9月11日まで韓国・釜山で開催された「第7回WBSC女子野球ワールドカップ」で全勝優勝、前人未到の5連覇を達成した侍ジャパン女子代表(マドンナジャパン)の優勝記者会見が、千葉県成田市の新東京国際空港内行われた。まず会見場に大倉孝一監督以下、コーチ、選手20名全員が華々しく登場。女王たちは疲れも見せず、誇らしげに5連覇の証である金メダルをひっさげて撮影に応じた。
![金メダルを掲げ満面の笑顔を見せる侍ジャパン女子代表](/img/news/press/20160912_2_1-1.jpg)
![選手たちに声をかける侍ジャパン女子代表・大倉孝一監督](/img/news/press/20160912_2_1-2.jpg)
![キャプテンの志村亜貴子(アサヒトラスト)と好リードが光った船越千紘(平成国際大)](/img/news/press/20160912_2_1-3.jpg)
![優勝会見に臨む川端友紀、志村亜貴子、大倉孝一監督、里綾実](/img/news/press/20160912_2_1-4.jpg)
![侍ジャパン女子代表・大倉孝一監督](/img/news/press/20160912_2_1-5.jpg)
その後の記者会見では大倉孝一監督、キャプテンの志村亜貴子(アサヒトラスト)、史上初の2大会連続MVPと大会ベスト先発投手部門をダブル受賞した里綾実(兵庫ディオーネ)、大会ベスト二塁手部門を受賞した川端友紀(埼玉アストライア)が登壇。 8試合を通じ総得点は81。失点は4。オープニングラウンド3戦、スーパーラウンド5戦、決勝戦も指揮官曰く「目指す野球の理想形」と話す10対0でカナダで下しての大偉業を成し遂げた緊張感が解けたことで、終始笑顔が絶えない凱旋会見となった。
まず大倉監督は5連覇の感想を求められ「ホッとしたというのが一番。やっと優勝に対し嬉しさが出てきました」と第一声。勝因については「今回は若い選手が多かったのですが、大会が進むにつれどんどん伸び伸びやれていたのがよかったです。キャッチャーの船越(千紘・平成国際大)などは大暴れできたと思います」と振り返った。
また、大会後だからこそ明かせる侍ジャパン女子代表のチームコンセプトも披露。 「このチームは投手陣を中心にいかに少ない失点に抑え、その上で攻撃するかがまず戦い方の基本。そう言った意味で里(綾実)を中心にピッチングスタッフがよくやってくれました。大量得点は思わぬ収穫。爆発的に打ったという手応えはないです」と話した。
その立役者である里綾実は「すごく楽しかった」と笑顔を見せながら、大会中のチームワークを語る。
「自分がやってやろう!というプレッシャーは無かったです。このチームは、それぞれが役割を理解し果たせる仲間。だから私も任された時に全力を出し切ろうと。みんなで勝ち取った優勝でしたね。
あとは、前回MVPを獲ったということで世界から注目されるのはわかっていた。だから、そうやって注目してくれる選手やファン、何より仲間たちに恥じないピッチングが出来たことは良かったです。先発投手である以上、最後までマウンドに立っているのはやはり目標とするところですし、それだけに優勝を決める時にマウンドに立てていたというのは嬉しいです。任せてくれた監督に感謝です」と、最後は感謝の言葉で締めくくった。
![キャプテンとしてチームをまとめ上げた志村亜貴子(アサヒトラスト)](/img/news/press/20160912_2_2-1.jpg)
![大会ベスト二塁手を受賞した川端友紀(埼玉アストライア)](/img/news/press/20160912_2_2-2.jpg)
![2大会連続のMVPとベスト先発賞を受賞した里綾実(兵庫ディオーネ)](/img/news/press/20160912_2_2-3.jpg)
![WBSC女子野球ワールドカップ優勝トロフィー](/img/news/press/20160912_2_2-4.jpg)
![会見も明るい侍ジャパン女子代表](/img/news/press/20160912_2_2-5.jpg)
![笑顔の絶えない会見となった侍ジャパン女子代表優勝会見](/img/news/press/20160912_2_2-6.jpg)
