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"世界の野球"アジア選手権・日本人監督の挑戦「一難去らずにまた一難、第27回アジア選手権大会へ向けて」

2015年9月19日

文・写真=野中寿人

 今回の第27回BFAアジア選手権への出場は、東アジアカップ優勝国のフィリピンが資金不足により参戦を辞退したことにより、準優勝国のインドネシアが参戦することになりました。しかし、参戦するにあたってインドネシアもフィリピン同様に資金の問題が浮上してきたのでした。
 イスラム教断食明け(イドゥルフィトリ祭典)を待って、7月末より再びスポンサー獲得の活動を開始したわけですが、アジア選手権大会までの残日数とスポンサー獲得の為の日系企業訪問日程とを照らし合わせても、どうしても1か月強では参加に必要な資金総額への到達が困難な状態でした。
 私が資金獲得に右往左往する姿を見て「日本人である監督がインドネシアの為に頑張ってくれている。だから自分たちも動く」という、選手たちからの声があがり、選手たちが各自の資金を出し、更に、募金用の垂れ幕をグランドに張ったり、ラジオ放送やテレビ放映を利用して募金活動を開始したのでした。
 しかし、ここで新しい問題が出てきます。インドネシアでは4年毎に国体が開催されており、その前年度に国体の予選大会が開催されます。運の悪いことに、この国体の予選大会が9月12日から9月20日までの日程となり、アジア選手権大会(9月16日から9月20日)と日程が重なってしまうという大問題が発生したのでした。
 当初は国体の予選大会を10月に順延する方向でアジア選手権大会のチーム編成準備を進めていましたが、土壇場で日程の順延が不可能と決定され。その結果、東アジアカップ準優勝時の選手たちの95%が、国体の予選大会出場を義務付けられ、今回のアジア選手権大会への参加が出来なくなってしまったのです。

 今回のアジア選手権大会出場の最大の目的は、西アジアカップ優勝国のパキスタン代表への挑戦です。大会へ参戦するための資金は嘆願をして回れば、非常に大変なことですが、回避は可能です。しかし、人材的に限りのあるインドネシアでは、パキスタン代表に挑む為のチームの「戦力」と、まともに戦えるようにするチーム編成の「時間」については、限度があります。どんなに探し回っても回避は不可能です。
 そうかと言って、挑戦せずに指を咥えて辞退することは出来ない。駄目かもしれないけど進まなければ道は開けません。力の限りを尽くして駄目だった時はしょうがない。インドネシアとして、何が何でも台湾へ飛ばなくてはならないのです。
 アジア選手権大会へのチーム編成は、男子ソフトボール代表チームの選手や元野球の代表チームで現在は既に引退をした選手らが中心です。練習もわずか9日間で、選手の中には仕事の休暇許可受理が遅れて1日も練習に参加出来ずにアジア選手権大会へ参戦をする者もいます。
 泣きながら参加を断念した東アジアカップ準優勝時のインドネシア代表の選手たちの無念さ、同じく、本来ならばこのアジア選手権大会に出場するはずであった東アジアカップ優勝国のフィリピン代表の選手たちや首脳陣たちの断腸の思いは深く切ないものです。
 ですから、今回のアジア選手権大会に参戦するインドネシア代表は、日本代表や韓国代表、台湾代表、中国代表との試合では「最後まで、しっかりと、失礼の無い、試合をすることのみ」です。このことだけしか出来ません。
 第27回アジア選手権大会はインドネシアにとって「希望への挑戦」から「無謀な挑戦」へと方向転換をして行ったのでした。

日本人監督の挑戦
著者プロフィール
野中 寿人(のなか かずと)
1961年6月6日生。日大三高野球部在学3年の夏に西東京代表にて全国高等学校野球選手権大会に出場。
その後、日本大学体育会硬式野球部へ進学。日本大学では1年の秋から体調を壊し2年間の休部をし、現役野球人生を終える。大学卒業後は、フィリピン、サイパンなどで仕事をし2001年にインドネシアのバリ島へ移住。2004年からバリ島の子供達に野球を教え始め2005年にリトルリーグを発足。2006年にはバリ州代表監督に就任、また、クラブチームを発足。2007年にはインドネシア代表ナショナルチームの監督に就任。2007年のSEAゲームスで銅メダル、2009年のアジアカップで優勝、同年のアジア選手権大会へ出場。その後、インドネシア代表ナショナルチームの監督を辞任し、地方州底上げの為に、東ジャワ州代表監督に就任。2011年のインドネシア国体予選で準優勝、2012年のインドネシア国体前哨戦で優勝、同年のインドネシア国体決勝大会で銅メダル。そして2014年からインドネシア代表ナショナルチームの監督に復帰をし、2015年の東アジアカップで準優勝。

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