10月26日に行われたプロ野球ドラフト会議では総勢26名の侍ジャパン経験者が指名を受けた。前回はドラフト上位指名が目立った侍ジャパン大学代表経験者15選手を一挙紹介したが、今回はU-12、U-15、U-18、U-23、社会人の代表経験者を紹介する。
U-15代表経験者2名にも吉報
![U-15 アジアチャレンジマッチ2017に出場した度会隆輝(ENEOS)](https://www.japan-baseball.jp/img/news/press/20231029_1_1-1.jpg)
![U-15 アジアチャレンジマッチ2017に出場した星野恒太朗(駒澤大)](https://www.japan-baseball.jp/img/news/press/20231029_1_1-2.jpg)
今回のドラフトで、大学代表で活躍した武内夏暉(國學院大)と並ぶ最多タイの3球団(中日、DeNA、ロッテ)から1位指名を受け、DeNAが交渉権を獲得した度会隆輝(ENEOS)は佐倉リトルシニア時代にU-15代表に選出され「U-15 アジアチャレンジマッチ2017」に出場。3試合で11打数7安打(打率.636)6打点と大活躍して優勝に貢献し最優秀選手賞を獲得した。横浜高時代は指名漏れも経験したが、悔しさを糧に3年後、今年のアマチュア球界の野手で最高評価を掴んだ。
また、U-15代表経験者では星野恒太朗(駒澤大)もソフトバンクの育成5位で指名を受けた。糸島ボーイズ時代に「第3回WBSC U-15ベースボールワールドカップ2016」でアメリカ戦など3試合に登板。及川雅貴(現阪神)、宮城大弥(現オリックス)らとともに準優勝を果たした。
初優勝を果たしたU-18代表戦士たち
![福岡ソフトバンクホークス1位の前田悠伍(大阪桐蔭)](https://www.japan-baseball.jp/img/news/press/20231029_1_2-1.jpg)
![横浜DeNAベイスターズ3位の武田陸玖(山形中央)](https://www.japan-baseball.jp/img/news/press/20231029_1_2-2.jpg)
![千葉ロッテマリーンズ3位の木村優人(霞ヶ浦)](https://www.japan-baseball.jp/img/news/press/20231029_1_2-3.jpg)
![阪神タイガース3位の山田脩也(仙台育英)](https://www.japan-baseball.jp/img/news/press/20231029_1_2-4.jpg)
![千葉ロッテマリーンズ5位の寺地隆成(明徳義塾)](https://www.japan-baseball.jp/img/news/press/20231029_1_2-5.jpg)
「第31回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(以下、U-18W杯)で悲願の初優勝を果たしたU-18代表の選手たちも5選手に吉報が届いた。
最も高い評価を受けたのは、外れ1位指名で楽天とソフトバンクが競合しソフトバンクが交渉権を獲得した前田悠伍(大阪桐蔭)だ。エースとして重要な試合を任され16回3分の2を投げて1失点と期待に十二分に応える好投。決勝戦のチャイニーズ・タイペイ戦では、4安打1失点完投勝利で歓喜の胴上げ投手となった。
3位では武田陸玖(山形中央)がDeNAに、木村優人(霞ヶ浦)がロッテに、山田脩也(仙台育英)が阪神に指名を受けた。
武田と木村は登録が20選手までという制約の中で投打二刀流の期待を受けて選出。その中で武田は投手として3試合5回3分の1を投げて自責点無し、打者としては11打数4安打3打点と活躍し優勝に貢献。木村は1打席のみだったが、投手として3試合6イニングに登板。パナマ戦では3イニングを無安打無四球5奪三振という完璧な内容の救援を見せた。
山田は負傷した小林隼翔(広陵)に代わって、大会途中から先発出場するようになると安定した遊撃守備でチームに貢献。打率は.190と苦しんだが、スーパーラウンド韓国戦でのダメ押し弾は同大会チーム唯一の本塁打だった。仙台広瀬リトルリーグ時代にはU-12代表として「第4回 WBSC U-12 ワールドカップ」にも出場しており、その際は3位決定戦に敗れ悔し涙を流したが、今回は仲間たちと世界一の喜びを分かち合った。
ロッテにドラフト5位指名された寺地隆成(明徳義塾)は、高校では捕手ながら正一塁手として全9試合に出場しチーム2位の6打点。シュアな打撃に加え、ベネズエラ戦では先制スクイズも決め、高校でも指導を受けるU-18代表・馬淵史郎監督の起用に応えた。
U-23W杯優勝メンバーら社会人野球の精鋭も
![第4回 WBSC U-23ワールドカップに出場した澤柳亮太郎(ロキテクノ富山)](https://www.japan-baseball.jp/img/news/press/20231029_1_3-1.jpg)
![第4回 WBSC U-23ワールドカップに出場した権田琉成(TDK)](https://www.japan-baseball.jp/img/news/press/20231029_1_3-2.jpg)
![読売ジャイアンツ2位の森田駿哉(Honda)](https://www.japan-baseball.jp/img/news/press/20231029_1_3-3.jpg)
昨年行われた「第4回 WBSC U-23ワールドカップ」で3大会ぶり2回目の優勝を果たしたU-23代表の選手たちからは、昨年のドラフト会議で阪神からドラフト6位指名を受けた富田蓮に続き、澤柳亮太郎(ロキテクノ富山)がソフトバンク5位、権田琉成(TDK)がオリックスから7位指名を受けた。
澤柳は5試合6イニングに救援登板し防御率2.33、権田は守護神として起用され7試合7イニングに登板して防御率1.00の好投を見せて大会MVPと救援投手部門のベストナインを獲得して優勝に貢献した。
この大会は巨人から4位指名を受けた泉口友汰(NTT西日本)も出場予定だったが直前合宿の合流日午前中に行われた自チームのオープン戦で負傷。無念の出場辞退となっていた。
今年10月の「第19回アジア競技大会」に出場し銅メダルを獲得した社会人代表から森田駿哉(Honda)が巨人から2位という高い評価を受けた。2014年の「第10回 BFA 18Uアジア選手権」でU-18代表入りし決勝戦の韓国戦で先発する(8回3分の1を投げて2失点も敗戦投手)など、早くから期待されていた大型左腕が故障を乗り越え大卒5年目にして念願のドラフト指名を掴んだ。
前回と今回、紹介した選手たちは皆、将来性が豊かで、なおかつ国際大会を経験済みという武器もある。いつの日か侍ジャパントップチームのユニホームを着て、日本中を沸かせるような選手が1人でも多く生まれることを楽しみにしたい。
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