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チームレポート

あらゆる事態に備えた準備が進む。ユーティリティー性の高い栗原陵矢に稲葉篤紀監督も期待

2021年7月20日

 7月20日、東京オリンピックの野球競技開幕を28日に控えた野球日本代表・侍ジャパンが強化合宿2日目(非公開)を楽天生命パーク宮城で行った。

栗原「何か1つでも金メダルに貢献したい」

 この日も13時30分から練習を開始し、アップをした後にシートノックを行い、その後に投手は各自で調整を行い、野手はフリー打撃で調整した。

 シートノックでは、山田哲人(ヤクルト)が一塁と二塁を、栗原陵矢(ソフトバンク)が右翼手と三塁手の2ポジションを守るなど、登録24選手・野手13選手(捕手2人含む)という限られた戦力の中での、幅広い戦術やあらゆる事態を想定した準備が進められている。

 特に栗原は17日のオールスター第2戦では史上初となる4つのポジション(一塁、三塁、左翼、捕手)を守るなど、ユーティリティー性が高く評価されての選出だ。稲葉篤紀監督も、この日の練習後「あそこまで複数ポジション守れる選手はいないので非常に貴重です」と語った。
 栗原も、求められている役割の多さについて「ありがたいことですし、僕自身どこでもやりたいなと思っています。不安なく試合に入っていけるように練習していきたいです」と意気に感じている。
「金メダルしか目指していないので何か1つでも貢献したいです。うるさいと思われるくらい元気を出したいですし、声だけではなく人一倍動くこともしていきたい」というハツラツさはチームに好影響をもたらしそうだ。

 また、福井・春江工時代は侍ジャパンU-18代表の主将として第10回 BFA 18Uアジア選手権(開催国タイ)を経験。「初めて対戦する相手ばかりでも、あまり守りに入らず攻めていければと思います」と、積極的な姿勢の大事さを説いた。さらに、今日は全体練習後に鈴木誠也(広島)と打撃練習を行い、あらゆる面で「吸収できることはなんでも吸収したいです」と頼もしい限りだ。

柳田は別メニュー調整

 右脇腹の違和感により、初日に続き別メニューとなった柳田悠岐(ソフトバンク)は、前日には受けていたノックにも入らず、完全別メニュー調整となった。柳田の状態について稲葉篤紀監督は「動けてはいるんですが、今は本当に無理をしてもらうところではないので、こちらがあえて我慢をしてもらいました」と事情を説明。あくまで無理をさせないという判断だったようだ。

 予選ラウンドが2試合ともに12時試合開始であるため、連日猛暑の中での調整となっているが、稲葉監督は「暑さによる疲れというのはどうしても残ってしまうので、そういうところも気を付けないといけません」と細心の注意を払っており、試合時の対策も進めているという。

 この後は23日まで練習を行い、24日には楽天、25日には巨人と『ENEOS侍ジャパン強化試合』を行う予定になっている(強化試合は入場制限を設けた上で有観客開催)。

選手コメント

栗原陵矢(ソフトバンク)

「侍ジャパンのユニホームはすごく重みを感じますね。素材的には軽いのですが、ユニホームに様々なものが詰まっていると感じます。グラブは、シーズン中は4個くらいですが、今回は4種類で予備も入れて6、7個持って来ました」

伊藤大海(日本ハム)

「緊張しっぱなしですが、優しい方ばかりなので周りに助けられています。自分のペースを乱さずに準備していきたいです。(駒大苫小牧高の先輩である田中将大について)みんなが尊敬していて、全員に向けての助言もしてくださっているので生かしていきたいです」

梅野隆太郎(阪神)

「コミュニケーションもとりやすく、やりやすい環境でプレーさせてもらっています。投手陣とはこれから投球内容などをもっと詰めていければと思います。日本のプロ野球の代表として胸を張って戦っていきたいです。自分の力を出すこと、プロとして当たり前のことを当たり前にできるように、継続して取り組んでいきます」

山﨑康晃(横浜DeNA)

「非常に緊張してチームに合流させていただいてますし、赤いユニホームも初めて着用して新鮮な気持ちで練習に臨みました。初選出の選手も多いので、みんながコミュニケーションの取れる話しやすい環境を整えていきたいと思います。チーム全員で戦って、オリンピックで(プロ参加後)初の金メダルを目指して頑張っていきたいです」

浅村栄斗(楽天)

「いい調整ができているかなと思います。(一塁での守備練習は)不慣れなポジションではありますが、プレミア12でも経験していますし準備しておきたいと思っています。ワクチンの副反応でオールスターゲームに出場できなかったのですが、ペースを上げすぎて怪我をするのは一番やってはいけないことなので、とにかく自分らしく調整して本番を迎えられたらと思います」

鈴木誠也(広島)

「2019年のプレミア12はすごくいい経験になりましたし、またああいう舞台でやりたいという気持ちが強かったので、またトップチームでやれることはすごくありがたいです。いろんな選手に技術的なことなど聞かせてもらってすごく勉強になります。プレミア12で優勝したときの稲葉監督の表情を見て、もう一度金メダルを獲って喜ばせたいという気持ちがあるので、しっかり活躍したいと思います」

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