侍ジャパン女子代表は8月31日(日本時間9月1日)、第8回WBSC 女子野球ワールドカップ(米国フロリダ)の決勝でチャイニーズ・タイペイを6—0で破り、前人未到の6連覇を達成した。ワールドカップでは、カナダで行われた12年大会の予選リーグでアメリカに敗れて以降負けなし。足かけ4大会で30連勝の偉業も成し遂げた。
![決勝の先発は里綾実(愛知ディオーネ)](/img/news/press/20180901_2_1-1.jpg)
![安打を放つ船越千紘(平成国際大)](/img/news/press/20180901_2_1-2.jpg)
![ピンチを脱しガッツポーズする里綾実(愛知ディオーネ)](/img/news/press/20180901_2_1-3.jpg)
![主将の出口彩香(ハナマウイ)と川端友紀(埼玉アストライア)](/img/news/press/20180901_2_1-4.jpg)
![6回から登板した田中露朝(尚美学園大)](/img/news/press/20180901_2_1-5.jpg)
![前人未到の6連覇を成し遂げた](/img/news/press/20180901_2_1-7.jpg)
![宙に舞う橘田恵監督](/img/news/press/20180901_2_1-6.jpg)
決勝で初となるアジア対決で、女王の貫禄を見せつけた。29日のスーパーラウンド第2戦では2−1と辛勝した相手に初回からエンジン全開で襲いかかる。1回裏2死三塁から4番・川端友紀内野手(埼玉アストライア)の痛烈なピッチャー返しで先制。さらに、船越千紘捕手(平成国際大)、阿部希内野手(ハナマウイ)の連打でもう1点を追加した。
2日前には7回で5安打しか打てなかった相手右腕を見事に攻略した。阪神から派遣されている木戸克彦ヘッドコーチと大阪ガスの猪坂彰宏コーチが、スーパーラウンドに入ってから対戦相手のデータをチャートで示し、明確な指示を出している。この日は、スライダー回転の直球と外角への配球が多いという特徴を伝え、攻略のヒントを与えていた。
打線は2回にも2本の単打に盗塁を絡めて加点。4回には相手守備の乱れにもつけこみ、3点を奪った。長打は1本もなくても、8安打に3盗塁、2犠打、1犠飛と打線がつながり、効率よく得点を重ねた。
守っては、先発の里綾実投手(愛知ディオーネ)と田中露朝投手(尚美学園大)が完封リレー。28日のアメリカ戦で7回2死まで無安打無得点を演じた里は、この日は4回まで毎回走者を背負う苦しい投球だった。直球を捉えられ、2回無死から2者連続安打を許したが、気迫の投球で後続を立つ。4回2死一、二塁のピンチを空振り三振で切り抜けると、ガッツポーズで雄叫びを上げた。粘りの投球で5回6安打無失点。3大会連続MVPを獲得した。4試合19回を投げ、3勝を挙げて防御率は0.37と文句なしの成績だった。
侍ジャパン初の女性監督としてワールドカップ初采配を振るった橘田恵監督は、大倉孝一前監督が築いたスモールベースボールを継承。平均年齢が21・35歳と前回大会よりも2歳若返ったチームは今年2月から3度の国内合宿を経て、完成度を高めた。10日間で9試合をこなすハードスケジュールの中、完封が5試合、計59回で失点はわずか4。高い投手力と守備力を大きな武器にして、偉業を達成した。
監督・選手コメント
橘田恵監督
「苦しい試合が続きましたが、ようやく一つになって、良い野球ができました。試合終了直後の涙も選手の笑顔を見たら吹き飛びました。今大会は盗塁や進塁打を使うチームが少なかったですが、日本が今日の決勝でやった野球がいずれスタンダードになる日が来るのではないかと感じました」
里綾実投手(愛知ディオーネ)
「緊張で水を飲んでも喉がカラカラでした。優勝もそうですが、決勝のマウンドで投げることは毎回の夢。投げさせてもらうことに感謝の気持ちを込めて投げました。3大会連続MVPは、勝たせてくれたチームメートのおかげです。世界のレベルは上がっていますが、それに負けないようにさらなる高みを目指していきたいです」
出口彩香主将(ハナマウイ)
「今大会は初出場の選手が多いので、緊張やプレッシャーの中でどうやって力を発揮させてあげられるかを考えていました。大会前は正直不安でしたが、試合を経験する度に成長して、今日は守っていても、みんなに余裕がありました。成長したなと実感しました」
田中露朝投手(尚美学園大)
「里さんがヒットを打たれた後に抑えてすごい投球をしていたので、その流れを崩してはいけないとすごく緊張しました。6、7回と投げさせてもらって優勝の瞬間にグラウンドの真ん中にいたことは一生の宝物。次もまた決勝で投げたいという気持ちが沸いてきました」
川端友紀内野手(埼玉アストライア)
「(先制打は)初回に取らないと苦しくなるので何としても打ちたいと、外の真っ直ぐ1本に絞って強く振りました。代表で一番年上というのは初めてのこと。初出場の選手が多いので、責任感やプレッシャーがありました。勝ててホッとしました」
第8回 WBSC 女子野球ワールドカップ
大会期間
2018年8月22日~8月31日
オープニングラウンド
8月22日(水)23:00 日本 8 - 0 ドミニカ共和国
8月23日(木)23:00 香港 0 - 23 日本
8月25日(土)7:00 日本 2 - 1 カナダ
8月26日(日)7:00 キューバ 1 - 4 日本
8月27日(月)7:00 日本 5 - 1 オーストラリア
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
スーパーラウンド
8月29日(水)7:00 日本 3 - 0 アメリカ
8月30日(木)2:00 日本 2 - 1 チャイニーズ・タイペイ
8月30日(木)22:00 日本 10 - 0 ベネズエラ
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
決勝
2018年9月1日(土)7:00 日本 6 - 0 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
開催地
アメリカ(フロリダ)
出場する国と地域
グループA
アメリカ、ベネズエラ、チャイニーズ・タイペイ、韓国、オランダ、プエルトリコ
グループB
日本、カナダ、オーストラリア、キューバ、香港、ドミニカ共和国
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