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史上初の3連覇や21年ぶり完全優勝という快挙の要因となったもの/第45回 日米大学野球選手権大会 総括

2025年7月14日

 7月13日、北海道、新潟、東京で計5試合が開催された「第45回 日米大学野球選手権大会」が閉幕。侍ジャパン大学代表は日本チーム史上初となる3連覇、21回目の優勝を果たすとともに、2004年の第33回大会以来3回目となる完全優勝を果たした。

 これまでの大会以上に目立ったのは、侍ジャパン大学代表の打力の高さだ。大会通じて5試合56安打を放った。犠打は大会通じて2個のみだったように、ストレートの最速が150キロを超え、変化球の軌道や角度も国内投手とは異なるアメリカ大学代表投手陣を完璧に打ち崩した。
 もともと打力は高く、大会前の練習試合では都市対抗優勝の三菱重工East、NPBのDeNA二軍、ヤクルト二軍を相手に24得点を挙げた(タイブレーク練習1回での1点も含む)。この時点で「非常に打力が高いなと感じました」と手応えを掴んだ堀井哲也監督は、その持ち味を存分に発揮させることを選んだ。全試合で2番を担った榊原七斗(明治大)が1本塁打を含む打率.333を残したように、積極果敢に攻め続けた。
 選手たちの対応や創意工夫も見事だった。榊原は「日本の投手よりもアメリカの投手は、足を上げてからのモーションが速いので、まずはそこで差されないように意識して打席に立っています」と好調の要因を語る。また、打率.318、5打点で最高殊勲選手賞を獲得した松下歩叶(法政大)は「ストレートがナチュラルにシュートしてくる。日本人にはあまりない球筋ですが、インコースのその球を見極めていきたいです」と大会序盤に語っていたが、大会途中からバットのヘッド(先端部分)をやや体寄りに倒すことでヘッドを出やすくするようにフォームを改良。初戦こそ無安打だったが、第2戦で2安打を放って徐々に感覚を掴むと、第3戦以降は毎試合安打を放って打点や得点を挙げる活躍を遂げ、プレー面でもチームを最後まで牽引した。
 かねてより日本打者の持ち味である粘りも存分に発揮。アメリカ大学代表のアンディー・スタンキウィクス監督は「日本の打者はストライクとボールの見極めができている。2ストライクに追い込まれても緩い球を打ちますし、なかなか空振りをしません」と、優勝を決められた第3戦の後に苦しい胸の内を明かした。
 また、投手陣に対してもスタンキウィクス監督は「アメリカの大学野球ではフォークやシュート系の球を投げる投手があまりいないので、その対応に苦労しています。また張っていてもストレートが打てていない」と視線を落としたように、キレと精度の良いストレートと変化球で相手打線をねじ伏せた。

 そして、直前合宿初日の結団式で堀井監督が訴えた役割への理解も強さの根底にあった。各校では主力の選手たちが自らの立場を全うした。
 その象徴が優勝を決めた翌日の第4戦だ。6番以降を初先発の選手たちで固めたが、谷端将伍(日本大)、繁永晟(中央大)、前嶋藍(亜細亜大)、緒方漣(國學院大)の4選手全員が安打を記録。中でも3安打3打点を記録した谷端は「第3戦まで出場機会が無く悔しい思いはありました」と正直に明かしながらも「相手投手の球質を聞いたり、投球モーションにタイミングを合わせたりしていました」と活躍の要因を挙げるなど、どの選手も準備を怠ることは無かった。
 就任2年目の堀井監督は「昨年は選考時点やその前に故障者が多く、日本の大学野球の選手層の厚さで優勝することができました。一方、今年はベストメンバーを組めた中で、各選手が役割を果たしてくれての優勝でした」と振り返ったように、11戦無敗でプラハベースボールウィークとハーレムベースボールウィークの両大会を優勝した昨年とはまた違った価値を生み出した。

 日本野球の進化を感じさせる猛打、日本のかねてよりの持ち味である投手を中心とした高い守備力、各選手たちの献身的な役割への理解で、常勝軍団は作り上げられた。NPBやMLBで活躍する選手を多く輩出してきた大学代表だけに、貴重な経験と自信を掴んだ選手たちが今後どのように飛躍していくか楽しみだ。

選手コメント

松下歩叶(法政大)

※主将としてチームを牽引し最高殊勲選手賞を獲得
「賞は予想していなかったので嬉しい気持ちでいっぱいですが、5連勝できたことの方が嬉しいです。初戦で無安打に終わったことを活かして、第2戦以降に臨めたことが大きかったです。去年は先輩についていっての優勝でしたが、今年は主将として優勝ができ自信になりました」

毛利海大(明治大)

※3試合7回無失点で最優秀投手
「松下主将を中心にまとまったことが優勝に繋がりました。後ろに良い投手がたくさんいたので、行けるところまで全力で行った結果、無失点に抑えることができました。通用する部分も感じましたし、地道に努力して抑える感覚を掴むことができたので、次はリーグ戦優勝に向かっていきたいです」

秋山俊(中京大)

※打率.429(14打数6安打)で首位打者
「始まる前から言っていた5連勝をすることができ、素晴らしいチームでプレーできたことに感謝しています。後ろに良い打者がたくさんいるので、繋いでいこうとしたことが首位打者という結果になりました。初めて日の丸のユニホームを着て、レベルの高い選手たちとプレーをして、通用する部分もあり、自分の力を試すことができました。もっともっと精進して日本を代表するような打者になりたいです」

クリス・レンバート(オーバーン大)

※チームトップの打率.278で敢闘賞
「日本はチャンスを確実にモノにする素晴らしいチームでした。(打撃は)段々と慣れることができました。これからも一生懸命にプレーし、機会があればアメリカ野球の良さ・凄さを見せていきたいです」

第45回 日米大学野球選手権大会

大会概要出場選手チケット(外部サイト)放送予定

大会期間

2025年7月8日~7月13日

試合日程
7月8日(火)18:00 日本 6 - 1 アメリカ
7月9日(水)18:00 アメリカ 1 - 8 日本
7月11日(金)17:00 日本 2 - 0 アメリカ
7月12日(土)12:00 アメリカ 5 - 6 日本
7月13日(日)17:00 日本 6 - 5 アメリカ

開催球場

エスコンフィールドHOKKAIDO
HARD OFF ECO スタジアム新潟
明治神宮野球場

侍ジャパンU-18壮行試合 高校日本代表 対 大学日本代表/沖縄県高校選抜 7/5
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