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"世界の野球"日本人指導者の挑戦 香港野球代表「深松国際カップ最終日」

2017年6月9日

文・写真=色川冬馬

 3月27日、最終日の相手は石巻専修大学だったが、朝から生憎の雨だった。中止になる可能性が高かったが、香港代表団は試合会場の石巻市民球場まで向かった。
 石巻市民球場へ向かう道中、残念ながら中止の電話が入ってしまった。中止の知らせを伝えると、本当に残念がる選手達。チームの雰囲気も、選手の意識も変わり始めていただけに、私も残念だった。

 そして、何人かの選手が「待ってもダメなのか。野球がしたい」と何度も言ってくる。私は石巻専修大学の酒井監督に再度電話をし「大学生の練習に混ぜてくれませんか」とお願いをした。酒井監督は、快く受け入れて下さり、石巻専修大学の室内練習場に向かうことになった。限られたスペースであるため、香港代表団から6人の選手を選抜し、お邪魔することにした。

 室内練習場へ到着すると、石巻専修大学の1軍の選手達が快音を響かせていた。嬉しいことに、チームの中心選手に私の高校の後輩がいた。その選手から直接手解きを受け、私は彼の言葉を通訳していた。香港代表選手の真剣に耳を傾ける姿勢が、私は好きだ。言葉、年齢、そして国境など関係ない。ここには野球というスポーツが生んだリスペクトがある。次のレベルを目指して必死に汗を流す後輩がいて、そこに私が教える香港代表団の選手がいる。凄く不思議な気持ちだったが、可能性いっぱいの選手たちの未来に「幸あれ」と心の底から願っていた。

 後半は、酒井監督より直接投手へ指導して頂いた。練習で心がけることや、試合での組み立て方などを教授していただいた。さらに、香港の選手が「ここに来れなかった選手からも質問を預かっている」と言うのだ。チームを代表して学びに来ているという真摯な姿勢に、再び私は心を打たれた。私も1人の人間として、もっと成長しなければと鼓舞されていた。そして、野球が好きで、野球に対して直向きな選手たちの成長を、少しでも長く見届けたいと心から思えた。この日の帰り、香港代表団は再び野球用品店へいき、松島の「さかな市場」にて、宮城の新鮮な海の幸を堪能した。翌日の朝、香港代表団は帰国の途についた。

 今回、最終的には1勝2敗と悔しい結果に終わったが、野球の知識や経験だけではない価値と出会えた時間だった。選手の学びたいという姿勢が、それ以上の価値と出会わせてくれたと私は信じている。香港野球代表団は、約1ヶ月後にグアム、フィリピンへと強化試合へいくことも計画している。そして、5月には中国の全国大会へと出場する。帰国後、この学びをどこまでチームに浸透させられるかが楽しみだ。

著者プロフィール
色川冬馬(いろかわ とうま)
2015年2月にイスラマバード(パキスタン)で行われた西アジア野球選手権にイラン野球代表監督として、チームを2位へと導く。同大会後、パキスタン代表監督に就任。2015年9月に台湾で行われた「第27回 BFA アジア選手権」では、監督としてパキスタン代表を率いた。

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