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試合レポート

好投手に苦戦もチャイニーズ・タイペイに逆転勝ちで4連勝 添田真海が3安打1打点

2025年9月26日

 9月26日、「第31回 BFA アジア選手権」(中国・平潭で9月28日まで)のスーパーラウンド第1戦が行われ、侍ジャパン社会人代表は平潭公園でチャイニーズ・タイペイと対戦。苦しみながらも3対2の逆転勝ちで全勝対決を制し、決勝進出に大きく前進した。

 オープニングラウンドを3連勝で首位通過を果たした侍ジャパンは、前日25日は完全休養日となった。選手たちは近くのショッピングモールや観光地へ行ったり、ホテルのプールや卓球などで体を動かしたりと各々が有効活用し心身ともにリフレッシュした。
 また試合前の午前中にはホテルでミーティングが行われ、クオリティコントロールの谷本夏海氏が「一晩かけて準備しました」とチャイニーズ・タイペイを分析した資料を基に、相手先発や打者の情報を共有。さらにこの日が29歳の誕生日の主将・逢澤崚介(トヨタ自動車)がサプライズケーキで祝福され「いい1日にしましょう」と感謝を述べチームの士気も高まった。

 後攻の侍ジャパンは初回、先発の秋山翔(三菱自動車岡崎)が初球を振りぬかれ自らのグラブを弾くヒットを浴びると、送りバントで1死二塁のピンチを招いた。ここで3番の191センチ、チェン・ミンスーにセンター前への先制タイムリーを浴びる。それでも後続は左翼手・網谷圭将(ヤマハ)がフライを好捕し2死、二塁手・矢野幸耶(三菱重工East)は一・二塁間のゴロを横っ飛びで捕球し、素早く一塁へ送球するビッグプレーが飛び出して最小失点で切り抜ける。
 だが2回にはわずか4球で2つのアウトを奪うも、8番のウー・スンシュンにレフトスタンドへのソロ本塁打を浴び2点目を失う。

 追いかける展開となった打線は、相手先発のソフトバンク育成右腕であるチャン・ジュンウェイの前に大苦戦する。常時150キロを超える直球の前に1、2番が倒れ2死。網谷は154キロを弾き返しライト前に運んだが今大会初めて初回に得点できず。
 2回は直球に詰まらされ内野ゴロ2つで2死から、矢野の打席でボール球だったが、この日最速の155キロが飛び出す。その矢野は四球、盗塁を決め得点圏に進み好機を演出したが、水谷祥平(JR東海)がスライダーに空振り三振。続く3回は連続空振り三振で2死から2番の添田真海(日本通運)が153キロをライト前ヒットとしたが、盗塁失敗と走者を出しながらつながりを欠いた。

 4回には4番・逢澤がセンター前に運ぶバースデーヒットも、後続が150キロを超える直球を捉えられず。真っすぐに加えて、奥行きを感じる130キロ台のスライダーにも苦戦し、結局チャン・ジュンウェイに4回を5奪三振、無失点に封じられた。

 一方の秋山も「ベルト付近には投げないように意識しました」と丁寧な投球で3回は3人で退ける。続く4回に右翼手・水谷が風に流される難しいファウルフライをスライディングキャッチする好守も飛び出し三者凡退で切り抜ける。5回には2死二塁から2番打者にレフト前へ運ばれたが、二塁走者が三塁を回ったところで転倒すると、中継プレーで冷静に対処し追加点は許さなかった。

 すると直後の5回裏の攻撃で、代わった右サイドスローを打線が捉える。「この7番、8番が機能しているところが大きい」と川口朋保監督が話すように、矢野、水谷が連打で無死一、二塁のチャンスが到来。走者を進めることができず2死となるも、添田が真っすぐを捉えセンター前に運ぶと、二塁走者が生還し1点を返した。さらに中堅手の返球が大きく逸れる相手のミスでなおも二、三塁から、暴投があり2対2の振り出しに戻すことに成功した。

 6回の守備では、秋山がクリーンナップをわずか7球で三者凡退に抑え流れを渡さず。3回以降は立ち直り、6回を投げ73球無四死球2失点でまとめた。7回から今大会初登板の渕上佳輝(トヨタ自動車)が圧巻の投球をみせる。まずはカットボールで2つの三振を奪い1イニング目を3人で片付けると、2イニング目はチェンジアップでも三振に斬るなど2回を4奪三振パーフェクト投球で流れを引き寄せる。

 すると8回裏、1死からが四球で走者を出すと、代走には瞬足の中川拓紀(Honda鈴鹿) が送られる。「代走なので一塁に留まっていても何もならないと思っていきました」と2度のけん制球を受けるも臆せず盗塁を決め得点圏へ。この中川の走塁には川口監督も「チームに勇気を与えてくれましたし、相手に相当プレッシャーかけたと思います。なかなか出場する機会を与えられていない中で思い切ったプレーができたのを見て、彼の成長を感じることができて僕自身がうれしいです」と試合後には笑顔で振り返った。
 さらに連続四球で満塁から、水谷が代わった右腕の148キロの速球を左腰に受ける押し出し死球で1点を勝ち越した。

