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"世界の野球"アジア選手権・日本人監督の挑戦「第27回BFAアジア選手権 インドネシア代表 総評(後編)」

2015年9月30日

文・写真=野中寿人

 では、第27回BFAアジア選手権の総評・後編として、アジア野球途上国のインドネシアが国際大会へ参戦する際の意識について述べさせていただきます。インドネシアで野球を行っている選手にとっては、代表チームで自己の力量を試すこと、つまり国際大会へ参戦することが最大の目標となります。国内のクラブチームや州の選抜チームでのプレーで満足する選手はいません。

 「野球というものが就職や人生設計の邪魔になる」という考えもあるインドネシア。しかし、選手たちは、学校を休学・留年を繰り返し、また、就職をしている者は休暇許可を得て、更に、休暇許可が受理されない企業に勤めている者は退職をしてまで代表チームに参加をしてきます。何故ならば「野球が好き」だからです。野球途上国に生まれたというだけで日本の選手たちと何ら気持ちは変わりません。

 満足な指導を受けてこなかった、適切な指導を受けることが出来なかったばかりに、野球の実力は劣っていますが、願わくは野球選手として日本をはじめとする「野球先進国でプレーがしたい」と、インドネシア国内においては“何の得にもならない”野球をプレーしています。そんな野球途上国のインドネシアがアジア最高峰の国際大会であるアジア選手権への参戦が可能になった場合、国として、連盟として、円滑に国際大会へ参戦をさせてあげなければ嘘です。選手たちは国家や連盟の財産であり、選手たちが居なければ代表チームは構成されません。参戦する為の資金の調達、チーム編成という内外部については、もっとしっかりとした運営の体制が必要になります。この部分の改善なくして野球途上からの脱皮は絶対に無理なことです。

 今回のアジア選手権大会において、東アジアカップに参戦した代表メンバーが参戦できなかったことについては非常に残念です。また、チーム編成が如何にせよ、参戦するからには国の代表チームです。試合での結果が全てであり、当然のこととして試合の内容も、次の国際大会への出場権査定に加わってきます。以上の意味からして、代表チームを統括する連盟、また、組織においてその上部に存在する国家には、選手たちの心情を深く理解をして欲しいし、前項でも述べましたが、今回の東アジアカップ並びにアジア選手権大会でのインドネシア野球は、ハード面、ソフト面の問題点を大きく曝け出したものと判断しています。

 私は監督という役職を務めさせて頂いておりますが、基本的には日本人であり外部に位置する立場の人間になります。しかし、インドネシアが、代表チームやインドネシア野球全体の向上に関しての努力や改善の為に、少しでもお役に立てればと「やれること」「やるべきこと」を国や連盟、選手たちと一緒に考えて施して行きたいと、今回のアジア選手権大会の内容が、再認識させてくれたと思っております。

日本人監督の挑戦
著者プロフィール
野中 寿人(のなか かずと)
1961年6月6日生。日大三高野球部在学3年の夏に西東京代表にて全国高等学校野球選手権大会に出場。
その後、日本大学体育会硬式野球部へ進学。日本大学では1年の秋から体調を壊し2年間の休部をし、現役野球人生を終える。大学卒業後は、フィリピン、サイパンなどで仕事をし2001年にインドネシアのバリ島へ移住。2004年からバリ島の子供達に野球を教え始め2005年にリトルリーグを発足。2006年にはバリ州代表監督に就任、また、クラブチームを発足。2007年にはインドネシア代表ナショナルチームの監督に就任。2007年のSEAゲームスで銅メダル、2009年のアジアカップで優勝、同年のアジア選手権大会へ出場。その後、インドネシア代表ナショナルチームの監督を辞任し、地方州底上げの為に、東ジャワ州代表監督に就任。2011年のインドネシア国体予選で準優勝、2012年のインドネシア国体前哨戦で優勝、同年のインドネシア国体決勝大会で銅メダル。そして2014年からインドネシア代表ナショナルチームの監督に復帰をし、2015年の東アジアカップで準優勝。

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