2025年11月16日、「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本 vs 韓国」の第2戦が東京ドームで行われ、侍ジャパンは韓国と7対7で引き分け。このシリーズを1勝1分けで終えた。

始球式は「RAXUSこどもたちの夢応援プロジェクト2025」で選ばれた、保育園、学童野球チームとも同じで、ともにプロ野球選手を夢見る小学6年生バッテリー(池田航大さん、村石将咲さん)。ノーバウンドの素晴らしい投球を見せて、スタンドからは温かい拍手が送られた。
19時から始まった試合はプロ1年目の金丸夢斗(中日)が登板。関西大時代の2024年3月にもトップチームに選出され、欧州代表を相手に2回完全投球と好投していたが、この日も2回まで内野安打1本に抑えていく。だが打線が韓国先発のチョン・ウジュ(ハンファ)の前に3回無失点に抑えられると、3回裏に金丸が韓国打線に捕まる。
四球、パク・ヘミン(LG)の二塁打、四球でピンチを招くと、第1戦で本塁打を放ったソン・ソンムン(キウム)にライトへ二塁打を打たれ2点の先制を許す。さらダブルスチールを仕掛けられ3点目を許した。
それでも第1戦に続いて打線がすぐさま反撃に出る。2試合続けて3番に起用された森下翔太(阪神)が右中間を深々と破る二塁打を放つと、2四球もあって満塁のチャンスを迎え佐々木泰(広島)のセンター前安打で1点を返す。なおも韓国投手陣の制球難が続き、連続押し出しで同点に追いついた。
その裏には西口直人(楽天)がムン・ヒョンビン(ハンファ)に安打と盗塁を許してピンチを招き、シン・ミンジェ(LG)にタイムリーを打たれて勝ち越しを許した。
それでも直後の5回表。またも韓国投手陣がストライクゾーンへの適応に苦しみ、西川史礁(ロッテ)の投手強襲安打と2四球、押し出し四球で同点に追いつくと、石上泰輝(DeNA)の一、二塁間を破るタイムリーで2点を勝ち越した。
これで流れは完全に侍ジャパンかと思われたが、その後は押し出しでの1点しか追加できず。
7回には髙橋宏斗(中日)が3連続四死球から犠牲フライで1点を失うと、8回は前日も本塁打を放ったアン・ヒョンミン(KT)にレフトへ豪快な本塁打を打たれ1点差。9回には大勢(巨人)が2死までこぎつけたが、キム・ジュウォン(NC)にライトスタンドへ運ばれ同点。日本に入国した翌日に祖父を亡くし「プレーを通して祖父を送りたいと思っていました」と涙ながらに語るキム・ジュウォンの思いの詰まったひと振りの前に、勝ち切ることはできなかった。

一方で、今回の対戦では来年の「2026 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下、WBC)に向けて、新ルールや大会使用球、ストライクゾーンなどの確認ができる有意義な場となった。また両チームはWBCの1次ラウンドで3月7日に対戦。そこに向けても相手の戦力や戦い方を知る貴重な機会となった。
監督・選手コメント
井端弘和監督
「昨日に続いて先制を許し、追いついて、勝ち越せたのですが、その後に得点を取りきれなかったところが同点に繋がってしまいました。課題がいくつか挙がったので、首脳陣で共有して準備していきたいです。新しいルールには適応できたと思うので、来年は対相手ということに集中していきたいです」
金丸夢斗(中日)
「昨日の曽谷さんの投球を見て自分もしっかり抑える気持ちと、初めてのピッチコムやピッチクロックでしたが落ち着こうという気持ちでマウンドに上がりました。ボール先行になってしまったので、次はもっとアバウトでもいいので攻めていきたいです。良い球も何球かはあったので、大会使用球にも慣れてきました。課題を改善し、オフシーズンにレベルアップをしてWBCの戦力になれるように頑張りたいです」
石上泰輝(DeNA)
「ストレートに反応できました。たくさんのすごい選手の中で足りないところが攻守で見つかりました。良い経験になりました。しっかり持ち帰って来季に向けて繋げていきたいです」
リュ・ジヒョン監督
「第1戦よりも選手がリラックスして試合することができました。チーム全体が最後まで負けない気持ちで集中していたことが結果に繋がりました。ただ今日も四死球がとても多かったので改善していきたいです。(韓国プロ野球では、WBCで採用されない機器による自動ボールストライク判定が導入されており)ストライクゾーンについては映像を徹底的に見て備えていきたいです」
キム・ジュウォン(NC)
「(9回に同点弾)大勢投手が良い投手であるということは知っていましたが、最後の打者になりたくないと集中して打席に入り、運良く失投を打つことができました。(祖父が亡くなったのは)日本入国の翌日でした。両親からは試合に集中するように言ってもらい、祖父を見送ることはできませんでしたが、プレーを通して祖父を送りたいと思っていました」

























