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"世界の野球"力戦奮闘ブラジル野球!~日系移民が紡いできた夢~「目標に向かって」

2019年12月9日

文・写真=小島尚幸

Boa tarde!!
こんにちは!

 ブラジルでは夏が始まり、暑い日が続いています。そして先日、私が担当しているカテゴリーの今年最後の大会がありました。来年になると代も変わるので、この代での大会も最後ということになりました。今年1年の集大成の大会、選手だけでなく選手たちの父母も気合いが入っていました。

ブラジルの野球事情

 少し話が逸れますが、ブラジルの少年野球事情の話をしますと、ブラジルは日本に比べて面積が約23倍も広いです。そのため今回15チームが参加しましたが、ほとんどのチームが大遠征をして来ていました。
 何時間も運転して車で来るチームもあれば、バスや時には飛行機で来るチームもあります。ブラジルはとにかく広いので一つの場所に集まるのも一苦労。
 そして基本的に土日の2日間で1チーム計4試合程の日程をこなすというスケジュールになっています。トーナメント形式ではないため、負けてもまた試合ができる仕組みになっています。またピッチャーには球数制限が設けられているなど、投球過多にならないよう配慮されています。宿泊はクラブの施設や近郊の会館の施設を利用し、寝泊まりをしています。

いくぞ!!Anhanguera (アニャンゲーラ)!!

 私たちはこれまで主要な大会で上位に入るという目標を掲げて練習に励んできました。そのため今回の大会がこの代の最後の大会ということもあり、選手たちの並々ならぬ気合いを感じました。
 私がブラジルに来た時、日本では試合前にどんな掛け声を出すの?と聞かれ、「いくぞ!◯◯◯」という掛け声を出し、試合に臨むよ、と教えたらそれ以降すっかりこの円陣も定着し、試合前にはいつも円陣を組み「いくぞ!!アニャンゲーラ!!」という掛け声をかけ士気を高めています。
 試合前のアップから大きな声を出して一体感を出し、入念に準備をし、いざ試合へ!!

いざ試合開始!

 初戦の相手は強豪チーム。初戦ということもあり、選手たちは緊張し少し硬くなっている様子でした。
 練習したことが思うように発揮できず、苦戦を強いられてしまいました。そのままズルズルといってしまい結果的には大敗。
 しかし、落ち込む暇もなく2試合目が始まりました。選手たちは気持ちを切り替え、目の前の試合に勝つことだけに集中していました。1試合目とは打って変わって、打線が繋がり得点を重ねました。相手打線を要所で抑え、見事勝利!
 試合後にはミーティングを行い、2日目に向けて選手たちが話し合い、考えを共有。皆が同じ方向を向いて一つの目標に向かっていると感じました。

 2日目の1試合目、前日の勝利の勢いのままいくと思いきや、4点差のビハインドのまま最終回に突入。しかし誰も諦めてはいませんでした。ランナーを貯め、1点返し、そしてまた1点、控え選手も総動員でなんとか同点に追いつく展開。その流れそのままに最後はサヨナラヒットで試合を決めました。勝ちたいという気持ちが本当に伝わってくる試合でした。
 そして2試合目、この日の初戦と同様にリードを許す展開で迎えた最終回の攻撃。この試合も諦めずに最後の最後まで戦い抜きましたが、万事休す。惜しくも負けてしまいました。
 目標としていた上位に入るということは残念ながら達成できませんでした。

来年は絶対!

 しかし、この大会を通して選手の成長を見ることができました。
 負けてしまった試合も内容的には、これまでの大会よりも非常に良かったと思います。
 日本の野球のような機動力や小技を活かしたプレー。バントやバスター、ヒットエンドランなどの練習も沢山してきました。
 練習してきたことを試合でしっかりとできたことも非常に良かったと思いますが、何より良かったのは最後まで諦めないでプレーするという気持ちがとても強くなったということです。精神的にも大きく成長することができたと思います。
 試合後のミーティングでは悔しくて涙を流す選手も。それだけ選手たちはこの大会に懸ける思いが強かったと思います。今年は残念ながら叶いませんでしたが、選手たちの口からは来年は絶対に勝ってもっと上位に入るんだ!という声が聞こえてきました。

 悔しい気持ちを糧に、また来年からも練習に取り組んでいきたいと思います。
 そしてまた選手たちの成長した姿を見るのを楽しみに私自身も尽力していきます!

力戦奮闘ブラジル野球!~日系移民が紡いできた夢~
著者プロフィール

小島 尚幸
1991年4月23日生
第91回全国高等学校野球選手権大会に埼玉県代表 聖望学園高等学校の三塁手として出場。2018年7月よりJICA日系社会青年ボランティアとしてブラジル・サンパウロ州のアニャンゲーラ日系クラブへ派遣され、少年少女への野球の指導や普及活動を行っている。日系移民が広めてきた野球文化の継承、野球を通しての人間形成を目指し活動している。

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