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"世界の野球"日本人指導者の挑戦 香港代表団「強化合宿最終日」

2017年8月21日

文・写真=色川冬馬

 この日は、中国で行われる全国大会前、最後の強化試合だった。初戦は今年のチャンピオン・アテネオ大学と長年のライバル関係にあるデ・ラサール大学。今年は決勝で破れ2位だったそうだが、フィリピン野球関係者はどちらも大差のない実力があるとのことだった。私たちは、昨日の反省から「環境に作用されず、香港の野球をやろう」とテーマを設定していた。

 初回、ヒットと長打で香港代表が先制し、幸先のいいスタートを切った。今回の遠征を通して「アグレッシブな先制パンチ」は、香港野球の新たな武器として定着しつつあった。問題は、ここから投手陣及び守備で如何にアグレッシブなチャレンジを出来るかであった。その裏の相手の攻撃、ランナーは出すものの何とかゼロで抑え好発進をしたかに見えた。しかし、現実はそこまで甘くはなかった。
 2回の裏、エラーからランナーを出すと、その後もミスを重ね長打で逆転を許してしまった。私は、選手たちへ「ここからが成長を見せる時だ」と円陣を組んだが、4回、5回と徐々に離され最終的には4-9で敗北した。自分たちのスタイル(香港野球)に自信をつけていく一方で、勝ちきれない歯がゆさと悔しさが残る試合になった。

 フィリピンでの最後の試合は、今年のフィリピン大学野球選手権で3位になったサント・トーマス大学だった。今年の選手権予選でアテネオ大学をも破ったサント・トーマス大学との試合、私たちは気持ちを入れ直し戦いへ向かった。再び先攻をとった香港代表は、ヒットと長打で3点を先制した。初回から先発投手のパッとしない立ち上がりで2点を許すも、香港代表が得点をし続け11-3で勝利した。
 また、最終戦ということもあり香港代表としては試したい選手等もいたが、8回に相手監督の申し出により試合は急遽幕を閉じることになった。試合前、審判から10点差が離れた時点でコールドゲームという説明があったのだが、相手監督の強硬な態度に試合は幕を閉じることになった。

 私は今回の遠征を通して、香港野球をより深く知ることができた。香港の選手は環境の変化に敏感で、慎重に、着実に物事を進めようとするタイプの選手が多い。なので、環境や状況の変化へ適応するのにも時間が必要になる。しかし、一国の代表チームである以上、母国の慣れた環境よりもアウェイでの戦いの方が確実に多くなることを念頭に練習をしていかなくてはならない。私が選手へ伝えているのは、環境の変化に適応していく方法論よりも自分自身に集中することである。日頃から自分がコントロールできることを理解し、コントロールできるものに集中できるようになれば、環境に左右されない選手になる。

 試合終了後、私たちはフィリピンレストランで食事をし、その後に反省会を開いた。改めて、私の想いを選手と共有した上で、この3ヶ月間、私の練習に付いてきてくれたことに感謝を伝えた。そして、強化合宿の個人成績を発表し、一人一人へ将来の展望について話をした。目標にしてきた中国の全国大会まで10日、3勝3敗で最後の強化合宿を締めくくった。

著者プロフィール
色川冬馬(いろかわ とうま)
2015年2月にイスラマバード(パキスタン)で行われた西アジア野球選手権にイラン野球代表監督として、チームを2位へと導く。同大会後、パキスタン代表監督に就任。2015年9月に台湾で行われた「第27回 BFA アジア選手権」では、監督としてパキスタン代表を率いた。

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