7月22日、「ラグザス presents 第8回 WBSC U-12野球ワールドカップ2025」(台湾・台南市で7月25日から8月3日まで)に出場する侍ジャパンU-12代表の直前合宿3日目が行われた。







この日はジャイアンツタウンスタジアムで中学硬式野球クラブの強豪・稲城リトルシニアとの練習試合が行われた。
前日の湘南ボーイズは1年生主体の相手だったが、この日は2年生チームとあってパワーと粘りを兼ね備えた打撃やキレの良いストレートと変化球のコンビネーションの前に終始主導権を握られ3回表まで0対10と大差をつけられた。失策の直後に本塁打を浴びたケースも2回あり、林卓史投手コーチからも「これでは絶対に勝てないよ」と試合後のミーティングで指摘を受けた。
この嫌な流れの中で一矢報いたのは、前日の試合でも本塁打を含む2安打2打点と活躍した吉塚真之介(狭山西武ボーイズ)だ。四球と佐橋陸公(湘南ボーイズ)の内野安打と失策で作ったチャンスで、吉塚が痛烈な当たりで一、二塁間を破るタイムリーを放って1点を返した。
その後4回表にも失点を喫したが、5回と6回は守備陣が躍動。4番手としてマウンドに上がった吉塚は先頭に四球を出すが、続く打者のバント処理に対して捕手の河津勇誇(糸島ボーイズ)が強肩を生かして一塁走者を刺す。続く打者はライトライナー併殺となり、この試合初めて3人で相手の攻撃を終わらせた。さらに6回も先頭に四球を出して、続く打者にもライト前安打を打たれてしまうが、右翼手の外山泰基(福岡ベースボールポニー)が鋭い送球を投じて一塁走者を三塁で刺した。この援護に吉塚も乗り、続く2人を抑えて無失点に抑えた。







4回以降は得点を奪えずに試合は1対11で敗れた。無死一、二塁から始まるタイブレーク練習の1イニングでも1対0と敗れたが、U-12W杯で戦うチャイニーズ・タイペイやアメリカといった強豪に近いパワーやスピードを感じることができたのは大きな収穫だったはずだ。
一方で課題も多く出たため、試合後にはこの日もミーティングが行われた。大久保監督から「この代表でやっている以上はもっとできるし、“やっぱり侍ジャパンの選手は違うな”となれるよ」と奮起を促され、各コーチからも課題が共有された。特に投手としてはストライクが入るように工夫することや、打撃では初球から振っていけるような準備の大切さが説かれた。選手たちもその声を真剣に聞き入り、大きな声で返事もするなど、ひたむきに向上を目指しているだけに、この日の糧も大いに生きてくると期待したい。
そして、この日の試合後には、侍ジャパンオフィシャルタイトルパートナーのラグザス株式会社より、社員からのメッセージフラッグや侍ジャパン全世代の代表に送られているネックピローがチームに送られた。
福重生次郎社長からは「社員みんなで(メッセージフラッグ)書いて、みんなすごく楽しみにしていて、応援しています」と激励の言葉が送られた。大久保監督もその激励を受け「まだ子供なので浮き沈みはあると思いますが、なんとか頑張って良い報告をしたいと思います」と健闘を誓った。







これで直前合宿は打ち上げ。23日に開催地の台湾・台南市へ向かい、24日の公式練習を経て、25日のオープニングラウンド初戦のドイツ戦(日本時間15時半開始予定)を迎える予定となっている。
監督・選手コメント
大久保秀昭監督
「相手もいいチームでしたが、いろいろトライしていることも含めて、もう少しやらないと簡単には世界一まで辿り着かないなと感じさせられた試合でした。野手陣は変化球の対応、投手陣はストライクを入れるという大前提ですね。この世代で適材適所を短い時間で見ていかないといけない難しさを感じました。逆に言えば、それだけやりがいがありますね」
小川大良(湘南リトルリーグ平塚)
「(1番に起用され先頭打者として安打と盗塁)投手が投げた瞬間に振るイメージで打ちました。盗塁は自分で行けると判断して走りました。2打席目は三振してしまったので、落ち込まずに次に活かしていきたいです」
吉塚真之介(狭山西武ボーイズ)
「(2回無失点に抑えられたのは)守備陣が頑張ってくれたおかげです。チームで投手はそこまでやっていませんが、打たせて取る投球を心がけました。守備でも攻撃でも大会初戦からベストで行けるように準備していきたいです」
ラグザス presents 第8回 WBSC U-12野球ワールドカップ2025
大会期間
2025年7月25日~8月3日
オープニングラウンド(グループA)
7月25日(金)15:30 日本 - ドイツ
7月26日(土)15:30 日本 - キューバ
7月27日(日)19:30 チャイニーズ・タイペイ - 日本
7月28日(月)15:30 メキシコ - 日本
7月29日(火)11:30 日本 - オーストラリア
スーパーラウンド
7月31日~8月2日
決勝・3位決定戦
8月3日
開催地
台湾(台南)
出場する国と地域
グループA
日本、チャイニーズ・タイペイ、メキシコ、キューバ、オーストラリア、ドイツ
グループB
アメリカ、韓国、パナマ、ドミニカ共和国、チェコ、南アフリカ