7月29日、「第31回 BFA アジア選手権」(9月22日から28日まで中国・平潭)に出場する侍ジャパン社会人代表の選考合宿が、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで始まった。







今回の合宿は4日間の日程で行われ、全国の社会人チームから精鋭42名が参加。川口朋保監督は「社会人野球の価値をさらに高めるものにしていきたいと考えています。そのためには、選手はもちろん、私たちスタッフを含めた全員で取り組んでいくことが必要不可欠です。まずは、この42人のコミュニケーションや関係性を良くといったところに重きを置き、チームづくりを進めていきたいと思っています」と今回の合宿の位置付けについて語った。
猛暑のなか迎えた初日は、スタッフ・選手全員でのミーティングからスタート。15時から始まった練習では、野手陣が「トラッキングデータの活用」というチームの課題に向き合い、川口監督の「データの可視化を進めましょう」という方針のもと、測定機器を活用しながら打撃練習に取り組んだ。一方の投手陣はキャッチボールの後、ブルペン投球やシャドーピッチングで各自調整。最後には、サインを確認しながら投内連係を実施し、実戦に向けた準備とチームの結束を深めた。
今回のメンバー構成には、これまで社会人代表を経験してきた選手に加え、初招集となるフレッシュな顔ぶれも多数名を連ねる。川口監督は「同じメンバーで戦う強みもありますが、新しい選手が加わることで、チームに新しい風が吹き込み活性化するというメリットもある」と選考の意図を語った。また、川口監督のもとで代表活動を共にしてきた逢沢崚介(トヨタ自動車)は「川口さんはいつも“コミュニケーションの質”を大切にされている方です。僕は経験者として、初招集の選手たちに積極的に声をかけ、チームの一体感づくりに貢献したい」と、頼もしい姿勢を見せた。







なお今合宿中には、2026年アジア競技大会の会場でもある豊橋市民球場でのHonda鈴鹿との試合(2日目)を皮切りに、岡崎レッドダイヤモンドスタジアムで3日目はトヨタ自動車、4日目には三菱自動車岡崎との練習試合が予定されている。攻撃面では「1試合10得点」、守備面では「失点ゼロ」を目標に掲げ、参加選手たちは日々成長を追い求めながら、アジアの頂点を見据えていく。
監督・選手コメント
川口朋保監督
「初めての選手もいますが、まずこの4日間で一番大事なのは、関係性をしっかり築くことだと思います。この42人の中から今大会の本メンバーを選ぶことになりますが、当然ながら本メンバーは24人になります。その中でやっぱりメンバーに入れる選手と入れない選手がいますが、一喜一憂せず、自分が今日ここに立っているということに誇りをもって、試合にしっかりと臨んでいただければなと思います」
逢澤崚介(トヨタ自動車)
「初招集の選手もいましたが、みんな積極的にコミュニケーションが取れていましたし、暑い中でしっかり締まった練習ができたかなと思います。(自分の役割については)年齢的にも上の方ですし、前回大会では4番を打たせてもらって、プレー面ももちろんのこと、練習から活気あるチームにしたいので、元気を出しながら引っ張っていきたいです。(明日からの実戦については)実戦の中で分かることはたくさんあるので、そういう中でもいい選手のプレーを見ながら、チームとしても勝ちにこだわり、いいチーム状態で試合に臨めたらなと思います」
福井章吾(トヨタ自動車)
「顔見知りの選手はいたんですけど人生で侍ジャパンの合宿は初めて。いろいろ勉強しながら、短い時間でしたけど楽しかったです。でも、やることは変わらないですし、自分のプレーを精一杯するだけなので、あまり気にせずやろうかなと思います。こういう国際大会などの短期間のチームは、対話でどれだけチームを作っていけるかが鍵。(コミュニケーションや対話は)僕自身の持ち味でもあるので、存分に発揮したいです。(明日以降は)組んだことのないピッチャーもたくさんいるので、結果だけ見ずにあくまで先を見据えて、自分のためになる試合にできればいいかなと思っています」