一方、4番を中心に中軸としてチームを引っ張り、10打点をマークした川端友紀は「今は優勝が出来て安心しているところです」と、安堵の表情を見せる。
その上で圧勝の裏にある大会レベルの上昇にもこう触れた。
「特に投手陣は、変化球のキレが増しています。あれでコースを突かれたら嫌だな、という投手が出てきたので、2年後にはもっと増えてくるはずです。自分ももっと向上心を持ってレベルを上げていかないといけない」と早くも6連覇を見据える発言もあった。
そして、ベテランと若手を上手く融合させ、最強のチームを作り上げたキャプテン・志村亜貴子も「このチームをまとめようと苦労したことはなかった。みんなに感謝です」と笑顔で話したうえで、6連覇への道のりが平坦でないことを指摘した。
「特に、今大会3位に入ったベネズエラは、全てにおいてレベルが上がっていた。こういうチームはベネズエラだけではなくもっと出てくるはず。日本もレベルを上げていかないといつか追いつかれる」と気を引き締める。
そして大倉孝一監督は「女子野球を広める」という使命についてもグローバルな視線を向ける。大会中、アメリカのメディアにも取材を受けたことを明かした上で、指揮官は、
「僕が女子野球に初めて携わった15年前は、とてもじゃないけどまず『女子野球をやる』という環境になかった。それを少しずつプレーできる高校を増やし大会を増やしてここまで来た。
けど、ここはあくまでスタート地点です。侍ジャパン女子代表の選手たちが引き続き、自分たちのチームでも頑張っている姿を見せて勇気を与え、裾野をもっと広げていく。これなくしては女子野球の発展と強化はありません。これはマドンナジャパンの宿題だと思っています。こういった日本の姿勢がモデルケースになってくれるとよいと思います」と語った。
キャプテン志村もこれに呼応し、「全国の選手たち、少女たちはぜひここを目指してほしい」と、頑張る女子選手たちに力強いメッセージを送り、最後は大会6連覇と女子野球を広める誓い立て終了した。
かくして最強の侍ジャパン女子代表チームはこの日をもってひとまず解散。2年後の晴れ舞台へ向かって気高く美しいマドンナたちは、各チームでさらなる切磋琢磨を続けていく。
第7回 WBSC 女子野球ワールドカップ
大会概要
第7回 WBSC 女子野球ワールドカップ 出場選手(2016年7月10日発表)
大会期間
2016年9月3日~11日
オープニングラウンド
9月3日(土)19:00 カナダ 2 - 8 日本
9月4日(日)14:00 日本 12 - 0 オランダ
9月5日(月)14:00 日本 18 - 0 インド
スーパーラウンド
9月7日(水) 14:00 ベネズエラ 2 - 7 日本
9月8日(木) 19:00 日本 10 - 0 チャイニーズ・タイペイ
9月9日(金) 19:00 日本 10 - 0 オーストラリア
9月10日(土)14:00 日本 6 - 0 韓国
決勝
9月11日(日)18:00 日本 10 - 0 カナダ
会場
韓国釜山広域市キジャン郡
侍ジャパン女子代表候補 マドンナジャパン座談会
【第1回】マドンナジャパンの注目3選手の素顔
【第2回】3選手がそれぞれに感じる女子野球界の変化を語る>
【第3回】マドンナを目指す全国の野球女子たちに伝えたいこと
新着記事
女子代表 関連記事
![]() |
開幕を2日後に控え現地で初練習 再延期の末にたどり着いた世界一を争う舞台に選手たちが思いを語る2024年7月27日 |
---|
![]() |
中島梨紗監督と共同主将の川端友紀・出口彩香が6年ぶりの大舞台に向け7連覇への鍵を語る2024年7月24日 |
---|
![]() |
大会前最後の実戦で中学硬式クラブと対戦 田中露朝の好投や中村柚葉のダメ押し打などで競り勝つ 2024年7月23日 |
---|
![]() |
強豪・湘南ボーイズとの練習試合 追加招集の清水美佑の好投や長田朱也香の攻守にわたる活躍などで引き分けに持ち込む2024年7月22日 |
---|
![]() |
「カーネクスト presents 第9回WBSC女子野球ワールドカップ ファイナルステージ」侍ジャパン女子代表出場選手変更 および直前合宿について2024年7月10日 |
---|