7月27日、「ラグザス presents 第8回 WBSC U-12野球ワールドカップ2025」(台湾・台南市で8月3日まで)に出場している侍ジャパンU-12代表はオープニングラウンド第3戦でチャイニーズ・タイペイと対戦し、7対2で快勝。開幕3連勝で各グループ6チーム中上位3チームに与えられるスーパーラウンド進出に大きく近づいた。






地元かつ日曜夜の試合とあって観衆5,900人が集まった完全アウェーの雰囲気の中、攻守で日を追うごとに成長を重ねる選手たちが躍動した。
1回表、この日も先頭で主将の外山泰基(福岡ベースボールポニー)が突破口を開く。昨年の全国小学生陸上競技交流大会の男女混合4×100mのアンカーとして全国3位に入った俊足を飛ばしての内野安打と盗塁で相手投手にプレッシャーをかける。続く寺田大智(千葉リトルリーグ船橋)もライト前安打を放つと、橋本翔太朗(高崎ボーイズ)が四球を選んで無死満塁。このチャンスで吉塚真之介(狭山西武ボーイズ)の強烈な当たりが相手失策を誘って先制に成功。さらに大原颯二郎(糸島ボーイズ)も冷静に押し出し四球を選んで、初回から2点を奪った。
先発のマウンドを任された阿部旭冴(埼玉イーストリトルリーグ川口)は制球に苦しんだものの2回1失点にまとめると、3回には寺田が二塁打を放ってチャンスを作り、相手投手の暴投もあって追加点。4回には大会初先発の幸大貴(奈良リトルシニア)の二塁打と佐橋陸公(湘南ボーイズ)の内野安打でチャンスを作ると、河津勇誇(糸島ボーイズ)のセカンドゴロの間にさらに1点を追加し、リードを3点に広げた。
それでも地元の大声援を背にした前回大会準優勝のチャイニーズ・タイペイも追いすがる。侍ジャパン2番手の茨木雄之介(松戸中央ボーイズ)は、マウンドに上がった3回は三者凡退に抑えたものの、4回は先頭打者に安打を浴び、四球と内野安打もあって無死満塁のピンチを招く。だが、キャッチャーゴロの間にこそ1点を返されるが、続く1番打者のライナーを遊撃の幸がジャンピングキャッチ。そのまま二塁を踏んで併殺が完成し3アウト。「捕ったったでと言う気持ちでした」と関西弁で喜びを示すビッグプレーでチームを救った。






さらに5回には吉塚と大原の連打で追加点を奪うと、最終6回には外山がレフトへ大きな弧を描く2ラン本塁打を放ってダメ押し。前回大会よりも反発係数の基準が抑えられたバットをもろともしない貴重な一発で試合を決定づけた。
このリードを、前の回のピンチから登板し抑えていた福山恒成(多摩リトルリーグ稲城)が無失点で抑えて試合を締めた。
オープニングラウンド第4戦は、メキシコと日本時間28日の15時半から対戦。4連勝でスーパーラウンド進出を決めたいところだ。
監督・選手コメント
大久保秀昭監督
「良い雰囲気の中でやれて、選手たちはすごく貴重な経験をしていると思います。(勝因は)阿部が苦しい投球になりましたが、その後に投げた茨木が試合を落ち着かせてくれた。その中で幸のジャンピングキャッチによるダブルプレーが非常に大きかったです。出た選手たちが満遍なく活躍してくれています。(好救援の)福山も淡々と堂々と投げていて、大したものです」
幸大貴(奈良リトルシニア)
「初先発と言われて嬉しかったですし緊張もしました。(ファインプレーの場面)捕れると信じて飛びました。(6回は失策の後に併殺を取る)ミスを引きずらずに切り替えて次のプレーに備えました。(4回の二塁打は)1打席目に詰まったので修正して打席に立ちました。(チームの強みは)集中するところは集中して、喜ぶところは喜ぶ。アップの時から盛り上がって、しっかりするところはしっかりする良いチームです。今日の勢いを持って明日も勝ちたいです」
福山恒成(多摩リトルリーグ稲城)
「勝てて抑えられて良かったです。相手の応援もすごくて緊張は結構しました。でも周りのみんなが声をかけてくれて落ち着くことができました。今日はストレートが走っていました。変化球はカーブとスライダーを投げました。どんなプレーがあっても沈まず諦めない明るいチームです。気を緩めないで次戦以降も戦いたいです」
外山泰基(福岡ベースボールポニー)
「3連勝は大きいです。1回目の盗塁は相手の警戒も低く走ることができましたが2回の盗塁失敗が反省です。本塁打は打った瞬間、頭が真っ白で驚きの方が大きかったです。国内で使っているバットよりも飛びませんが、下半身を使うことを意識して打っています。ここからも、これまでの試合を活かして戦います」
ラグザス presents 第8回 WBSC U-12野球ワールドカップ2025
大会期間
2025年7月25日~8月3日
オープニングラウンド(グループA)
7月25日(金)15:30 日本 17 - 0 ドイツ
7月26日(土)15:30 日本 4 - 0 キューバ
7月27日(日)19:30 チャイニーズ・タイペイ 2 - 7 日本
7月28日(月)15:30 メキシコ - 日本
7月29日(火)11:30 日本 - オーストラリア
スーパーラウンド
7月31日~8月2日
決勝・3位決定戦
8月3日
開催地
台湾(台南)
出場する国と地域
グループA
日本、チャイニーズ・タイペイ、メキシコ、キューバ、オーストラリア、ドイツ
グループB
アメリカ、韓国、パナマ、ドミニカ共和国、チェコ、南アフリカ