9月26日、第4回 BFA 女子野球アジアカップ(10月26日~11月1日まで中国・杭州)に出場する侍ジャパン女子代表の強化合宿が、「女子野球タウン」(※)である栃木県栃木市で始まった。
※女子野球をシティプロモーションとして活用し、地域活性化を目指す自治体を「女子野球タウン」として認定。全日本女子野球連盟とともに女子野球を通じてその自治体を盛り上げていくことを目的に2020年9月から始まった。






今回出場するのは全日本大学女子硬式野球連盟に所属する20選手。中島梨紗監督は6月に広島県三次市で行われた候補選手強化合宿(ここで選手を選考)で「高校の女子硬式野球部が約70校ある中で、大学は18校という現状です。もっと大学の女子野球を盛り上げて、『私も大学で野球をしたい』という選手を増やすことや、大学の選手たちに 『侍ジャパンとして戦える選手になりたい』と思ってもらうことを目指しています」と意図を語っていたように、大会4連覇を目指すだけではない大きな意義を持つ。
代表結成後初の集合日となったこの日は、エイジェックスポーツ科学総合センターで「侍ジャパン野球健康診断」(※)やミーティングが行われた。
※選手の肩や肘などの故障に悩む選手が多数いる現状を踏まえ、NPBエンタープライズがアマチュア野球の代表組織である一般財団法人全日本野球協会(BFJ)に協賛し、日本代表の各世代の合宿などで実施されている。
ミーティングでは一昨年のアジアカップ、昨年のワールドカップから指揮をとる中島梨紗監督が『GO FOR THE GOLD 伝統と文化を繋いでいく』と題したスライドをもとに、選手たちに代表としてあるべき姿を伝えた。
ミッション(使命)としては「応援・愛されるチームになる」「アジアカップ優勝」「成長の糧にする」、ビジョン(理想像)としては「女子野球を当たり前の文化・競技に」、バリュー(価値)としては「チームファースト」「自覚・責任・誇り・謙虚・感謝を決して忘れない」ということを掲げた。その中で「代表として周りから見られていることを忘れない」「代表になったから偉いわけではない」ということが特に力を込めて伝えられた。
また、「チームをみんなで作る意識」や「学年は関係ない」、「全ての行動と決断はチームが勝つためのもの」ということも伝えられた。
そして、主将には山本一花(大阪体育大)と脇坂仁南(至学館大)、投手主将には柏崎咲和(大阪体育大)が任命された。






最後に、前回のアジアカップの映像を全員で見た上で中島監督は「勝てばいいということだけではなく、代表に選ばれたことの意味や感じたこと活かしていって欲しいです」と、選手たち自身と女子野球界、どちらの未来に向けても意義深い活動にして欲しい旨が、あらためて伝えられた。
27日は栃木市のエイジェックさくら球場(大平運動公園野球場)で来日中のオーストラリアと合同練習や、14時半から練習試合が行われる予定となっている。代表活動期間を通して若い選手たちが心技体でいかに成長していくか楽しみだ。