![グラウンドを裸足になって整備する開志学園高校女子硬式野球部と球場スタッフ](/img/news/press/20160626_1_1-4.jpg)
![試合前、球場周辺地域の庄瀬野球連盟から「一球入魂」のフラッグを贈られ、記念撮影](/img/news/press/20160626_1_1-2.jpg)
![アップでは、代表経験豊富な金由起子(ホーネッツ・レディース)、志村亜貴子(アサヒトラスト)が中心に](/img/news/press/20160626_1_1-3.jpg)
9月3日(土)に韓国で開幕する「第7回WBSC女子野球ワールドカップ 2016 」。今大会で大会5連覇をかける侍ジャパン女子代表候補選手28名による新潟強化合宿は、6月26日(日)、新潟県新潟市南区の新潟市白根野球場において2日目・最終日のメニューを消化した。
この日は前夜に降った雨が残り、早朝の時点では明らかなグラウンドコンディション不良。だが、何とか試合を実施しようと、侍ジャパン女子代表候補選手到着の1時間以上前から、この合宿のサポートを行っている開志学園高校女子硬式野球部と球場スタッフが懸命にグラウンドを整備した。
裸足になって懸命に泥をすくい、土を入れてトンボで整備し、なんとかグラウンドが使える状態に。これには、侍ジャパン女子代表候補選手・スタッフも感激し、会場に到着するや否や、各々に感謝の言葉を掛け、労をねぎらう。
かくして中学硬式野球チーム・新潟ヤング(ヤングリーグ)との7イニング制特別ルール(勝敗にかかわらず7回裏まで開催)練習試合は、ほぼ予定通りの10時15分に始まった。
侍ジャパン女子代表候補の先発は、清水 美佑(埼玉栄高3年)。「初回の先頭打者を出してしまったので、立ち上がりが悪くてなかなかリズムに乗れなかったが、前回の埼玉合宿から、今回の新潟にかけて、今まで投げていなかったスライダーに重きを置いて練習してきて、ある程度ストライクが取れるようになって、カーブとの緩急差も付けられるようになった」と当人も振り返ったように、初回こそ味方の悪送球と相手4番の内野安打で1点を失うも、2回以降は立ち直り、持ち味のキレのあるストレートで残る2イニングを三者凡退に抑えた。
![新潟ヤング戦の先発は、清水 美佑(埼玉栄高3年)。期待に応え、3回1失点の好投](/img/news/press/20160626_1_2-1.jpg)
![9番レフトでスタメン出場した志村亜貴子(アサヒトラスト)は内野安打で存在感を放つ](/img/news/press/20160626_1_2-2.jpg)
![5番に座った川端友紀(埼玉アストライア)がバントの構えで揺さぶりを掛ける。この日も2安打と好調を維持](/img/news/press/20160626_1_2-3.jpg)
![代打で登場した田中亜里沙(大阪体育大2年)は、初球をレフト前へクリーンヒット](/img/news/press/20160626_1_2-4.jpg)
![試合後、対戦相手の新潟ヤングと記念撮影](/img/news/press/20160626_1_2-5.jpg)
すると、打線は三回裏、3番・三浦 伊織(京都フローラ)の四球、4番・有坂 友理香(アサヒトラスト)のポテンヒットで一死一、三塁のチャンスを迎えると、5番・川端友紀(埼玉アストライア)が同点タイムリー。さらに二死後連続四球で勝ち越す。
また、4回表からマウンドに上がった2番手・吉井 萌美(平成国際大学4年)は、二死一・三塁のピンチを招くも後続を打ち取り1イニング無失点。5回から登板した3番手・森若菜(福知山成美高3年)は二死二塁から四球と内野安打などで2点を失い、2対3と逆転を許してしまうも、侍ジャパン女子代表候補はここからWBSC女子野球ワールドカップ4連覇中の原動力である粘りを見せた。
その裏に相手悪送球で同点に追いつくと、6回裏には、四球で出塁した3番・三浦を二塁に置いて、5番・川端がライトオーバーのタイムリースリーベース。さらにワイルドピッチで川端が生還し、5対3。最後は、6回から登板した前回大会MVPの里綾実(兵庫ディオーネ)が、2回を1安打無失点に抑え、ゲームセット。七回特別ルールのこの試合は、5対3で侍ジャパン女子代表候補が勝利した。
前日に大倉孝一監督が指摘した「チーム全体からの声」もこの日は合格点。活気あるベンチも勝利への礎に。「埼玉アストライアでは主軸としてイケイケで打つことが多いですけど、ここではエンドランもあれば、スクイズもあればセーフティーもある。いろんな可能性に対応できるように、この数ヶ月で準備して、監督が考えている野球、点の取り方を実践できるようにしていきたいです」と語ったのは日本女子プロ野球機構から追加召集された5名のうちの1人、川端 友紀。プロもアマチュアもない、5大会連続世界一へ向かう彼女たちの姿勢が如実にこの日は表れている。
