に決まった。
毛利は第1戦と第2戦ともに中継ぎとして登板。計2イニングを投げて1人の走者も出さない完璧な投球を見せている。移動日を挟んで3連投となるが、第2戦に関しては「第1戦の球数が少なかったですし、中1日空くので投げさせてほしいと言いました」と自らの要望だったと明かした。優勝がかかる一戦のマウンドについては「緊張しいなので優勝をあまり意識せず、いつも通り行けるところまで行きたいです」と無欲の投球を目指す。また、2試合の経験を活かして「緩急を有効に使いたいです」とも語った。
一方、長い大会の歴史の中で日本に3連覇を許したことのないアメリカ大学代表は、後が無い試合の先発を「2027年のMLB全体1位候補」と目されるホイットニーに託した。最速157キロのストレートにキレの良いカーブとスライダーも武器とする右腕で、好調な侍ジャパン大学代表打線との対戦は注目だ。
日米有望株による意地とプライドをかけた決戦も中盤戦へ。3連勝で優勝が決まるのか、逆襲が始まるのか。野球熱の高い新潟のファンの前で手に汗握る攻防に期待したい。
監督・選手コメント
堀井哲也監督
「毛利は伊藤、中西と同じく十分に力のある投手なので、試合を作ってもらうことを期待しています。(連勝し)油断ではなく自信を持って戦えるイメージが湧いたと思うので、良い雰囲気になっていますね。相手は日本の打者の研究もしているでしょうし、自分たちの投手の調子も確認していると思います。背水の陣で向かってくる相手に我々も心してチャレンジしていきたいです」
松下歩叶(法政大)
「(連勝し)チームとしてベストな状態で新潟へ来ることができました。自分としては第2戦に安打が出て、ひと安心しました。チームの結束力が合流した当初よりも強くなってきています。まずは明日の1戦、とにかく勝ちにこだわって優勝したいです。相手は連敗して、相当な覚悟とデータを持って挑んでくると思うので、試合の入りからやってきたことを出せるようにしていきたいです」
繁永晟(中央大)
「みんながプレーしやすい雰囲気ができています。明日で優勝を決めるという気持ちで戦います。打席に立つチャンスをもらっているので応えていきたいです。打撃練習では堀井監督には良い時と悪い時の差を教えてもらいました。(右打者として)左足で壁をしっかり作れていない時は打球が弱いと言われたので修正していきたいです。(ムードメーカーの役割について)素ですね。自分のチームでもこんな感じなので(笑)」
第45回 日米大学野球選手権大会
大会期間
2025年7月8日~7月13日
試合日程
7月8日(火)18:00 日本 6 - 1 アメリカ
7月9日(水)18:00 アメリカ 1 - 8 日本
7月11日(金)17:00 日本 - アメリカ
7月12日(土)12:00 アメリカ - 日本
7月13日(日)17:00 日本 - アメリカ
開催球場
エスコンフィールドHOKKAIDO
HARD OFF ECO スタジアム新潟
明治神宮野球場