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"世界の野球"インドネシア野球「第13回 BICレッドソックス深谷組カップ」

2017年12月27日

文・写真=野中寿人

 東都大学準硬式野球連盟様との日イ友好の国際親善式典として、昨年に引き続き国内野球大会および野球指導を11月20日よりインドネシアのバリ島にて開催いたしました。今年の東都大学準硬式野球連盟様は選抜チームを2チーム編成、選手団40名、首脳陣および連盟関係者11名の総勢51名でバリ島へご来訪されました。インドネシア野球史上初めて国際大会以外での外国野球団体来訪となり、国内からも大きな注目を集めました。

 野球大会はトーナメント制で行い、東都大学準硬式野球連盟選抜チームが2チームと国内クラブチームが4チーム参戦。この国内のクラブチームはジャカルタ、バンドゥン、バリ島の3都市から参加し、東都大学準硬式野球連盟選抜チームとの試合の中から多くのものを学びました。

 また、昨年同様に、試合終了直後に東都大学準硬式野球連盟選抜チームが対戦チームへ野球指導を行いました。試合を通じて、相手選手の長所・短所を把握し、その修正を試合後に指導するこの方法は的確にポイントを押さえられ、指導を受ける選手達にとって非常に受け入れ易い指導法ではないかと感じています。

 本大会の個人成績は、来年の東アジアカップおよびアジア大会参戦のインドネシア代表ナショナルチーム編成における査定対象のデータのひとつとなるとともに、来年度の深谷組硬式野球部への3か月間の研修渡航、日本大学準硬式野球部への1か月間の研修渡航の選手選考セレクションも兼ねています。

 この式典・大会は、単なる国内大会のみならず、国際親善、野球指導、日本渡航研修の各プログラムに際しての選手選考セレクションといった複数の付加価値を持っています。
いや!もしかしたらアジア野球途上国内においても唯一の式典・大会と位置付けされるかもしれません。

 日本やインドネシア国内から、開催地に来てくれているチームの選手団や関係者の方々に「参戦して良かった」と思って頂けるように、試合や、それ以上に付加価値の部分が大きな意味を持つ式典・大会であることが大切だと思っています。

 今年は、既存の野球トーナメント大会や野球指導とは別に野球キャラバンを開催しました。東都大学準硬式野球連盟による野球キャラバンは51名を10班に分けて、各班が学校を訪問し野球キャラバンを開催します。、また、現地人スタッフが各班に帯同し訪問先で、問題なく野球キャラバンが行えるようにアシストいたします。

 最初にバリ島のデンパサール郊外にある体育大学へ51人全員で訪問しました。この訪問の意図は、生徒たちへ野球を浸透させて、各学校への就職後、野球の指導者となる育成に繋げていくことです。

 体育大学での野球キャラバンの後、各班は高校、中学、小学校を訪問し、各学校の校庭や近郊の空き地で実技指導を施し、教室や講堂では、野球のルールやストレッチ、また質疑応答を行いました。

 キャラバンとは別に、インドネシア国家青年スポーツ省と東都大学準硬式野球連盟との間で提携覚書(MOU)を締結いたしました。提携期間は東京オリンピック開催の2020年までを1つのスパンとして、締結内容は、東都大学準硬式野球連盟選抜チームのインドネシア遠征、物資の支援さらには、来年8月に日本大学準硬式野球部への野球研修渡航の実施などが織り込まれています。

 加えて、野球途上国のモデルケースとサブタイトルを付けておりますが、この式典・大会開催を通じたインドネシアでの野球発展と向上に関する方法について、ご紹介いたします。この方法はインドネシア国内の他州や地域や。他のアジア野球途上国にとっても適応可能なものだと考えています。 今回の式典・大会の開催地であるバリ島内にクラブチームを持つレッドソックスクラブチームの施行している方法です。

 クラブチーム創設時よりメンバー獲得に頭を悩ませていた経験より、導いた1つの答えは「学校へ野球部を入れ込むこと」です。日本のような野球部ではなく課外授業として野球を入れ込み、野球同好会的な活動の実施を目標とするものです。そして、この方向性をチームの会議でインドネシア人のチーム幹部者達に通達をし、その後、彼達が今日まで知恵を縛りながら事を進めてまいりました。

 彼らは、野球の方向性や人格的にブレないメンバーを幹部候補と定め、バリ州内の体育大学に進学させ、卒業後に小中高の各学校へ就職をすると同時に、それぞれ配属となった学校で野球同好会を発足させることでした。そして、その中から真剣に野球をプレーして行きたい意思のある子供達を集めて、その地域に支部としてレッドソックスクラブチームを立ち上げて、クラブのメンバーとして取り込んで行くというものです。そして、支部に統括者を配置して、練習のスケジュール、メンバーの管理から用具の管理に至るまで責任を持たせます。

