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"世界の野球"「リトルリーグ・バンコクサンダース(タイ代表)仙台強化合宿~前編~」

2016年9月2日

写真・文=色川冬馬

 2016年6月20~24日、青山氏率いるリトルリーグ・バンコクサンダース(タイ代表)が仙台にて「アジア太平洋・中東地域予選」に向けた強化合宿を行った。今回を含め2回に分け、ナショナルチームとリトルリーグの違い、そして国際親善試合を誘致する価値と意義について紹介していきたい。

 リトルリーグとは、1939年にアメリカ合衆国ペンシルバニア州にて初めての試合が行われたとされており、歴史の深い少年野球団及びリーグである。1947年には、今回バンコクサンダースが目指していたリトルリーグ・ワールドシリーズがスタートした。リトルリーグ・ワールドシリーズとは、アメリカ国内の各地区支部予選を勝ち上がった8チーム(アメリカ国内グループ)と、それ以外の地域(日本、アジア・オセアニア・中東、カナダ、ラテンアメリカ、カリブ海諸国、メキシコ合衆国、ヨーロッパ・アフリカ、オーストラリア)の8チーム(インターナショナルグループ)に分かれて予選リーグを戦い、それぞれの1位がリトルリーグの世界一を決め競う大会である。この大会は、毎年8月にサウスウィリアムズポート(ペンシルベニア州)の国際本部で開かれ、1963年からABCスポーツ(現ESPN)にてアメリカで放送され、少年野球では世界一注目度の高い大会といっても過言ではない。


タイに野球道具は売っていないので真剣に品定め

 リトルリーグでは、リトルリーグ国際本部により定められた各地区の管轄事務所にて基準を満たし、承認を得ることで、リトルリーグ所属の少年野球団として活動することができる。タイでは、唯一のリトルリーグであるバンコクサンダースがタイ国の代表となり、管轄地域のナンバーワンを決めるアジア太平洋・中東地域予選へ参加した。その予選を通過すれば、リトルリーグの世界大会に出場できるのだ。一方で、日本はチーム数が多いため、アジア地域の括りから外れ、日本として1枠を与えられ、毎年行われる日本選手権で優勝したチームが日本代表となり、ワールドシリーズに出場している。
 リトルリーグ・ワールドシリーズに出場する日本代表チームは、日本選手権にて優勝した“地域の代表チーム”であり、ナショナルチームではないことを注意してほしい。世界野球・ソフトボール連盟主催の12歳以下のワールドカップが、その世代における“世界最強国“を決める大会として位置づけされている。「ワールドシリーズ」と銘打った大会である為わかりにくいが、リトルリーグ・ワールドシリーズは、この世代における “世界最強クラブ”を決める大会と認識していただければわかりやすいだろう。

 野球がオリンピック競技から外れた2012年、野球とソフトボールを再びオリンピック競技へ復活させる為、野球とソフトボールを一つの競技とし、オリンピック競技へ復活させようとする活動・協議が始まった。そして2013年、正式に国際野球連盟と国際ソフトボール連盟が統合し「世界野球・ソフトボール連盟(WBSC)」が立ち上がった。
 しかし、現状ではWBSCが主催する野球のワールドカップよりも、世界的には「リトルリーグ・ワールドシリーズ」の方が認知度も高く、出場国数が多い事も興味深い。世界のプロスポーツを牽引し野球の歴史も深いアメリカ。そのアメリカ最大級のスポーツ番組であるESPNにてリトルリーグ・ワールドシリーズは毎年放送されており、認知度と人気を押し上げている。またリトルリーグのチームはナショナルチームとは違い、あくまで地域のチームである為、各国在住の野球が好きな日本人やアメリカ人が設立をする事ができ、多く少年野球団が国を問わずに世界へ広まっている。ワールドカップとワールドシリーズの試合形式ではルールにも違いがあり、リトルリーグはソフトボールと同じく離塁や牽制はできない。

 今回のアジア太平洋・中東地域予選では、WBSCには属していないサウジアラビアやドバイ(UAE)も出場していた。リトルリーグが世界野球の底辺として担う役割と、本当の意味で野球を世界へ普及して行く為、双方の存在意義と住み分けを明確にし、より広く世界へ野球が広まる機会へ繋がることを願う。(後編に続く)

タイ野球の歩み
著者プロフィール
色川冬馬(いろかわ とうま)
2015年2月にイスラマバード(パキスタン)で行われた西アジア野球選手権にイラン野球代表監督として、チームを2位へと導く。同大会後、パキスタン代表監督に就任。2015年9月に台湾で行われた「第27回 BFA アジア選手権」では、監督としてパキスタン代表を率いた。

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