「第8回 WBSC 女子野球ワールドカップ」(8月22~31日、米国フロリダ)で6連覇を目指す侍ジャパン女子代表は15日、高知県安芸市で3日間の第2回強化合宿を打ち上げた。
心配されていた雨は早朝には上がり、最終日も予定通り5イニングの紅白戦を実施することができた。結果は2-1で紅組が勝利。8人の投手陣が好投し、両チーム合わせて安打は5本だけだった。安打数は前日同様に少なかったが、違ったのはその中で得点を奪ったことだ。合計3得点のうち、セーフティースクイズで決めたものもあり、お家芸のスモールベースボールが光った。
![1回を打者3人で抑えた花ヶ崎衣利](/img/news/press/20180415_1_1-1.jpg)
![1回1安打無失点の山田優理](/img/news/press/20180415_1_1-2.jpg)
![セーフティースクイズを決める出口彩香](/img/news/press/20180415_1_1-3.jpg)
![1回1安打無失点の水流麻夏](/img/news/press/20180415_1_1-4.jpg)
![1回1安打無失点の大野七海](/img/news/press/20180415_1_1-5.jpg)
![二盗を試みた小島也弥は船越千紘の好送球でアウトになる](/img/news/press/20180415_1_1-6.jpg)
![橘田恵監督はマウンドで田中露朝に指示を出す](/img/news/press/20180415_1_1-7.jpg)
12年カナダ大会の予選リーグで米国に黒星を喫してからワールドカップで負けなし21連勝中と圧倒的な強さを誇る日本だが、世界のレベルは年々上がっており、油断はできない。橘田恵監督は相手投手攻略に苦労する展開も想定している。「今日の紅白戦のようなこともありうる。プレッシャーを感じた中で、どうやって塁に出るのか。相手投手に球数を投げさせるのか。今日は(打席の中で)粘った選手も何人かいた」と話し、チームとして束になって攻略するという意識が浸透し始めたことを評価した。
2月の宮崎合宿と合わせ、計6試合紅白戦を行い、新監督が目指す方向性は着実に選手に伝わっている。 前回合宿に引き続き、リーダーに指名された出口彩香内野手(ハナマウイ)は言う。「監督と会話もする中で、こういう場面はセーフティースクイズを使うんだといったことがわかりました。大事な場面は細かい野球で取りに行くと思います。いろんなことに対応できるように、自分のチームに帰ってもしっかり練習します」。35人の代表候補を20人に絞り込むことが今合宿の大きな目的だったが、日本代表が目指す野球の形を35人の選手に伝えたことは、今後の女子野球全体のレベルアップにつながっていくはずだ。
![船越千紘が中前適時打を放つ](/img/news/press/20180415_1_2-1.jpg)
![阿部希がセーフティースクイズを決める](/img/news/press/20180415_1_2-2.jpg)
![人工芝のマウンドを確認する投手陣(左から里綾実、水流麻夏、谷山莉奈)](/img/news/press/20180415_1_2-3.jpg)
![練習を見つめる橘田恵監督と志村亜貴子コーチ](/img/news/press/20180415_1_2-4.jpg)
![最後のミーティングで話をする橘田恵監督](/img/news/press/20180415_1_2-5.jpg)
![ミーティングで橘田恵監督の話を聞く選手たち](/img/news/press/20180415_1_2-6.jpg)
![球場関係者にお礼のあいさつをする選手たち](/img/news/press/20180415_1_2-7.jpg)
この日はもう一つ進展があった。人工芝対策だ。橘田監督は今回の合宿で、投手陣にマウンドが土ではなく人工芝であることを伝えた。今年1月に大会会場となるスペースコーストコンプレックス(米国フロリダ州ビエラ市)を視察した時にはマウンドは完成しておらず、実物は見ていないものの、人工芝との情報を得ているという。球場のマウンドが人工芝というのは極めて異例だ。「サッカー場のように長くてチップがたくさん入った人工芝をマウンドにした感じ」と指揮官はイメージしている。
その情報を知ったエースの里綾実投手(愛知ディオーネ)はこの日、安芸ドーム内で傾斜のついた人工芝のマウンドを発見して早速、感触を確かめた。「いつもは(踏み出した足を地面で)少し滑らせて投げていますが、それができないので、思いきりいけない。今は、トレーニングシューズだからまだいいですが、これが(ポイント)スパイクを履いたらどうなるのか。バント処理も心配ですし、雨が降った時の対応も考えないといけない。いろいろ工夫しないといけないですね」と今後のチェックポイントを挙げた。そもそもポイントスパイクで投げるのは小学生の時以来になるという。「スパイクが届いたら早めに人工芝で試してみたいです」と心の準備はできている。チームとしても、次回の合宿では人工芝対策に時間を費やす計画だ。
その合宿に参加する20人は、後日発表される。「15人ほどは固まっていますが、残りの5人が難しい」と頭を悩ませている橘田監督は、合宿最後のミーティングで選手にこう語った。「35人から20人に絞るという厳しい状況の中、コミュニケーションも取ってほしいと難しいことを求めたけれど、みんなでいい雰囲気をつくってくれたことに感謝です。選ばれた人も、選ばれなかった人もその次にどう進むかが大事。一人一人の今シーズンの活躍を期待しています。女子野球を君たちの力でもりあげてほしい」。計2回の強化合宿で新生・橘田ジャパンの第1段階は完了、次回合宿では細かい点を突き詰める第2段階に進む。
第8回 WBSC 女子野球ワールドカップ
大会期間
2018年8月22日~8月31日
オープニングラウンド
8月22日(水)23:00 日本 8 - 0 ドミニカ共和国
8月23日(木)23:00 香港 0 - 23 日本
8月25日(土)7:00 日本 2 - 1 カナダ
8月26日(日)7:00 キューバ 1 - 4 日本
8月27日(月)7:00 日本 5 - 1 オーストラリア
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
スーパーラウンド
8月29日(水)7:00 日本 3 - 0 アメリカ
8月30日(木)2:00 日本 2 - 1 チャイニーズ・タイペイ
8月30日(木)22:00 日本 10 - 0 ベネズエラ
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
決勝
2018年9月1日(土)7:00 日本 6 - 0 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
開催地
アメリカ(フロリダ)
出場する国と地域
グループA
アメリカ、ベネズエラ、チャイニーズ・タイペイ、韓国、オランダ、プエルトリコ
グループB
日本、カナダ、オーストラリア、キューバ、香港、ドミニカ共和国
新着記事
女子代表 関連記事
![]() |
開幕を2日後に控え現地で初練習 再延期の末にたどり着いた世界一を争う舞台に選手たちが思いを語る2024年7月27日 |
---|
![]() |
中島梨紗監督と共同主将の川端友紀・出口彩香が6年ぶりの大舞台に向け7連覇への鍵を語る2024年7月24日 |
---|
![]() |
大会前最後の実戦で中学硬式クラブと対戦 田中露朝の好投や中村柚葉のダメ押し打などで競り勝つ 2024年7月23日 |
---|
![]() |
強豪・湘南ボーイズとの練習試合 追加招集の清水美佑の好投や長田朱也香の攻守にわたる活躍などで引き分けに持ち込む2024年7月22日 |
---|
![]() |
「カーネクスト presents 第9回WBSC女子野球ワールドカップ ファイナルステージ」侍ジャパン女子代表出場選手変更 および直前合宿について2024年7月10日 |
---|