また、侍ジャパン女子日本代表候補は試合を決めた選手たちの他にもスタメン出場した田口 真奈(環太平洋大2年)が、4打席で3出塁・1犠打。さらに守備もグラウンドコンディションが悪い中、軽快にショートの守備をこなし、再三にわたる好守でチームを救った。
そして試合後には選手・スタッフはバスで新潟市中央区の新潟市陸上競技場へ移動。そこで、約1時間、ドーピング講習を受講後、運命の代表候補メンバー絞り込みが行われる。
![新潟合宿最後のミーティングを前に、候補から外れる5人が監督のいる部屋に呼び出される](/img/news/press/20160626_1_3-1.jpg)
![新潟合宿最後の全体ミーティング](/img/news/press/20160626_1_3-2.jpg)
![代表候補から外れる5人が、1人ずつメンバーにあいさつ。黒崎夏奈(侍)](/img/news/press/20160626_1_3-3.jpg)
![代表候補から外れる5人が、1人ずつメンバーにあいさつ。田中亜里沙(大阪体育大学2年)](/img/news/press/20160626_1_3-4.jpg)
![代表候補から外れる5人が、1人ずつメンバーにあいさつ。岩﨑友姫(履正社RECTOVENUS)](/img/news/press/20160626_1_3-5.jpg)
![代表候補から外れる5人が、1人ずつメンバーにあいさつ。森若菜(福知山成美高3年)](/img/news/press/20160626_1_3-6.jpg)
![代表候補から外れる5人が、1人ずつメンバーにあいさつ。星川あかり(京都外大西高3年)](/img/news/press/20160626_1_3-7.jpg)
監督のいる部屋に、森若菜(福知山成美高3年)、黒崎夏奈(侍)、岩﨑友姫(履正社RECTOVENUS)、星川あかり(京都外大西高3年)、田中亜里沙(大阪体育大学2年)の5人が呼ばれ、この合宿でチームから離れることが告げられた。
その後行われた、新潟での最後のチームミーティングでは、チームを離れることになった5人がそれぞれあいさつ。目に大粒の涙を流す者、そしてその涙を見て決意を固める者。さまざまな思いが交錯した。そして、最後に大倉監督が28名の前に立つ。
「サインプレーの確認など最低限のことは出来たと思うし、チームの指針を伝えられたと思う。次の合宿(7月に沖縄県で予定)時には、これが0になってまた始めるのではなく、この状態からスタート出来るように準備をしてきてほしい」。
もちろん、「常に『僕の目の前に来て、同じユニフォームを着たら、その人はみんなチームメイト』いつも言い続けています」と指揮官も語ったように、ここで涙を呑んだ5名の想いも背負って。「これまで日本は、『チーム力』で勝ってきているので、『やはり日本は強いな』というチーム作りをあと何回かの合宿で完成させて、絶対に5連覇したいなと思います」(チーム最年長のホーネッツレディース・金 由紀子)。23名となった侍ジャパン女子日本代表候補は、9月の大舞台へ向かって、さらなる結束を固めていく。
第7回 WBSC 女子野球ワールドカップ
大会概要
第7回 WBSC 女子野球ワールドカップ 出場選手(2016年7月10日発表)
大会期間
2016年9月3日~11日
オープニングラウンド
9月3日(土)19:00 カナダ 2 - 8 日本
9月4日(日)14:00 日本 12 - 0 オランダ
9月5日(月)14:00 日本 18 - 0 インド
スーパーラウンド
9月7日(水) 14:00 ベネズエラ 2 - 7 日本
9月8日(木) 19:00 日本 10 - 0 チャイニーズ・タイペイ
9月9日(金) 19:00 日本 10 - 0 オーストラリア
9月10日(土)14:00 日本 6 - 0 韓国
決勝
9月11日(日)18:00 日本 10 - 0 カナダ
会場
韓国釜山広域市キジャン郡
侍ジャパン女子代表候補 マドンナジャパン座談会
【第1回】マドンナジャパンの注目3選手の素顔
【第2回】3選手がそれぞれに感じる女子野球界の変化を語る>
【第3回】マドンナを目指す全国の野球女子たちに伝えたいこと
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