7月31日~8月10日(現地時間)にメキシコにて開催される『第2回 IBAF 15U ベースボールワールドカップ』に向けて、26日からの3日間、千葉県にて強化合宿が行われた。
国内の中学硬式野球5団体に所属する約1500チーム、約36000名の選手たちの中から、全国4ヶ所のトライアウトなどを経て選出された若き侍ジャパンの選手たち。
25日、野球殿堂博物館で開かれた記者会見を終えると、選手たちは、夕方より都内で行われた結団式で、代表メンバーとして初めて顔を揃えた。
初めて一緒にプレーするチームメイトに緊張の色をみせていた選手たち。
しかし翌日の千葉県成田市で行われた強化合宿初日で、「JAPAN」のユニフォームに袖を通すと、選手たちの表情は一変。
練習中は互いに声を掛けあい、また、時に笑顔で仲間のプレーを称える姿も。
また、高い実績を持つ指導陣たちからのアドバイスに真剣に耳を傾け、さらに仲間でありライバルでもある他メンバーのプレーから見て学ぼうとする場面も多くみられた。
今大会に臨むにあたり、侍ジャパン15Uを率いる代表監督には鹿取義隆氏が就任。80年代から90年代にかけ、読売ジャイアンツ、西武ライオンズで、主にリリーフ投手として活躍し、最優秀救援投手などのタイトルを獲得している。時代を代表する投手の一人として名を馳せた鹿取監督。
引退後は指導者としても着実に実績を積み重ね、2006年には第一回ワールドベースボールクラッシックでは日本代表投手コーチとして世界と戦った。昨年は、15U アジアチャレンジマッチで監督を務め、優勝に導くなど国際大会の実績も十分。
また、その鹿取監督を支えるコーチ陣には、和歌山県立箕島高校で甲子園春夏連覇を経験し、その後、西武でも活躍した木村竹志コーチ(全日本少年硬式野球連盟)。さらに、中学硬式の強豪チーム・小平ポニーズ(日本ポニーベースボール協会)で監督として指揮を執る伊藤亨介コーチが就任。
「鹿取監督は、瞬時に的確な判断を下して指導をされていくので、私たちコーチ陣も監督が考えていることをその場ですぐに汲み取って動いて、サポートできるようにしています」と話す伊藤コーチ。
すでに首脳陣たちの結束力は高く、選手たちが安心してプレーしやすい環境がそこにはあった。
25日の記者会見で鹿取監督は、
「選手たちには、世界の野球を見て、自分たちに足りないところや、足りているところはどこなのかを吸収していってほしい。どの世代の侍ジャパンも世界一になるんだという目標をしっかりと持って、いい結果を残して頑張っていきたいです。」と語っていたが、選手たちもすでに同じ思いを持って、この強化合宿に臨んでいた。
代表チーム結集前から大会に臨むための体作りを選手たちがしっかりしてきたこと、個々に技術を高めてきたことは、一目瞭然。選手たちの仕上がりに、鹿取監督も、
「代表に選ばれてから、自覚があったんでしょうね。この日まで、ちゃんと練習をやってきたなというのは動きをみてすぐに分かりました」と目を細めた。
選手たち自身もまた、日の丸を背負うことの誇りと喜びを感じながらも、「日本代表として、しっかりとプレーしていきたい」と口々に話し、連日30度を超える真夏日の中でも、選手たちは最後まで引き締まった表情で強化練習に取り組んでいた。
そんな代表メンバーたちを横目に、鹿取監督は、
「選手たちには、とにかく色んな経験をしてもらいたいんです。私は、彼らにとって、それが一番大事なことだと考えています。やっぱり、この年代で国際大会にチャレンジするというのは、思い出としては残りますからね。僕自身も、選手時代の経験は、結果的に全部頭の中にメモリされているので、そういうものがあるから、後輩や下の世代に伝えていける。経験することで、次に継承していくということが何よりも大切なことだと思っています」と話す。
また、鹿取監督は、野球界の縦のつながりを強めていくためにも、15歳以下の選手たちで結成して初めて挑む今大会は、大事な大会として捉えている。
「世代ごとの大会は出来たばかりですが、今後は侍ジャパンとして、世代を超えて、お互いに交流も深めていきたいと考えています。また、各年代のマニュアルもしっかり残すことで、それを横にも展開できるので、そうやって、日本全体の野球の強化にもつなげていけたらと思います」
