7月29日、「ラグザス presents 第8回 WBSC U-12野球ワールドカップ2025」(台湾・台南市で8月3日まで)に出場している侍ジャパンU-12代表は、オープニングラウンド第4戦でオーストラリアと対戦。15対0の4回コールド勝ちで開幕4連勝を飾り、スーパーラウンド進出を決めた。






この日、活躍が目立ったのは大会初先発や初出場の選手たちだ。前日のメキシコ戦が雨天延期となり迎えたこの試合、先発オーダーをがらりと変えたが、それぞれが持ち味を存分に発揮した。
初回は初登板の丸山峻輝(新潟リトルリーグ)、2回は初出場の清水亮多(横浜リトルリーグ青葉緑東)が、初出場の大川幸太朗(調布リトルリーグ)の好リードもあって三者凡退に抑えると、2回裏に打線が応える。
清水の内野安打と四球から作ったチャンスで大川がレフト前に運んで先制に成功。さらに相手のバッテリーミスもあって、この回2点を挙げた。続く3回も3試合ぶりの出場となった小川大良(湘南リトルリーグ平塚)のライト前安打を皮切りに、相手のバッテリーエラーで追加点を挙げると、相手投手の制球の乱れもあって満塁とチャンスが続く。すると、そこから清水の内野ゴロ、寺田大智(千葉リトルリーグ船橋)の犠牲フライで得点し、この回は3点を挙げた。
投げては3回から大会初登板の下平丞汰(武蔵嵐山ボーイズ)が緩急の効いた投球でオーストラリア打線に付け入る隙を与えず、2イニング続けて1人の走者も出さない投球を見せる。
4回裏は大会初先発の福山恒成(多摩リトルリーグ稲城)の二塁打を皮切りに、大原颯二郎(糸島ボーイズ)、丸山、清水、寺田のタイムリーなどで得点を重ねていく。
そして、両足首の負傷の影響もありここまで出場機会が無く、一塁コーチとして献身的に声を出していた小俣大空(千葉リトルリーグ千葉市)が代打に送られ、センター前へタイムリー。その後、代走が出されベンチに戻る際は、選手・スタッフから大きな祝福で出迎えられた。なおも打線の勢いは止まらず、小川と吉塚真之介(狭山西武ボーイズ)のタイムリーで得点を15点目に乗せ、「4回以降15点差」という大会規定の点差に達したため、4回コールド勝ちが決まった。




オープニングラウンド最終戦となる第5戦は、メキシコと30日に対戦。ともにスーパーラウンド進出を決めており、オープニングラウンド同グループとの対戦成績は持ち越されるため、スーパーラウンドを有利に戦うには重要な一戦となる。チーム全体に活力をみなぎらせる侍ジャパンU-12代表が、勢いそのままに5連勝を狙う。
監督・選手コメント
大久保秀昭監督
「みんなを試合に出したい状況でどうなるかなという気持ちと期待、両方ありましたが、みんな良い方に繋げてくれたかなと思います。大川は献身的で純粋な目をした選手なので頑張ってくれて良かったです。投手陣もストライク先行で林卓史投手コーチが密かに喜んでいるんじゃないでしょうか。試合に出られていなかった選手にはモヤモヤがあったかもしれませんが、試合に出たことでよりチームの一員と感じてやってくれればと思います。また、野球が強い・弱いということよりも、いろんな国で同世代の選手が一生懸命、野球に取り組んでいる。そういうことは常に感じて欲しいので、これから伝えようと思います」
大川幸太朗(調布リトルリーグ)
「ヒットが打てて気持ち良かったです。捕手としては低めのバウンドをする球を止めないといけないなと思いました。所属チームで捕手はしたことが無かったのですが、合宿が始まる2週間前から練習していました。ブルペン捕手からしっかりやってきて良かったです。試合後、みんなの前で林さんに褒められて嬉しかったです。これから出番は少なくなると思うのですが、勝つためにサポートできるように頑張りたいです」
下平丞汰(武蔵嵐山ボーイズ)
「良いピッチングができました。あまり緊張しませんでした。アウトコースにスライダーをしっかり決めようとマウンドに上がりました。もっと試合で投げるために良いアピールができました」
小川大良(湘南リトルリーグ平塚)
「(2打数2安打2四球)コントロールがあまり良くないピッチャーだったのでシングルヒットを狙いました。出たい、出たいというエゴが溜まっていました。チャイニーズ・タイペイ戦は特に出たかったです。僕より上手い人がいるので、スタメンを譲りたくはないけど、そうなってしまうこともあると思います。でも、代打で出た時は、監督に僕をスタメンに使わなかったことを後悔させたいです(笑)」
小俣大空(千葉リトルリーグ千葉市)
「嬉しかったです。代打と言われて絶対に打つという気持ちでした。打ったのはストレートです。怪我していたので、できることをやろうとこれまで一塁コーチなどを積極的にしていました。厳しい戦いが続くと思いますが、持っている力を全力で出して、これからも勝っていきたいです」
ラグザス presents 第8回 WBSC U-12野球ワールドカップ2025
大会期間
2025年7月25日~8月3日
オープニングラウンド(グループA)
7月25日(金)15:30 日本 17 - 0 ドイツ
7月26日(土)15:30 日本 4 - 0 キューバ
7月27日(日)19:30 チャイニーズ・タイペイ 2 - 7 日本
7月28日(月)15:30 メキシコ - 日本
7月29日(火)11:30 日本 15 - 0 オーストラリア
スーパーラウンド
7月31日~8月2日
決勝・3位決定戦
8月3日
開催地
台湾(台南)
出場する国と地域
グループA
日本、チャイニーズ・タイペイ、メキシコ、キューバ、オーストラリア、ドイツ
グループB
アメリカ、韓国、パナマ、ドミニカ共和国、チェコ、南アフリカ