 その結果、現在、バリ州内で、デンパサール県、バドゥン県、ギャニャール県、タバ8ナン県の4つの県に支部を展開し、メンバー総数は男女あわせて300人以上となっています。
 また、彼らは、野球同好会やクラブ支部の運営に際して、定期的にバザーや飲食店のクーポン券などを販売して資金を集め、用具の補填購入、バックネットの製作や購入、ベースの製作、ベンチ代わりに使用するテントの作製購入などをし、更には、メンバー達のモチベーション向上の意味から、毎年6月に「レッドソックス インターナル トーナメント」と題した、野球とソフトボールの大会を4支部の対抗戦として独自に開催をしています。これらの取り組みは、インドネシアアマチュア野球連盟バリ支局スポーツ省バリ支部、文科省バリ支部などの機関から支援や援助は受けずクラブチーム単体で行っています。

 私は、野球キャラバン等にてインドネシア国内の地域を巡回していますが、この自立の思考性と方向性の纏まりは、他の地域でも類を見ません。

 以上の様に、1つの目的や目標に立ち向かう強靭な結束力から、バリ州内での野球人口の増加や野球発展の動きをメンバー全員で行い、結果を出しており、バリ州内の他県への野球入れ込みにも大きな期待が持てます。

 今後は、小学校への野球同好会入れ込みの促進を目標としております。幼年期から野球に携わることが重要だと考えています。あわせて用具や物資の調達が重要で、この在庫数が新規の学校の野球同好会と支部設立に大きく影響します。更に、既存の学校や支部への用具の補填も必要で、この点は関与する外国人がコネクションを最大限に駆使して物資を集める取り組みが必要だと考えています。

 以前、NPBとの会議内で、「方向性の良い地域・州を対象にピンポイントで野球の発展と向上をさせて行く」との戦略案を話した経緯がありますが、このバリ州の取り組みを実施していくことで、野球の普及発展や技術向上が加速することを確信いたしました。

 インドネシアで遂行可能なことは、他の野球途上国でできないことはないとも思っています。規模の違いはあれど、我々の式典やバリ州内での実例が他のアジア圏をはじめとした野球途上国へのモデルケースとして参考にしていただければと思っています。

 来年は11月中旬に、南ジャカルタのスナヤンスポーツ施設内に新設された、アジア競技大会で使用する新球場で、第3回日イ友好国際親善大会を開催します。また、来年は、日イ友好60周年記念にあたることからも、審判講習会やスコアラー講習会などの実施に加え、ネットでの放映など、野球を拡散させるための段取りをして、より盛大な日イ友好の国際交流式典・大会にさせる意でございます。

 今回の様に、もっと多くの日本の連盟・団体などがが、アジアの野球途上国へ来訪され、いろいろな面で提携をして頂けることを強く望みます。

 今年もインドネシア野球のコラムをご愛読頂きまして、誠にありがとうございました。2018年1月中下旬には、3月末開催予定の東アジアカップ、8月開催のアジア競技大会という、インドネシアで開催される2つの国際大会に向けたインドネシア代表チームの選手選考および、チーム編成が開始されます。皆様方、引き続き来年も、何卒、宜しくお願い申し上げます。

日本人監督の挑戦
著者プロフィール
野中 寿人(のなか かずと)
1961年6月6日生。日大三高野球部在学3年の夏に西東京代表にて全国高等学校野球選手権大会に出場。
その後、日本大学体育会硬式野球部へ進学。日本大学では1年の秋から体調を壊し2年間の休部をし、現役野球人生を終える。大学卒業後は、フィリピン、サイパンなどで仕事をし2001年にインドネシアのバリ島へ移住。2004年からバリ島の子供達に野球を教え始め2005年にリトルリーグを発足。2006年にはバリ州代表監督に就任、また、クラブチームを発足。2007年にはインドネシア代表ナショナルチームの監督に就任。2007年のSEAゲームスで銅メダル、2009年のアジアカップで優勝、同年のアジア選手権大会へ出場。その後、インドネシア代表ナショナルチームの監督を辞任し、地方州底上げの為に、東ジャワ州代表監督に就任。2011年のインドネシア国体予選で準優勝、2012年のインドネシア国体前哨戦で優勝、同年のインドネシア国体決勝大会で銅メダル。そして2014年からインドネシア代表ナショナルチームの監督に復帰をし、2015年の東アジアカップで準優勝。

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