9月17日、「第20回 アジア競技大会」(9月21日から27日まで愛知県岡崎市、豊橋市)に出場する侍ジャパン社会人代表の直前合宿3日目が、神奈川県横浜市の三菱重工金沢総合グラウンドで行われた。この日は今合宿初の実戦に臨み、これまでの取り組みを試合の中で確かめた。

午前中の練習を終え、12時半からは三菱重工Eastとの練習試合に挑んだ。
先発のマウンドを任されたのは樋口新(王子)。バッテリーを組んだ辻本勇樹(NTT西日本)とは、7月の和歌山合宿のブルペンを含めてもこの日が初めてだった。それでも、積極的に言葉を交わしながらテンポ良くアウトを重ねる。2回には3者連続三振。続く3回も3者をすべてゴロに打ち取った。
樋口は「辻本勇樹さん(NTT西日本)とはうまく会話をしながら、自分の武器を引き出す配球をしてくれました」と振り返り、初めて組むバッテリーながら、コミュニケーションを重ねて互いの持ち味を引き出した。
打線は2回、先頭の矢野幸耶(三菱重工East)がセンター前安打で出塁すると、すかさず二盗に成功。次の塁を狙う積極性を見せると、続く和田佳大(トヨタ自動車)も安打でつなぎ一、三塁と好機を広げた。ここで丸山壮史(ENEOS)が犠牲フライを放って先制に成功。さらに辻本の内野ゴロの間に和田が生還し、2対0とした。
その後も走者を出しながら追加点には結びつかなかったが、低めのボール球を見極め、ファーストストライクには積極的にスイング。攻撃を終えるごとにベンチで情報を共有するなど、7月の強化合宿から続けてきた取り組みを実戦でも徹底した。
一方、投手陣は5回に2番手の松田航瑠(日本製鉄室蘭シャークス)が本塁打を浴びて1点差に迫られる。7回には二塁打からピンチを招くとライト線へのタイムリーを許して同点。9回には3番手の加藤三範(ENEOS)が本塁打を浴び、2対3と逆転負けを喫した。
9回終了後にはアジア競技大会を想定したタイブレーク練習も実施。5点を奪われる展開となったが、攻撃前には逢澤崚介(トヨタ自動車)主将が「ここからや!」「空中戦や!」と声を飛ばし、ベンチを盛り上げた。その声に応えるように、丸山が右中間を破る2点タイムリー二塁打。劣勢でも最後まで攻める姿勢を崩さなかった。
川口朋保監督は「打たれた、抑えたというのは全く関係なくて、このチームで試合ができること自体が今日一番の収穫だと思います」と振り返った。さらに「ランナーは次の塁を狙うこと、バッターはファーストストライクを打つこと、ピッチャーはストライクゾーンで勝負することをやろうとしていた」と選手たちの積極性に手応えを示した。

直前合宿最終日の18日は、神奈川県横浜市の東芝総合グラウンドで練習を行い、12時半から東芝との練習試合を行う予定となっている。大会初戦まであと4日。今合宿の初実戦で得た感覚と収穫を持ち帰り、本番への準備を進めていく。
選手コメント
向山基生(NTT東日本)
「7月の強化合宿でも同じメンバーでやっていますし、役割も変わっていないのでいつも通りリラックスして、自チームみたいに日々を過ごすことができています。今日は初実戦ということもあったのか、ベンチの雰囲気が明るいとは言えなかったので、明日は率先して声を出して盛り上げていきたいです。アジア競技大会では、社会人野球の価値とかレベルの高さを示せる大会になると思うので、子どもたちの憧れになれるような、社会人野球っていいなと思ってもらえるような試合をしたいと思います」
辻本勇樹(NTT西日本)
「(樋口とは初バッテリーだったが)なるべく会話をしながら、どの球種でもカウントを取れ、決め球にもできる持ち味を引き出せたのではないかと思います。初実戦ということで緊張もありましたが、その中で樋口がしっかりと抑えてくれたのでよかったです。アジア競技大会では、川口朋保監督もおっしゃっていた通り、まずは楽しむことを大切にして、その中でしっかりと挑戦し、その先に金メダルがあればと思います」
樋口新(王子)
「先発を任せていただいたので、全力で自分のできることを出そうとマウンドに上がりました。その中で、最大限の力を出せたので今日の投球は合格かなと思います。最初は、代表チームに選ばれるのが初めてだったので緊張していたのですが、今は誰とでも話せるようになったので楽しく練習やプレーができています。アジア競技大会の目標は優勝なので、少しでも力になれるように任されたところで頑張ります」






















