2025年11月6日、ひなたサンマリンスタジアム宮崎で「侍ジャパン宮崎秋季キャンプ2025」が始まった。

今回の合宿は来年3月に行われる「2026 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下、WBC)に向けたもの。井端弘和監督がテーマとして掲げるのは、メンバー選考に向けた「競争」と、今大会から導入されるピッチクロックやピッチコム、拡大ベースといったNPBではまだ導入されていないルールに慣れることだ。
この日は、ピッチコムの使用についてのレクチャーに時間が割かれた。これは投球と捕手のサイン伝達を行う電子機器で、MLBでは既に導入され投手と捕手、最大3人までの野手に使用が許されている(WBCでは投手と捕手以外に何名まで付けられるかは未定)。
ピッチクロック(投手は球を受け取ってから走者無しの場合は15秒、有りの場合は18秒以内に投球を始めなければいけない)がある中で、特に捕手は9つのボタンをもとにスムーズにサインを出さなくてはいけない。これまでのようにひと呼吸を置いて考えていては、ピッチクロックの秒数に達してしまうため、サインをどのタイミングで考え、投手に伝えるのか。そのタイミングはNPBでプレーする際とは異なってくる。
また、サインが合わない場合に首を振っていても秒数を超える可能性がある。投手がプレートを外せばクロックはリセットされるが、それも牽制含めて1打者に2回しかできないため、簡単にしてはならない。
村田善則バッテリーコーチは「簡単にプレートを外すことはできないし、いかにサインの伝達を短縮していくかですね」と課題を語った。また、操作に慣れた後は「相手打者を見て、状況を考えて、投げる球を決めていく“配球”に繋がる頭の整理のスピード感は求められると思います」と見通しを語った。

井端監督は打者についてもピッチクロック(残り8秒になるまでに、打者は打撃姿勢を完了しなければいけない)とピッチコムがあることによって「いつも通りの流れでは打席に立てないと思います」と影響が出ることを示唆。
8日に行われる予定のライブBP(実戦形式の打撃練習)などでは、ネクストバッターズサークルから打席に入ってピッチクロックを意識することや、ピッチコムにより投球間のテンポが速くなることへの対応をして、慣れてもらいたい考えを示した。
そして「来年2月のキャンプから、それをやっているようでは遅いので、今回(強化合宿と15、16日の韓国戦)でモノにして終わることができれば」と展望。選手たちには大会新ルールへの高い対応力も求められる。
選手コメント
坂本誠志郎(阪神)
「ピッチコムにもピッチクロックにも慣れないといけません。また、操作に慣れることと同じくらい投手とコミュニケーションを取ることを大切にして、投手の特徴や意図を聞いていきたいです。操作は慣れていくと思いますが、サインを考える時間が短くなるということが最も難しく、大きく変わること。(投手の特徴や意図を知ることで)ベスト、ベターなサインを出せるのかなと思うので、そうした準備をしていきたいです」
























