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井端弘和監督や吉見一起コーチからの学びを継続的に活かし成長の糧に

2025年8月26日

 8月23日に閉幕した「第12回 BFA U15アジア選手権」(台湾・台南市)。2大会ぶり4回目の優勝を目指した侍ジャパンU-15代表は決勝戦でチャイニーズ・タイペイに敗れ準優勝。チャイニーズ・タイペイが2大会連続8回目の優勝を果たし、3位には6大会連続で韓国が入った。
 今後は甲子園やプロ野球、そして侍ジャパンを目指していく選手たちにとっては貴重な収穫と課題を手にした日々だった。

 昨年に続き侍ジャパントップチームとの兼任でU-15代表の指揮を執った井端弘和監督。今年も求めたのは積極果敢な姿勢だ。特に「ファーストストライクから積極的に振りに行く」「低めの球は見逃す」「ミスをしても下を向かない」ということを重点的に伝えた。これは、昨年はもとよりU-12代表を率いた際でも変わらぬ方針だ。
 目の前の試合に勝つためだけではない。国際大会では初対戦となる投手が次から次へと投入されるのはトップチームでも同じ。積極的に振りに行かねばタイミングも掴めず「様子を見て」では、次の打席の際には投手が交代している場合もある。その積極性を逆手に低めの球を振らされたり打たされたりしても相手の思うツボ。また、失敗を引きずるようでは良い選手にはなれない。
 あれやこれやと指示をするのではなく、今後の成長にも必要な徹底すべき重要ないくつかのポイントだけを今回も重点的に伝えた。大会に入ってからはプロ仕様の広い球場かつ、なかなか外野手の頭を越えない状況もあり、フライ性の打球ではなく、ライナー性の強い打球を求めた。

 こうして伝えてきたことが功を奏したのが、スーパーラウンド初戦の韓国戦。140キロ前後のストレートを持つ左腕ら例年以上の力を持つ相手に5対1で快勝を収めた。
 一方でチャイニーズ・タイペイとの戦いでは、スーパーラウンド2戦目での対戦は6失策とミスが重なり7対10。得失点率の関係で進めた決勝戦で再戦した際は、ファーストストライクの見逃しが10回、フライアウトが12個。投手有利のカウントに持ち込まれて、低めの球にバットが回り4安打完封を喫した。
 井端監督は「初球から積極的にとずっとやってきたのですが、初球の見逃しも低めのワンバウンドの空振りも多く、そこを徹底できなかったのは反省。今日だけのことで言えば勝った、負けたという結果よりも残念でした」と、将来を嘱望される選手たちだからこそ苦言を呈した。加えてフライアウトが多かったことについては「これを野手の間に打てるようにするのか、外野の頭を越せるようにするのか。その選択肢が出てくると思うので、自分の特徴を見つけて良い選手になって欲しいです」と期待を込めた。

 投手もトップチームと兼任で吉見一起コーチが担当。「どれだけ引き出しを持っているかが大事。それを選手たちに与えて、使うのか捨てるのかは好きにしていい」というスタンスで、投手陣とコミュニケーションを図り、試合の振り返りも毎試合実施した。「長く野球ができる人は、物の考え方がしっかりしている」と考えるからだ。
 その中で「自己分析がしっかりしている」と評する葛本瑛斗(芦屋ボーイズ)が決勝戦の先発を任され5回無失点と好投。「3回4回行ってくれたら二重丸と思ったけど、それが5回まで無失点。葛本がそれ(日々の振り返りや吸収したこと)を投球として表現してくれたことは嬉しかったです」と喜んだ。
 一方で、今年の投手陣全体として「キャッチボールがあまり上手ではない」という中で、その意識の大切さは伝えていたが「あまり響かなかったかな」と率直に語る。台湾入り後はプロ仕様の硬いマウンドへの対応に苦しみ、ストライクが入らなかったり、高めに浮いたボールが痛打されたりするなど課題が残った。「いくら速い球を投げて日本で抑えられても、世界では通用しないんだと、コントロールの重要性を感じたと思います」「今は分からなくても、何年後かに“そういうことだったんだ”と分かってくれたら嬉しいです」と話すように、これを将来にどう繋げていくかが重要だ。

