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"世界の野球" 南の楽園フィジーのHAPPYベースボール通信 第6回「U12W杯~オープニングラウンドを終えて~」

2019年7月31日

文=大嶋賢人

オープニングラウンドを終えて、フィジーの試合結果は以下の通りです。


(対南アフリカ)28-2という大敗で始まったW杯

チェコ戦:30-1
キューバ戦:27-1
日本戦:30-0
ホスト国のチャイニーズ・タイペイ戦:32-0

地元メディアも来る中でフィジーらしい野球が見せられたでしょうか

初戦の南アフリカ戦、2試合目の対チェコ戦では初回を無失点に抑える順調なスタート切れたように見られました。
(2回以降、守備の乱れから大量失点)

ビジターで迎えた(先攻)キューバ戦では初回に主将のヒットで先制し、大会中初めて相手をリードする形に。
この集中力をいかに持続させるかが鍵になるでしょう。

投球制限(球数)のある投手陣の負担も懸念材料の一つです。
10日で8試合をこなす過密日程で世界の強豪を相手にマウンドに上がる投手のプレッシャーと疲労が軽く無いのは察するに余り有る。
初戦で行なった8人の選手の継投作戦にWBSC(運営側)が難色を示していました。
地元メディアには大会記録(投手起用最多記録)として報じられたが、我々には十分な戦力と経験が無いためにそうせざるをえなかったのです。

守備を中心に鍛えてきたチームも試合になると緊張から足が止まり、一つのミスから連鎖が始まりビックイニングを生んでしまう。
全員野球で投手を盛り立て守備からリズムを作るはずが、守備の時間が長すぎて体力を消耗してしまう。
1イニングで10点も取られたら時間がかかるのは当然。
初戦は4時間弱と言う長時間の試合になり主審の女性が暑さでフラつく場面も見られるほどでした。

「失点の仕方」を見てみると、一つのエラーからランナーを背負った投手がバッターに集中できずにボールを連投しリズムを崩す。
フォアボールが続きランナーが溜まった状態でストライクを取りにいった甘いボールを外野に運ばれる。
四死球で足の止まった守備陣も中継ミスやカバーリングを忘れ必要以上に失点をするといった悪循環です。
投手のコントロールはある程度技術的な指導でなんとか改善が図られました。
また継投のタイミングもブルペンと密に連携を取ることで解決の糸口が見えています。

特に南アフリカ戦ではボールを見てきた(相手が積極的にバットを振ってこなかった)事もあり、試合時間が伸びたが2試合目以降は投手陣のコントロールにも改善が見られ四死球で崩れることはなくなった。
ボールを打ってもらうことができれば守備の機会(アウトをとるチャンス)があります。

一つのアウトを取るのにやっとな彼らだが、アウトを取る度に大騒ぎする姿が周りの注目を集めているようです。
ピンチを切り抜けて(大量失点の後)なんとか3つ目のアウトを取った時の盛り上がり様は、他のチームでは見られないでしょう。

攻撃でもダグアウトの盛り上がりは特徴的です。
出塁や、得点のチャンスは勿論のこと、彼らの気分が乗ると突発的に起こる合唱劇はみものでしょう。
『Go Fiji go』や『Mai Fiji mai』(がんばれフィジー)と言った彼らの応援ソングが送られ、打席の選手はそれに応えようとフルスイングする。
それが実った(得点に繋がる)際には更なる盛り上がりを見せる事でしょう。

対キューバ戦の初回に主将のイシケリのヒットで先制した際の盛り上がりは今大会一と言っても過言では無い。
試合の実況でも『It is party time』と言うほどの大騒ぎを見せてくれています。

https://youtu.be/UbbTJotxCJ4?t=1069

実際にこのシーンが大会中初めて相手をリードした瞬間でした。
私も一塁ランナーコーチで映っておりませんが、こっそり喜んでおりました。
自分たちのヒットであろうが、相手のエラーであろうが彼らにとって喜ばしいことは間違いないでしょう。
「得点の仕方」については今後の課題です。
この「大騒ぎ」とも言える”盛り上がり”が彼らの野球の最大の魅力だと私は感じております。

