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"世界の野球"【第15回】清水直行 ニュージーランド野球の世界挑戦記 「WBC予選」

2015年11月24日

文・写真=元 野球日本代表 清水直行

 WBC予選(4組×4ヶ国)。日本ではあまり知られていないかもしれない。2006年に開幕したWBC(ワールドベースボールクラシック)では、2013年大会からWBC予選を開催している。
 2016年WBC予選(以下:予選)は、2017年WBC本大会(以下:本大会)に出場するための戦いだ。本大会は、前回大会の成績に応じて、すでに出場を決めている12ヶ国に加え、予選の1組(オーストラリア予選)、2組(メキシコ予選)3組(パナマ予選)4組(アメリカ予選)からなる各組1位の4ヶ国が追加され16ヶ国で開催される。その予選が2016年2月に控えている。

 ニュージーランド代表は、来年2月にオーストラリア(シドニー)で行われる予選1組に入っている。出場国は、オセアニア王者のオーストラリア、そしてニュージーランド、フィリピン、南アフリカだ。予選は、ダブルエリミネーションのトーナメントで行われ、2敗すれば敗退となるルールを採用している。やはり強く意識をするのはオーストラリア代表だ。オーストラリア国内には、日本のプロ野球選手もペナントレースが終われば参加をしているABL(Australian Baseball League)というプロ野球リーグがある。今年は10月23日から開幕しており来年の2月の初旬まで開催されるそうだ。国内にプロ野球リーグがあるということでも、やはりオーストラリア代表がこのグループの強敵になるだろう。

 私がオーストラリア代表戦として思い出すのは、2004年のアテネオリンピックまで遡る。私はその試合に先発させてもらうも4回に連打され降板し敗戦した悔しい試合だ。今でもその悔しさが残ってはいるが、選手として対戦できないから残念だ。そして、時は進み2013年2月、日本で行われた「WBC壮行試合」が記憶に新しい。結果は3-2で日本代表が勝利を収めたものの、終盤まで日本代表を追い詰めた内容だった。アテネオリンピックの銀メダル獲得や壮行試合の内容、日本プロ野球(NPB)でもオーストラリア人が活躍していたということから、オーストラリア代表は強いという印象を持っている人は多いかもしれない。しかし、そんなオーストラリア代表だが、ここまでのWBCの成績では、1勝8敗(1次ラウンド)と苦しんでいるのだ。

 ニュージーランド代表が初出場した2012年WBC予選では、チャイニーズ・タイペイ代表が圧倒的な強さを見せつけた。それもそのはず、チャイニーズ・タイペイ代表はのちの2013年WBC本大会1次ラウンドで、韓国、オランダ、オーストラリアの入るグループで、2勝をあげオランダと共に2次ラウンドに進出するほどの強さを持っていたのだ。そんなチャイニーズ・タイペイ代表に初出場のニュージーランド代表が完敗するのは当然だった。
 しかし、ここ数年で、あまり結果を出せていないオーストラリア代表との戦いが中心となる予選ならば、もしかすると金星があり得るのではと期待をしている。もちろん同組のフィリピンと南アフリカからも勝ち星をあげなければならない。それに、オーストラリア代表の今日までの歴史や環境を考えればニュージーランド代表は劣る部分が多いだろう。これまで幾多の国際大会や本大会での戦いを経験してきたチームと、そうでないチームでは経験の差が違う。厳しい予選になることも覚悟はしている。しかし、それでも、そんなことをも覆す1位を見てみたいのだ。

 そこには、もちろんニュージーランドが野球でも世界と戦える一歩を刻むことでもあり、ニュージーランドの野球少年に大きな目標を掲げてもらえることにもなると思えるからだ。その相手が、ニュージーランドと良きライバルであり、良き宿敵である隣国のオーストラリアなら・・・。そしてそんなニュースが、これからもっと世界で野球が盛んになる些細なきっかけになってもらえたら、それはそれで面白いストーリーになるだろう。

 ニュージーランド野球。まだまだ国内に課題は山積みだが、2016年の予選でニュージーランド代表が大いに暴れてほしいものだ。

清水直行 ニュージーランド野球の世界挑戦記
著者プロフィール
清水直行(しみず なおゆき)
1975年11月24日生まれ 京都府出身。日大、東芝府中を経て、99年にドラフト2位でロッテに入団。2002年から5年連続で規定投球回、2桁勝利を継続し、エースとして活躍。05年は31年ぶりの日本一にも貢献した。04年のアテネ五輪、06年の第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に日本代表として出場。10年から横浜(現:横浜DeNA)。プロ12年間で通算105勝、防御率4.16。現役引退後は、ニュージーランド野球連盟ゼネラルマネジャー補佐、同国の代表統括コーチを務める。

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