7月15日、「ワールド カレッジ ベースボール チャンピオンシップ(WCBC)」(台湾・台中市)の決勝が行われた。侍ジャパン大学代表は予選ラウンドで敗れたアメリカと対戦し、延長11回タイブレークの末に6対3で破り、初代王座に輝いた。

侍ジャパンだけでも21人が出場した総力戦の激闘を制した。
序盤は苦しんだ。3回、先発の鈴木泰成(青山学院大)がギャビン・ケリーに2点タイムリーを打たれ先制を許した。打線は、150キロ台中盤のストレートと鋭く曲がるスライダーを投じる左腕トマス・ヴァリンキウス、150キロを超えるストレートとキレの良い複数の変化球を制球良く投げ込む右腕エイデン・キングの前に、6回まで渡部海(青山学院大)の1安打のみに抑えられた。
苦しい状況を打破したのは7回。相手失策2個(捕球ミスと牽制悪送球)でチャンスをもらうと山里宝(亜細亜大)のピッチャーゴロの間に1点を返す。さらに代打の井上和輝(法政大)が力強いストレートに振り負けず右中間へ二塁打。ここでキングが降板。ジョシュア・ライトナーがマウンドに上がり、鈴木英之監督は代打に中山優月(大阪商業大)を起用した。
ここで中山が「投球練習でストレートしか投げていなかったので振り負けない準備をしていました」と振り返るように、初球の156キロをセンター前に弾き返して井上が生還。見事な一打で同点に追いついた。
勝ち越しはできなかったが、7回は大城海翔(仙台大)が無安打で抑えると、8回は大城が二塁打を許すも、2死一塁から登板した角田楓斗(富士大)がショートゴロに抑えて無失点。9回も連続三振に抑え、試合は無死一、二塁から始まる延長タイブレークに持ち込まれた。
10回、先頭の岡田啓吾(明治大)がバントを決めると、赤堀颯(國學院大)のショートゴロの間に代走の鈴木湧陽(中京大)が生還し1点をリード。その裏は相手のバントを一塁手の赤堀がチャージして素早く三塁へ投げると、この回の守備から三塁に回った山里も鋭い送球を一塁に投げて併殺が完成。これで優勝まで残り1アウトとなったが、アメリカも意地を見せ、デリック・ピッツのレフト前安打で同点に追いつかれた。なおも四球を出したが、角田はこの日2安打を打っていたケリーを空振り三振に抑えて、試合は11回に進んだ。

11回の攻撃では先頭の黒田義信(東日本国際大)がバントを決めると、山里の一、二塁間への当たりを相手二塁手が悪送球し2点を勝ち越し。なおもチャンスが続くと、鈴木監督は今津慶介(慶應義塾大)を代打に起用。ここでアメリカも10回から無安打に抑えていたイーストン・ホークに代わり、左腕のジャクソン・サンダースを起用。ここで鈴木監督は前日に途中出場で本塁打を放っていた西野啓也(立命館大)を、代打の代打に起用。ここで西野は「スライダーを狙っていました」と捕手らしく冷静に狙い澄まして振り抜いた打球はレフト前への貴重なダメ押しのタイムリーとなった。
そして、最終回は古堅鈴之輔(富士大)が満塁とされながらも2三振で2死まで追い込むと、最後は鈴木監督から「一番腹が据わっているので」と託された藤本士生(國學院大)が、サードファウルフライに抑えて試合終了。ベンチから選手たちが一斉に飛び出し、藤本を中心に歓喜の輪ができた。
また、閉会式では初代王者の優勝杯が、主将である渡部のもとに手渡され、選手・スタッフ全員で喜びを分かち合う、これ以上ない結末となった。
監督・選手コメント
鈴木英之監督
「代表監督に選んでいただいて、お役に立てたことにホッとしています。お互いの投手がすごいので、お互いにロースコアを意識した戦いでした。ミスもありましたが、チームの特長である投手力で繋いでいくことができました」
古堅鈴之輔(富士大)
「チーム全体でリードしてくれたので、抑えることだけを考えました。相手は体も大きいですがビビらずに強気で腕を振りました。すごいメンバーの中で野球ができて良い経験になりました」
藤本士生(國學院大)
「10回表の時に、いつでも投げられるようにという指示があり、前の打者の時にこの後行くぞと言われました。この場面を託してくれたことに感謝して投げました。熱くなる思いがあったので、それを投球に繋げることができました。」
ワールド カレッジ ベースボール チャンピオンシップ
大会期間
2026年7月11日~7月15日
予選ラウンド
7月11日(土)19:30 チャイニーズ・タイペイ(延期)日本
7月12日(日)13:30 日本 10 - 0 韓国
7月13日(月)13:30 日本 2 - 3 アメリカ
7月14日(火)19:30 チャイニーズ・タイペイ 1 - 12 日本
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
決勝
7月15日(水)19:30 アメリカ 3 - 6 日本
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
開催地
台湾(台中)
出場する国と地域
日本、アメリカ、チャイニーズ・タイペイ、韓国
























