2025年11月7日、ひなたサンマリンスタジアム宮崎で「侍ジャパン宮崎秋季キャンプ2025」の2日目が行われた。

この日も選手たちは「2026 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下、WBC)で導入されるピッチコム(サインの伝達機器)を使用して練習。ブルペンだけでなく、投内連係でも使用され、二遊間の選手も装着し牽制のサインなどを確認した。
現役時代に二遊間を務めていた井端弘和監督は「今までの(捕手の指や腕で)サインを出すやり方よりスムースに済むなと思いました。サインの見落としということはなくなるので、あとはタイミング。相手にも盗まれないですし、見落としにくいし、表情にも出にくいんじゃないかと思うので楽ですよね」と好意的に捉えた。その上で8日のライブBP(実戦形式の打撃練習)でも使用し、課題が出てくれば対応していく考えだ。
ブルペンでは前回のWBCの優勝経験者である髙橋宏斗(中日)や大勢(巨人)、今年のセ・リーグの最多セーブ投手賞(46セーブ)に輝いた松山晋也(中日)らが捕手を座らせて投球練習。
髙橋は36球のうち10球でピッチコムを使用し「サインに首振る回数も限られてくるので、投手と捕手の信頼関係が大事になってくる。普段からしっかり話していければ、良い形で試合に入れると思います。自分のレパートリーと捕手のゲームプランが一致できるようにしていきたいです」と展望。また「自分はそんなに繊細な投手ではなく、自分のリズムで投げたいわけでもないので、逆にいろんな引き出しが持てるのかなと思いました」と好意的に捉え、その理由については「シーズンよりテンポが速くなって良い形になるかもしれませんし、投げたい球が来るまで首を振ることができないので、それが逆に良い方向に繋がることもあるのかなと思います」と語った。
松山もピッチコムについては「自分は球種が多くないので、良いことかなと思います。捕手と話しながら、サインを受けるタイミングなどを詰めていきたいです」と問題無い様子。大会使用球についてもチームの秋季練習から使用しており「親指の位置を変えたり、グリップを強めたりして工夫してきました」と順応してきたようだ。
大勢や松山の投球については、井端監督も「すごいボールを投げていたので期待しかありません。迫力あるなとあらためて思いました」と舌を巻いた。そして、大会本番では「開幕から3連戦があって3連投させるわけにはいかないので」と中継ぎや抑え投手が多いに越したことはない旨の考えも明かした。

3日目となる8日のライブBPでは、曽谷龍平(オリックス)、髙橋、藤平尚真(楽天)、北山亘基(日本ハム)が登板予定。ピッチコムやピッチクロック(※)も使用し、より実戦に近い形で投手も打者も感覚を磨いていく予定となっている。
※投手は球を受け取ってから走者無しの場合は15秒、有りの場合は18秒以内に投球を始めなければいけない。打者は残り8秒になるまでに、打者は打撃姿勢を完了しなければいけない。
選手コメント
髙橋宏斗(中日)
「ここに合わせてきたので、体の状態は良いですし、球も悪くないですね。あまり休まずに状態を維持してきました。(WBCの大会使用球)準備する期間が長かったので大丈夫です。 (優勝経験者として)しっかりアピールしていかないといけない立場。良い姿を井端監督や投手コーチに見せていければと思います。特に役割にこだわりは無いので、与えられたポジションを全うできればと思っています」
松山晋也(中日)
「(ストレートやフォークに加えカットボールも)カットは今、試している状況です。ここから、ボールの中を捉えられるようにやっていきたいです。試合でも投げて自信をつけたいですね。(捕手の)若月さんとは、どういう攻め方をするのかということや配球のことを話しました。(WBCへの思い)前回は観る側でしたが、今回はメンバーの1人として優勝したいです」
