 何よりもアジアの頂点を目指した戦いと、プロ野球界で長く活躍した侍ジャパントップチームの監督・コーチから日々指導を受けたのは、今回の代表18選手にしかない貴重な財産だ。それを活かすためにも、日頃の練習や生活から高い意識を持ち、継続的に努力していくことが求められる。彼らのさらなる大舞台での活躍を期待したい。

選手コメント

丹羽裕聖(愛知尾州ボーイズ)

※守備機会12回無失策で最優秀守備選手、主将としてチームを牽引
「(個人賞)嬉しいです。天然芝は難しかったですが、なんとか対応しました。賞を自信にして過信にはせずにやっていきたいです。(昨年に続いてU-15代表に選出され、2回井端監督のものでプレー)井端監督は攻めの気持ちをすごく大事にしていて、そこは大いに学んだので、これからも忘れずにプレーしていきたいです」

舩山大翔(東名古屋ボーイズ)

※5試合で10打点を挙げて最多打点
「この賞はみんなが繋いでくれたチャンスで僕が打てただけなので、みんなのおかげです。井端監督のもとでプレーするのはU-12代表に続いて2回目なので、井端監督が考えるバントせずにみんなで積極的に攻めていく野球が今回もできました。ただ自分のエラーで負けた試合があったので気の緩みが無いように今後に活かしていきたいです」

上原優馬(苫小牧リトルシニア)

※2試合に中継ぎ登板し5回無失点でベストナイン(救援投手)
「賞を伝えられた時は実感が湧きませんでしたが、素直に嬉しかったです。三振を取ることが一番と考えていましたが、相手のレベルも高いので打たせて取ることを意識しました。空振りの奪えるストレートを磨いて、高校野球でも通用できるように頑張っていきたいです」

村橋照平(狭山西武ボーイズ)

※打率.412、6打点、12塁打でベストナイン(一塁手)
「一塁手はやったことが無かった中でベストナインを獲ることができて嬉しいです。カバーリングの重要性も再認識しました。ある程度打点を挙げることもできましたし、長打も打てたので良かったです。世界の選手たちと戦うことができて良い経験になりました」

倉田雄星(湖南ボーイズ)

※打率.563、4打点、13塁打でベストナイン(二塁手)
「このメンバーで野球ができて良かったです。ベストナインが獲れたのもみんなのおかげ。とても貴重な経験ができました。井端監督のもとで、ノーストライク2ボールからも打っていいと言われたので楽に良いスイングができました。次はU-18代表に選ばれて世界一を獲りたいです」

中島辰徳(熊本泗水ボーイズ)

※打率.529、5打点、13塁打でベストナイン(外野手)
「賞が嬉しい気持ちもあるのですが、正直な気持ちとしては4番として出た決勝戦初回の無死満塁で打たなかった悔しさの方が強いです。チームスポーツなので仲間のためのプレーの大切さがあらためて分かりました。高校野球ではチャンスでしっかりと打つ、チームの勝利に貢献できる選手になりたいです」

第12回 BFA U15アジア選手権

大会概要出場選手

大会期間

2025年8月17日~8月23日

オープニングラウンド(グループB)
8月17日(日)14:30 日本 14 - 1 香港
8月18日(月)14:30 スリランカ 1 - 24 日本
8月19日(火)14:30 日本 10 - 0 フィリピン

スーパーラウンド
8月21日(木)14:30 日本 5 - 1 韓国
8月22日(金)19:30 日本 7 - 10 チャイニーズ・タイペイ

決勝
8月23日(土)19:30 日本 0 - 3 チャイニーズ・タイペイ

開催地

台湾(台南)

出場する国と地域

グループA
チャイニーズ・タイペイ、韓国、タイ、パキスタン

グループB
日本、フィリピン、香港、スリランカ

侍ジャパンU-18壮行試合 高校日本代表 対 大学日本代表/沖縄県高校選抜 7/5
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