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"世界の野球"日本人指導者の挑戦 香港野球代表「香港野球との旅を終えて」

2017年11月30日

文・写真=色川冬馬

 2017年5月19日、香港野球の順位は7位と確定し、閉会式が執り行われた。香港野球としては、史上最高の順位であったようだ。しかし、決勝トーナメント進出とはいかなかった香港野球協会と私の契約は終わりを迎えることが決まった。その後の閉会式は、大会最終戦後に球場にいるチームのみで行われる予定であったが、急遽全チームへ招集がかかった。香港代表も慌ててホテルから球場へ向かうと、そこには世界ソフトボール野球連盟の会長フラッカリー氏がいた。中国野球協会とのミーティングのため訪問していたフラッカリー会長が急遽参加することになり、全チーム召集がかかったのだった。私は約2年ぶりに再会し、声をかけに行くと「お前、今度は香港にいたのか」と笑いながら再会を果たした。フラッカリー会長も大国中国の野球発展を強く願っていた。

 それから間もなく帰国の途についた香港代表チームは解散し、それぞれが現実世界へ戻っていった。学生は、日常の学校生活へ戻り、仕事を休んでいた選手は仕事に戻っていく。このような決まった流れを何とか出来ないものかと考えていると、海外へチャレンジしたいと私へ連絡してくる選手がいた。私としては、香港代表と4ヶ月間を共に過ごし、何より嬉しい成果の一つだった。

 私は常々「自分がいる環境だけが、自分にとって最高の環境とは限らない。世界にはあらゆる選択肢と可能性が拡がっている。自らが成長出来る環境へ身を投じる勇気と覚悟が必要だ」と話してきた。それが、こんなにも早くも現実として動き出すとは思ってもいなかった。一人でも多くの選手が、こうして海外で野球の経験値を積むことは、その国の発展にとって非常に効果的だと私は思う。

 香港などの野球の発展途上と言われる国では、選手の心技体がある一定のレベルへ達すると、選手が指導者のレベルを超えていると言う問題が起きる。実際、香港野球も指導者のレベルを超えている選手が多く、今の状態を乗り越えることが最も難しくなる。しかし、そういった指導者ほど、自らの立場や実績に固執し、目の前の結果にとらわれる。結果を求めるほど、選手をコントロールしようとし過ぎ、横柄になり、選手との人間関係に亀裂が入ることもある。また、現場以外でも普及・発展と共に野球へ携わる関係者が増え、利害関係が絡み合い始める。旧態依然を崩さない保守派、野球界の発展へ便乗するだけの者など様々だ。

 そういった状況において、選手が海外へレベルアップを求め、経験値を自分の国へ還元していくという流れは自然であり、良いことなのかもしれない。野球協会が筆頭となり、野球の普及・発展を国内から促していくと同時に、選手自身の大きな決断と努力が、今後の発展への運命を握っていると私は思う。

著者プロフィール
色川冬馬(いろかわ とうま)
2015年2月にイスラマバード(パキスタン)で行われた西アジア野球選手権にイラン野球代表監督として、チームを2位へと導く。同大会後、パキスタン代表監督に就任。2015年9月に台湾で行われた「第27回 BFA アジア選手権」では、監督としてパキスタン代表を率いた。

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