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"世界の野球"日本人指導者の挑戦「香港代表強化合宿一日目」

2017年1月6日

文・写真=色川冬馬

 12月23日の夜、香港代表団が台湾・高雄市に到着した。到着後、夜市にて夕食を済ませたが、選手たちが部屋に戻ったのは23時を過ぎていた。12月24日、香港代表は代表強化合宿をスタートさせた。今回の大きな目的は、香港国内ではあまり出来ない実践を通した「チーム強化」であった。新たな旅の始まりに、私の胸は高鳴っていた。

 初日の相手は台湾国内でベスト4に入るという普門中等学校(日本でいう高等学校)だった。結果は7対8で高校生相手に敗北。いかなる理由があろうとも、一国の代表団が高校生に負けるなどあってはならないと私は思っている。大人と高校生では身体の強さ、スピード、そして経験値において大きな差がある。確かに香港代表団の選手は、野球国である日本・韓国・台湾の選手と比べれば圧倒的に経験値は浅い。しかし、それを差し引いたとしても現実的に負けることはあってはならない試合だった。当事者である私が話せば言い訳でしかないのだが、プロ野球選手のような態度・振る舞いを見せておきながら、選手の勝ちに対する執着心のなさ、マインドに私は落胆した。
 一方で、これもまた私らしいスタートだとも思えた。「ピンチはチャンス」である。こんな悪い空気にこそ成長のチャンスがある。私は、試合後のミーティングで感じている事をありのままに、そして普段よりも厳しく伝えた。私としては厳しく諭すと同時に、自分がやるべき事が明確になったミーティングだった。選手たちは出来ないからやっていないのではなく、知り得すらしないから、そうするしかなかったのだと確信した。

 試合後の練習、私は覚悟を決めて、勇気を出して勝負にでた。大人のチームを教えている時にはあまり使わないのだが、私がまず空気を作ってしまう事だった。ノックを打ち、練習のマネジメントをするのは当然だが、誰よりも走り、誰よりも声を出し、誰よりもゴロ捕球をしてみせ、エネルギーを放出していく。選手が声を出せない理由は、プレイや状況判断に対する自信のなさだけではなく、出し方も見せる必要があると思い実践した。どんな声が必要かやってみせると同時に、「なぜ」今の選択をしたのかを一緒に考えていく。声に出す事で、やっている事が明確に表現され、併せて会話も増えていく。

 そこには必ず失敗も存在するが、選手自らが挑戦した結果に起きる失敗は「素晴らしい成長」に繋がると声をあげる。一方で、攻める事なく、または現状を変えようという勇気と覚悟を見せない失敗には厳しくあたることで、今何を求めているかを明確にしていった。
 私としては代表合宿1日目から、非常にタフなスタートであった。

著者プロフィール
色川冬馬(いろかわ とうま)
2015年2月にイスラマバード(パキスタン)で行われた西アジア野球選手権にイラン野球代表監督として、チームを2位へと導く。同大会後、パキスタン代表監督に就任。2015年9月に台湾で行われた「第27回 BFA アジア選手権」では、監督としてパキスタン代表を率いた。

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