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試合レポート

終盤まで意地を見せるもあと一歩届かず U15アジア選手権3連覇を逃す

2023年8月26日

 8月26日、「第11回 BFA U15アジア選手権」(中国・山東省威海市)の決勝戦が威海野球場のメインスタジアムで行われ、全勝でスーパーラウンドを1位通過した侍ジャパンU-15代表はチャイニーズ・タイペイと対戦。終盤まで意地を見せるも4対6で敗れ、2位で大会を終えた。

 決勝戦の先発を任された大城諄來(浦添ボーイズ)は、初回の先頭打者に四球を与えると、続く打者にヒットを許しいきなりピンチを招く。しかし後続を空振り三振に切って取ると村雲脩吾(京都嵯峨野ボーイズ)が素早い送球で盗塁を刺すなどして無失点で切り抜ける。
 するとその裏、今度は侍ジャパンU-15代表が立ち上がりを攻める。2死から扇大和(東北楽天リトルシニア)が内野安打で出塁し、辻竜乃介(ヤング神戸須磨クラブ)の内野ゴロが送球エラーとなり一、二塁のチャンスを作ると、岡安凌玖(豊田リトルシニア)、池田聖摩(熊本中央ボーイズ)が連続で四球を選び押し出しで先制に成功した。
 ところが3回、2死からチャイニーズ・タイペイの1番シン・シーシャンにヒットを浴びると、続く打者の打ち取った当たりの内野ゴロが送球エラーとなり同点に追いつかれる。
 4回には1死から四球で走者を出し、6番ファン・シャオチーに抜ければ長打になるレフトへの飛球を打たれるが、扇が全力疾走しジャンピングキャッチでアウトを取り、さらに走者が戻る際のベースの踏み忘れを内野陣が見逃さずアウトにし見事にピンチを脱した。

 両チームの先発投手が最少失点で抑えながら力投を見せる緊迫した試合展開の中、5回に試合が大きく動く。5回表、大城が先頭打者にヒットを許し、内野ゴロで1死二塁のピンチを招くと、9番スン・ミーチャにタイムリーを浴び勝ち越しを許す。ここで侍ジャパンU-15代表は吾郷優真(橿原ボーイズ)を2番手のマウンドに送るも、ライト前ヒットに送球エラーが絡みさらに1点を失う。その後も勢いを止めることができず、スクイズとタイムリーに2つのエラーが絡みこの回一気に4点を奪われた。なおも1死一、二塁のピンチが続いたが、吾郷に代わりマウンドに上がった萩野瑠海(ヤンキース岡山young)が落ち着いて2者を抑え、それ以上の失点は許さなかった。
 4点を追いかける展開となったが、侍ジャパンU-15代表はすぐさま反撃に出る。5回裏、1死から辻が四球を選ぶと、チャイニーズ・タイペイ2番手のトゥ・イーツェのけん制悪送球で一気に三塁まで進み、市村心(狭山西武ボーイズ)の内野ゴロの間にホーム生還し1点を返す。さらに池田のヒットと盗塁の後、曽根丈一郎(金光ボーイズ)がライトへタイムリーを放ちさらに1点を返した。

 最終回の7回表に振り逃げで出塁した走者をタイムリーで返され再び3点差となるが、その裏に侍ジャパンU-15代表が意地を見せる。
 1死から辻が四球を選び出塁すると、市村は外野フライに倒れ2死一塁に。選手たちがベンチから声を張り上げ声援を送る中、池田が「最後の打者になる場面だったので、とにかく繋ぐ意識で打席に入りました」とセンターへヒットを放ち一、三塁のチャンスを作る。ここで曽根が2打席連続のタイムリーを放ち1点を返す。池田の好走塁もありなおも一、三塁のチャンスが続き、長打が出れば一気に同点の場面となるが、代打の金谷隆乃助(関メディベースボール学院ポニー)が空振り三振に倒れ試合終了。最後まで諦めない姿勢を見せたが、あと一歩届かなかった。

 これで7日間に渡って開催された同大会は閉幕。今大会は来年に開催されるU-15ワールドカップの予選も兼ねており、2位以上に出場権が与えられる。今山和之監督は「目標の優勝には届かなかったけど、みんなの頑張りで来年出場する後輩たちの道しるべを作ってくれた、本当にありがとう」と選手たちをねぎらい「ここで過ごした時間のように、仲間を信じて日々鍛錬、そういう気持ちを忘れずに頑張って欲しい」と次のステップへと移していく選手たちにエールを送った。
 大会3連覇は逃したものの、無敗で決勝戦まで勝ち進み見事に戦い抜いた侍ジャパンU-15代表は、27日に堂々帰国の途に就く。

監督・選手コメント

藤田蒼海(関メディベースボール学院ポニー)

最多得点、ベストナイン(三塁手)
「優勝したかったという気持ちが一番大きいです。(タイトル獲得は)しっかりチャンスメイクできて、後ろの打者が返してくれたのでみんなに感謝です。みんな仲が良くて、野球になると雰囲気の変わるすごく良いチームでした」

松本悠嗣(東北楽天リトルシニア)

ベストナイン(外野手)
「優勝できず悔しかったですが、この期間チームのみんなと野球できて楽しかったので悔いはないです。(タイトル獲得は)中学3年間やってきたことを全部出し切れたので、その結果だと思います」

池田聖摩(熊本中央ボーイズ)

最優秀防御率
「目標にしていたアジア選手権3連覇はなりませんでしたが、この18人とスタッフの方と野球だけではなく一緒に生活もできて、楽しい期間でした。(タイトル獲得は)熊本中央ボーイズの監督コーチや家族、侍ジャパンの監督コーチ、スタッフのみなさんの支えがあったから獲得できたと思います」

小峰渉央(佐賀フィールドナイン)

盗塁王
「全員で全力で最後まで戦ったので後悔はしていないです。(タイトル獲得は)いっぱい塁に出られたというのもありますし、打者に助けてもらった盗塁も多かったのでみんなに感謝したいです。一人ひとりがチームのことを考えて行動していた結果が2位に繋がったので、とてもいいチームになったと思います。」

扇大和(東北楽天リトルシニア)

ベストナイン(外野手)
「決勝戦で負けてしまってすごく悔しいのですが、チームでひとつになって戦うことができたので、とても楽しく戦えました。(好守でチームを救った場面は)普段やっていないポジションなので、常に全力でボールに向かって走っていくだけでしたので、楽な気持ちでいいプレーに繋がったと思います」

第11回 BFA U15アジア選手権

大会概要 出場選手

大会期間

2023年8月20日~8月26日

オープニングラウンド
8月20日(日)15:00 香港 1 - 21 日本
8月21日(月)19:00 日本(雨天中止)中国
8月22日(火)15:00 日本 15 - 0 パキスタン
8月23日(水)19:00 日本 3 - 0 中国
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)

スーパーラウンド
8月24日(木)15:00 チャイニーズ・タイペイ 5 - 6 日本
8月25日(金)15:00 日本 5 - 1 韓国
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)

決勝
8月26日(土)19:00 日本 4 - 6 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)

開催地

中国(威海市)

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