試合後に記者の方に質問された際にもそうお答えしましたが、その「団結力」こそが彼らの色でありフィジー野球が唯一世界にお見せできるものではないでしょうか。
「我々は挑戦者であり、諸外国のチームから多くのものを学びに来ている。そんな我々が何か他のチームにシェア出来るものがあるとすれば”純粋に野球を楽しむ姿”だろう。」

日本戦の後に記者の方が我々の取材にきて下さった際にこんな話をしてくれました。
『日本代表の仁志監督が先ほどのインタビューでフィジーの選手を褒めていましたよ』
「うちの選手は流れが悪いと下を向いてしまうが、フィジーの選手は最後まで声を出し続けていた。見習いたい。」と、そんなような事をおっしゃっていたそうです。

普通30点差も離されれば諦めがつく。
しかし、フィジーの選手にそんな常識は通用しません。
最後のアウトを取られるまで応援する。
一人でもランナーが出れば大騒ぎをする。
アウトやエラーに、ヒットやフォアボールに一喜一憂する少年野球です。
そんな我々の野球を世界ランク1位の日本代表の監督に評価して頂けた事は大変嬉しいです。
どんな格下の相手にもリスペクトを持って、学ぶ姿勢を見せてくれる日本の野球が、日本代表がこれからも世界で活躍する事を期待します。

http://www.japan-baseball.jp/jp/news/press/20190729_1.html

オープニングラウンド最終戦は地元チャイニーズ・タイペイとの戦いでした。
応援団やメディアの前でコテンパンにやられてしまいました。
3回の表にフィジーのエースが打席でボールを当てられてしまいました(死球)
インコースのシュート気味の速球に反応が間に合いませんでした。
太腿に100kmを超える硬球を食らった彼はその場でうずくまってしまいました。
必死に一塁へ向かおうとするも、その足取りは重く交代させざるをえませんでした。
負傷しながらも最後まで戦おうとする選手の姿勢に会場からは今大会一大きな拍手が送られました。
結局試合はチャイニーズ・タイペイの圧勝で幕を閉じたが、試合終了後の拍手は今までに無いほど大きく、その殆どは負傷した選手へ向けられていたでしょう。

試合後もメイン球場の前に停まるバスまでのたった数十メートルの距離でさえも、地元の台湾サポーターが選手を一目見ようと並んでいました。
選手の肩を支え、一緒に歩いていた私さえも写真撮影を求められるほどの騒ぎでした。
数人のお母さん達がお菓子を差し出す中、一人の少年が握手を求めて来ました。
選手に向けられたその熱い眼差しは、まさに憧れの選手を見つめる時のソレでした。

プレーのレベルは他の国に大きく劣るが、最後まで戦う姿勢は評価して貰えた。
彼の背中に何かを感じた少年が居たように、フィジー野球を見てくれている人が居る。
応援して下さる方がいるという事を選手達と共に感じた瞬間でした。
これからもフィジーらしく全身で楽しむ野球を続けていってもらいたい。
そしていつの日か大陸予選を勝ち抜いて世界大会に出場し、日本やチャイニーズ・タイペイとのリベンジマッチが実現する事を願ってやみません。

NO SWING
NO HIT!!!!!

南の楽園フィジーのHAPPYベースボール通信
著者プロフィール

大嶋賢人
1994年8月8日生
都内の教育大学を卒業後2017年8月よりFiji Baseball & Softball Associationに青年海外協力隊の野球隊員として配属。ナショナルチームの指導や巡回型普及活動を行っている。「年間300日雨が降る」と言われる首都スバ市で”NO SWING-NO HIT!”をモットーに現地の子どもと白球を追っている。好きな言葉は「出来なくて当たり前、出来たら男前」。

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