鹿取監督の熱い思いからも分かるように、日本の野球界にとっても、大きな一歩がまさに、これから始まろうとしている。
15U代表チームは、3日間の強化合宿を終えた28日夜にメキシコに向けて飛び立つ。
初戦は、31日16時(現地時間)、メキシコのテオドロ マリスカルの地で、 南アフリカと対戦。1次予選では5試合を戦ったのち、2次予選で4試合を戦って決勝進出を争う。
決勝は、現地時間8月10日18時開始。
日本にとって初めての参加となる『IBAF 15U ベースボールワールドカップ』。
鹿取監督率いる15U代表チームは、日本球界の希望を背負って、初の頂点を掴みにいく。
各選手の大会に向けた意気込み
(背番号14 多田 祐大 選手)
セールスポイントは、走塁(盗塁)です。自分の力を世界に試して、世界一を狙います。
(背番号13 小林 克弘 選手)
セールスポイントは、左バッターに対する追い込んだあとのチェンジアップです。金メダルを獲ります。
(背番号15 竹内 奎人 選手)
セールスポイントは、堂々としたマウンドさばきです。日本代表で野球ができる恵まれた環境に感謝して、自分のできる精一杯のプレーをして、気合溢れるプレーを見せます。
(背番号16 千綿 泰生 選手)
セールスポイントは、コントロールです。全員野球で優勝を目指します。
(背番号17 秋江 諒摩 選手)
セールスポイントは、ストレートとスライダーのキレです。自分ができることをやって、優勝に繋がるようなプレーをしたいです。
(背番号18 高井 元太 選手)
セールスポイントは、ストレートの威力と変化球のキレです。侍ジャパンできっちり活躍して、自分のチームにその経験を持ち帰り、自分のチームもレベルアップしていきたいです。
(背番号19 上中尾 真季 選手)
セールスポイントは、打者としては、チャンスでの勝負強さ、投手としては、インコースのストレートです。チームに貢献して、みんなと一緒に世界一になりたいです。
(背番号11 平島 廉 選手)
セールスポイントは、ピンチでも動じず、抑えられるところだと思います。これだけいい選手が侍ジャパンに集まったので、優勝目指して頑張ります。
(背番号12 武隈 陽平 選手)
セールスポイントは、力強いバッティングです。世界一になります。
(背番号20 岩本 久重 選手)
セールスポイントは、長打力と強肩です。世界相手にも自分のプレーをして、長打をアピールしていきます。
(背番号2 津原 瑠斗 選手)
セールスポイントは、キャッチングと強肩です。強肩を世界に見せて、世界一を目指します。
(背番号9 大和田 聖人 選手)
セールスポイントは、投手としては、コントロールです。野手の時は、守備でしっかりボールをさばいて、チームを引っ張っていくことです。力勝負を挑んでくる相手に、力勝負で勝ちたいです。
(背番号10 近本 攻生 選手)
セールスポイントは、しっかりと声をだして、チームを盛り上げるところです。侍ジャパンに選ばれたからには、世界一を目指していきたいです。
(背番号3 大曽根 伸哉 選手)
セールスポイントは、捕球してからスローイングまでの早さです。 世界一になって帰ってきたいと思います。
(背番号5 鏑木 風雅 選手)
セールスポイントは、長打力です。1本でも多く打って、世界で通用する選手になりたいです。
(背番号6 加藤 大貴 選手)
セールスポイントは、守備力とバッティングのミート力です。活躍をして、結果(世界一)が出ればいいと思います。日本に帰ってきて、いい報告がしたいです。
(背番号4 村田 和也 選手)
セールスポイントは、走力と守備です。地元のみんなに、金メダルを見せてあげたいです。世界に、足を見せていきたいです。
(背番号1 増田 珠 選手)
セールスポイントは、球の早さと肩です。このメンバーと一緒に全力プレーをして、世界一を目指します。
(背番号7 齋藤 健成 選手)
セールスポイントは、バッティング時の積極性です。世界一を目指します。
(背番号8 西浦 颯大 選手)
セールスポイントは、広角に打てるバッティングと守備範囲の広さです。世界一を目指してがんばります。