7月25日、侍ジャパントップチーム新監督就任発表記者会見が行われ、新たに就任した井口資仁監督らが出席した。今秋に開催される「ラグザス アジアプロ野球チャンピオンシップ2026」から指揮をとることが発表されたことに加え、井口監督自身からの所信表明や関係者からの期待が語られた。

井口監督の考える「日本らしさ」
17時から始まった会見で井口監督は「日本らしさ」という趣旨の言葉を何度も用いた。
まず、オファーを受けた理由については「選手として多くの素晴らしい指導者、仲間と出会いました。監督としてもチームが1つになる大切さを学びました」と感謝の思いが強いという。そして、その恩返しとして「野球の発展、次世代に繋ぐことが使命だと思いました」「野球を通じて夢や希望、挑戦する姿を届けていきたいです」と、力強く語った。
国内外の野球の進化も実感しており「私たちも現状に満足することなく、新しい考えを取り入れながら、日本の伝統と強みを融合させて、世界の頂点を目指していきたいです」と構想した。
目指すチーム像については「短期決戦では個の力だけでは勝てません。お互いを信じ、理解し、1人ひとりがチームのために戦う集団こそが強いチームだと信じています」と話す。その上で「日本らしい緻密や粘り強さ、挑戦する姿勢は変わらない強みだと思います。特に結束力は世界の中で日本が一番だと思っています」と長所を分析。「日本の野球を体現できるチームを作りたい。全員が役割を理解して、1球への執念を積み重ねられる集団を作っていきたいです」と繰り返し結束力の重要性を説いた。
また、ファンに対しても「選手、コーチ、スタッフ、そしてファンの皆様と心を1つにして、日本の誇りを胸に戦っていきたいです。どうぞ皆様の温かいご声援をよろしくお願いいたします」と、カメラの向こう側にも結束を呼びかけた。

プロアマ問わない日本球界全体の牽引を
会見では井口監督に加え、日本野球機構・榊󠄀原定征コミッショナー(日本野球協議会会長)、全日本野球協会・山中正竹会長(日本野球協議会副会長)日本野球機構・中村勝彦事務局長(侍ジャパン強化委員会委員長)の3氏も出席。井口監督の選任理由や期待など様々なことが語られた。
中村事務局長は新監督の選考過程を説明。最大の目標を2028年に行われるロサンゼルスオリンピックでの金メダル獲得とし、国内外に日本野球や野球を通じたスポーツの魅力を発信したいという思いから、監督に求められる資質を策定。
「国際大会や海外での豊富な経験」「強いリーダーシップと求心力」「国内外における高い信頼と知名度」「メディアに対する発信力」「アマチュア球界を含めた日本球界への深い敬意と理解」「侍ジャパンプロジェクトへの共感と共有」を基準としたことを明かした。その上で、国内外での経験・実績ともに豊富で、1996年のアトランタオリンピックで銀メダルを獲得している井口監督に白羽の矢が立ったという。
契約は2028年のロサンゼルスオリンピックまでではあるが、議論の中では第7回WBC(開催時期未定)まで指揮を執る案も挙がっており、その旨は井口監督に伝えられていることも明かした。
榊原コミッショナーは3月のWBCまでに指揮を執った井端弘和前監督に感謝。U-12やU-15代表の監督も務めたことにも触れ「野球振興や次世代育成にも大変なご尽力をいただきました」とし、トップチーム監督としても通算26試合23勝2敗1分であったことにも敬意を示した。井口監督についても「ワールドシリーズ2度の優勝という稀有な経験、ロッテの監督としても若い選手を引き上げるリーダーシップを発揮されました」と実績を紹介し「世界一奪還を果たせる指揮官であると確信しています」と力強く語った。
山中会長は侍ジャパンについて「勝つための集団ではありません。野球振興やスポーツ文化を次の世代へ継承させていくために、常に憧れの象徴でありたい」と理想像を示し、井口監督には「プロアマ問わず野球界全体を牽引する存在になることを強く望んでおります」と期待した。同会長は1992年のバルセロナオリンピックで指揮を執った経験があるだけに「多くの競技が集まる大きなスポーツイベントであり、WBCとはまた違った盛り上がりがあります」と東京オリンピック以来の競技採用を喜び、「こういう選手になりたい。こういう大会に出たいと思ってもらえる侍ジャパンになってもらいたいです」と、予選突破や金メダル獲得がその原動力になると話した。
井口監督が力強く語った展望と関係者から託された思い。これからの球界全体を盛り上げ、世界一を獲るための挑戦が再び始まった。
