 最終回は「この試合に向けて調整してきて力みはありましたけど、0点に抑えられたので良かったです」と試合後に振り返った嘉陽宗一郎(トヨタ自動車)が満を持して今大会初登板。先頭打者を四球で歩かせたが、続く打者は慣れない一塁を守る中川が「緊張しましたけど正面に飛んできてくれたので」と強いゴロを捌いてダブルプレーとし2死に。最後は空振り三振に仕留め3対2の逆転勝利で、チャイニーズ・タイペイとの全勝対決を制し決勝進出に大きく前進した。

 最後を締めた嘉陽が「日本の良さでもある守備が光った試合だった」と振り返る通り、再三の好守もあり3回以降は相手打線に得点を許さず守備から流れをつかんだ。また主将の逢澤は「試合を重ねるごとに、打線がしっかり線になってきています。今日の勝ちでさらにチームが1つにまとまりました」と手応えを口にした。27日のスーパーラウンド最終戦となる韓国戦(日本時間19時30分試合開始予定)で無傷の5連勝での決勝進出を狙う。

監督・選手コメント

川口朋保監督

「先発の秋山翔が序盤に失点はしましたが、3回からは彼の持ち味を発揮した投球ができたことで、同点に追いついて最後は逆転につながったと思います。(速球派の相手投手に苦戦)155キロ出ていましたし、スライダーとスプリットのコンビネーションも良かったです。このような投手からなんとか点を取りたかったのですけど、回を追うごとに少しずつ捉える感覚はあったのですごくいい経験になったと思います。今日勝ったことによって、さらにチームの気持ちが一つになって戦える要素が整ってきたと思いますし、明日は普段出ていない選手も当然チャンスが出てきますから、しっかりと戦ってもらって、あと2試合を2連勝で乗り切りたいと思います」

秋山翔(三菱自動車岡崎)

「(登板前は)思っていたよりも落ち着いていたので、逆に緊張しすぎないのがなんか嫌な感じもしました。前日にグラウンドで練習することができなかったのが1番の不安材料で、序盤は真っすぐが投げ切れていませんでした。(3回以降は立て直した)ゾーンで勝負するのは変わらなかったのですが、ツーシームとカットボールが低めに決まって、高めの真っすぐを捕手の辻本勇樹(NTT西日本)が上手に使ってくれました。6回を無四死球で投げ切れたことが自分の中で大きかったです」

添田真海(日本通運)

「(大学の1つ上の先輩でもある逢澤選手の誕生日)昨日も一緒に夜ご飯食べて気合いが入っていました。(相手先発投手は)データを見た時から速いとは分かっていましたが、なかなか見たことない速さでした。スライダーはすごくキレがありましたし、スピードボールもある中での変化球というのはなかなか難しいなというのは感じました。(2打席目はライト前に運んだ)1打席目を見て『真っすぐをファウルにしたら終わりだな』くらいの気持ちでいた中で捉えられたので良かったです。(チーム唯一のタイムリーを含む3安打)前の打者は倒れましたが1人1人が勝負なので、その中で3打席のうち自分が1本出せて良かったです」

矢野幸耶(三菱重工East)

「相手先発がすごく良かった中で早めに崩せたら、もっと展開が楽になっていたと思います。(初回の好守備について)とにかく必死でした。抜けていたら一、三塁になっていた場面だった中でグラブに入ってくれて良かったです。(5回には先頭としてヒットを放った)サイドスローには自信があるので、真っすぐは少しシュートっぽくて強いなと思いつつも、積極的にいきました。追い込まれてからかなり逆方向を狙っていて、チェンジアップは手を出すつもりはなかったですけどいい感じに拾えて、落ちてくれたのでラッキーという感じでした」

渕上佳輝(トヨタ自動車)

「(今大会初登板)元々スーパーラウンドの厳しい場面と言われていたのでいい準備はできていたと思います。ブルペンやキャッチボールで調子を落とさずというか、実戦に近い形で取り組めていることが良いところかなと思います。(心がけたことは)相手打線が真っ直ぐに張ってきているという情報があったので、真っすぐはコーナーに投げることを意識して、最後は変化球でというイメージを持ってそれ通り投げることができました。(次の登板に向けて)どんな展開になるかわからないですけど、決勝で投げる場面があるなら今回のように流れを持って来られるような投球ができたら最高かなと思います」

第31回 BFA アジア選手権

大会概要出場選手

大会期間

2025年9月22日~9月28日

オープニングラウンド(グループA)
9月22日(月)10:30 フィリピン 1 - 18 日本
9月23日(火)19:30 日本 17 - 2 パキスタン
9月24日(水)19:30 日本 13 - 0 中国
※開始時刻は日本時間(中国:-1時間)

スーパーラウンド
9月26日(金)19:30 日本 3 - 2 チャイニーズ・タイペイ
9月27日(土)19:30 日本 - 韓国
※開始時刻は日本時間(中国:-1時間)

決勝・3位決定戦
9月28日

開催地

中国(平潭)

出場する国と地域

グループA
日本、中国、フィリピン、パキスタン
グループB
チャイニーズ・タイペイ、韓国、香港、パレスチナ

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