7月23日に開幕する東京オリンピックの野球競技には日本を含む6か国が出場。メダル獲得を争う出場国のうち、今回はアメリカ代表を紹介する。
アメリカ大陸予選で全勝しオリンピックへの切符を手にしたアメリカ
オリンピックにおけるアメリカ代表はメジャーリーガーの参戦は無いものの、初めてプロ選手の参加が容認された2000年のシドニーオリンピックで、当時絶対王者だったキューバ代表を決勝で破って金メダルを獲得。2004年こそ予選敗退で出場できなかったが、2008年の北京大会でも3位決定戦で日本に勝利して銅メダルを獲得するなど強さを発揮している。
2019年に行われたプレミア12では、3位決定戦でメキシコに敗れてオリンピック出場権を得ることはできなかったが、今年6月にフロリダで行われたアメリカ大陸予選ではドミニカ共和国、ベネズエラといった強豪国相手に全勝し危なげなくオリンピックへの切符を手にした。3A級に所属する中堅選手に、プロスペクトと呼ばれる若手有望株を組み合わせたチーム編成はシドニー大会の頃から基本的に変わっていない。
ただ今大会は日本開催でかつNPBがシーズン中断に入るため、現役で日本の球団に所属する3選手が代表に加わっている点がこれまでのオリンピック代表にはなかった特徴の一つとなる。
今季途中からクローザーに回り安定した投球を見せているスコット・マクガフ(ヤクルト)、2018年に来日して以降最高の投球内容を今季残している先発のニック・マルティネス(ソフトバンク)、セ・リーグの首位打者争いに加わり、本塁打も量産しているタイラー・オースティン(DeNA)と、いずれも今季好調の選手たちであり、代表チームでも投打の中心選手として活躍することが期待されている。
2019年プレミア12に続いて代表入りしたディクソン(元オリックス)
2度のMLBオールスター出場歴を持つ内野手のトッド・フレイジャー(元レッズ)や、同様に3度のオールスター出場歴のある先発左腕のスコット・カズミアー(ジャイアンツ傘下)、レッドソックスのトッププロスペクトであるトリストン・カサス(レッドソックス傘下)など、オールスタークラスの実績を持つベテランから将来MLBでの活躍が約束されているような有望選手まで、幅広くバランスの良いロースターが組めるのも層の厚いアメリカらしい編成と言えるだろう。
こうした多彩なメンバーを率いるのは2018年まで18シーズン、ロサンゼルス・エンジェルスを率いたマイク・ソーシア監督だ。2002年にはワールドチャンピオンにもなっている名将は、ドジャースでの現役時代に師事したトミー・ラソーダ監督が率いた2000年大会以来の金メダル獲得を狙う。
日本にとっては、2019年のプレミア12で唯一黒星を許した相手でもある。プレミア12で見せた細かい守備シフトを含めて、他国より豊富な情報が得やすい日本の選手をしっかり研究してくるのが印象的で、今回も不気味な要素の一つと言える。
2008年の北京オリンピックでも3位決定戦を含めて2度敗れており、今大会でも日本の金メダルを阻む最大のライバル国として立ちはだかってくるだろう。
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