9月11日、侍ジャパン女子代表の選考合宿2日目が埼玉県内で行われた。この日予定されていた紅白戦2試合に向けて、まずはグラウンド整備後、各自がアップをスタート。その後、キャッチボールなどを経て紅白戦の第1試合(8回制、1チーム打者12人で一巡)が行われた。
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白石美優(大阪体育大)はランナーを2人置いた場面で、ライトオーバーの2点タイムリー三塁打を打つと、続く打席に再びヒットで出塁。「アピールできるところはしないと、と思ったので」と今度は二盗で見せた。安達瑠(エイジェック)も技ありの巧打を含む2安打を放った。1安打こそ打たれたものの2回を無失点に抑えた柏崎咲和(大阪体育大)は、緩急のついたピッチングでアピールした。
午後には同じルールで2試合目が行われた。1試合目でも盗塁を決めていた小島也弥(九州ハニーズ)は二盗、三盗とこの試合でも俊足を惜しみなく披露。中江映利加(阪神タイガースWomen)は満塁のチャンスに同点となる2点タイムリーを打って、勝負強さを見せた。
紅白戦2試合を通じて、守備では好プレーが続出。星川あかり(淡路BRAVEOCEANS)は本職のショートに加え、普段守ることがないというサードでも堅守が光った。球際に強く、深い位置からの送球も安定していた。田中美羽(埼玉西武ライオンズ・レディース)は外野に抜けそうなゴロにも追いついて捕球、好送球したり、内外野の間に落ちそうなフライをジャンプして捕ったりなど、ファインプレーが続いた。
最後に登板した最速129キロ右腕の森若菜(阪神タイガースWomen)は、フルカウントからわずかにストライクゾーンを外れて1つ四球を与えたものの、キレ味抜群のボールで2回を無安打。強打者の泉由希菜(淡路BRAVEOCEANS)をストレートで空振り三振に抑えるなど、3奪三振の好投を見せた。
中島梨紗監督が「突発的な事故も大会中は起こりうると思いますし、複数できるというのは選手の強みであり、選択肢も増えていくので」と言っていたように、今回は投手の堀田ありさ(東海NEXUS)も一塁で出場して打席に立つなど、本職以外の複数ポジションにつく選手が多かった。
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最後のミーティングでは、紅白戦で見えた課題や合宿の総括などが首脳陣から語られた。そして最後に中島監督から「女子野球の未来はみんなにかかっている」とメッセージが送られた。世界一の強さを誇る侍ジャパン女子代表はどんな勇姿を見せてくれるのだろうか。
監督・選手コメント
中島梨紗監督
「(合宿を終えて)選ぶのが難しいというのが一番の感想です。上手な選手がそろってここに来ているので、どうやって選んでいくかというのは一応決めてきたのですが、みんな意地を見せてくるので難しいですね。守備をしっかり、得点を与えないミスが少ないチームというところはブレずに作っていきたいですし、1点を確実に取りに行く野球をしていきたいと思っています。でも野球を見ている人の醍醐味はやっぱりホームランや長打だと思うので、”日本はそれだけじゃないぞ”というところも見せたいと思っていますし、バランスが取れたチーム作りをしていきたいと思います」
森若菜(阪神タイガースWomen)
「持ち味が力強いストレートなのですが、女子野球のレベルが上がっていてストレートだけでは絶対に抑えられないと思ったので、次に自信のあるスライダー、カーブを混ぜながらのピッチングを意識していました。どうやってストレートを生かせるか考えていた中でいい結果に繋がったので、よかったと思います。ストレートをコースに決めることで、打たれる打たれない関係なく持っているものを全部出し切れたかなと思います」
星川あかり(淡路BRAVEOCEANS)
「普段守らないサードの練習をする時間はあまりなかったのですが、気持ちはしっかり作れていたので、大きなエラーがなく守り切れたのはすごく大きかったと思います。2回に先制のチャンスで回ってきたので、ランナーを返すことだけを考えて打席に立ちました。ピッチャーもレベルの高い選手が多いので、その中でどれだけ自分のスイングができるのかというのがこれからの課題としてある中で結果がついてきたのは、自分にとってもプラスだと思います。どこでも守れないと代表クラスでは出られないと思うので、これからもどこでも守れるように準備して行きたいと思います」
白石美優(大阪体育大学)
「(2点タイムリー三塁打について)とにかく緊張していたので、一球でも無駄が無いようにと思い、初球から振っていこうという気持ちで行きました。打撃面ではいつもよりボールが見えていた分、ヒットが出たと感じています。守備ではライトが初めてでいつもはセンターを守っていて。力加減や距離感というのを掴めなかったので、そこは次回の選考に呼ばれた時には修正して合わせたいです」
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