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"世界の野球"日本人指導者の挑戦「香港野球、初のプロ野球選手誕生へ」

2017年6月20日

文・写真=色川冬馬

 2017年4月、香港野球代表の長身サブマリン、ケネス・チウがチェコの1部リーグに所属するオリンピア・ブランスコと契約した。香港野球界にとっては歴史的な出来事となり「初のプロ野球選手誕生」という記事が、各メディアで紹介された。野球が発展途上にある国において、野球における目標を持つことは難しい。今回の新たな挑戦は、次世代の香港野球へ「夢と希望」を与える大きな意味合いがあった。

 私が初めて香港野球を見学させてもらった時、最初に感じた違和感は、「夢や目標のない」選手達の姿だった。そして、私の彼らへの最初の質問は「あなたの夢や目標はなんですか?」。私は、質問に対する反応の薄い選手達を前に「出来ないと言う決めつけは、人生の損でしかない。本気で野球を続けたければ、世界に目を向けよう。あなたが思う以上にチャンスはある」と伝え、それからも言い続けていた。それが、こんなにも早く形になるとは思わなかったが、本人の努力と強い覚悟があったからこそ実現したのだろう。
 彼の挑戦は、他の選手達にも影響し、選手達は「おれも野球を続ける道があるのか」と聞いてくる事が増えた。この先、第2、第3の香港人プロ野球選手誕生も夢ではない。

 また、誰が初のプロ野球選手として香港野球の歴史を次の世代へ繋いでいくのかも私は大事だと思っている。野球選手としてのパフォーマンスはもちろんであるが、彼の野球に向き合う姿勢や態度、そして振る舞いの全てが、今後の香港野球のイメージへと変わっていく。そう言った意味においても、彼は適任だった。
 2016年12月、台湾で行われた台湾プロ野球のトライアウトにも、彼は自ら参加していた。アメリカの大学を卒業し、アメリカンドリームを知ってしまった彼らしい挑戦だなあと私は思っていた。それと同時に、どこか一昔前の自分と重なり合うモノを勝手に感じていたのかも知れない。

 ケネスがチェコへ渡航してから2週間が経ったある日、遂に待ちかねた朗報が届いた。ケネスは2度目の登板にて、プロ初勝利をあげたのだ。チェコリーグの試合は毎週末に行われているため、投手にとっては週に1回投げるのが精一杯。その少ない機会の中で、自ら勝ち取った勝利は、彼の大きな自信となったことだろう。彼は4月28日から行われる香港代表団のグアム合宿への参加が決まっている。新たなキャリアを歩み始めたケネスが、香港野球代表チームへどんな影響を与えてくれるのか楽しみである。

 チェコで野球をする香港人がいること、日本でも、どこの国の選手でも、ケネス同様に世界中で「野球をする選択肢」があることを広く知っていただけたらと思う。

著者プロフィール
色川冬馬(いろかわ とうま)
2015年2月にイスラマバード(パキスタン)で行われた西アジア野球選手権にイラン野球代表監督として、チームを2位へと導く。同大会後、パキスタン代表監督に就任。2015年9月に台湾で行われた「第27回 BFA アジア選手権」では、監督としてパキスタン代表を率いた。

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映画「あの日、侍がいたグラウンド」

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