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"世界の野球"東欧ブルガリア -野球事情とその展望-「2つの国際大会」

2019年9月17日

文=藤森健

 ブルガリアでは皆、総じて長い夏休みを取ります。子どもを例にすると、小学1-4年生は6月1日から、5-6年生は6月16日から、それ以上は7月1日から夏休みに入り、9月初旬の新学期開始まで続きます。この長い期間、子どもたちは祖父母のもとで過ごしたり、サマースクールに行ったり、家族と海や山に行ったりと、それぞれが存分に夏を満喫します。大人も子ども程ではありませんが、週単位で何度か休暇を取るのが一般的です。そんな状況なので、この数ヶ月、国全体がバカンス気分で、いつも以上にのんびりとした時間が流れています。

 さて、今回は6月と7月に行われた国際大会について紹介します。ひとつはクラブチームの欧州大会であるフェデレーションズカップ予選(Federations Cup Qualifier)、もうひとつは国代表(成人)の欧州大会である欧州野球選手権(European Championship) についてです。


モスクワで開催されたクラブチーム欧州大会(写真撮影・提供 : Daria Ladoshkina)

 それぞれの大会がどのようなものであるかは、以前の記事「ブルガリア野球の概要(後編)」で触れたので、ここでは簡単に書くことにします。フェデレーションズカップ予選は欧州野球連盟に所属する国がそれぞれ2チームの参加権を持ち、クラブチームのトップを争う、ヨーロピアンカップス(The European Cups)の上から4番目のレベルの大会です。今年は合計12チームがこの大会に参加しました(ヨーロピアンカップスは毎年行われ、その年の成績が翌年に反映され、各レベル間で昇降格が実施される)。この12チームはブルガリアとロシアを会場にした大会に6チーム毎に分かれ、ブルガリアからは各会場に1チームずつ、合わせて2チーム(昨年の国内リーグ戦の1位と2位のチーム)がエントリーしました(昨年は予算などの都合で1チームのみ参加)。

 結果は健闘はしたものの、それぞれ6チーム中2位(於:ロシア)と3位(於:ブルガリア)で、上のレベルに昇格することは叶いませんでした。ただ、それぞれが上位に食い込むことができ、参加選手達も手応えを感じたようで、来年以降に期待できると思わせてくれるものでした。


ブルガリアで開催されたクラブチーム欧州大会(写真撮影・提供 : Jordan Mihailov)

 後者の大会、欧州野球選手権は国代表(成人)の大会で、隔年で行われます。ブルガリアは「B」という上から2番目のレベルの大会に参加しました(欧州全体がA、B、Cとレベルによって3プールに分けられ、上位から12チーム(A)、14チーム(B)、10チーム(C)というチーム数で運営されている)。この大会もBプールが2つの会場(於:ポーランド…8チーム、於:ブルガリア…6チーム)に分かれて開催されました。

 ブルガリアは今年、この大会を初めて地元開催できるということもあり、良い成績が期待された大会でした。しかしながら、結果は参加国のイスラエル、ロシア、ギリシャ、セルビア、アイルランドに全敗し、最下位。残念ながら、Cグループへの降格が決まりました。

 敗因は長短期的、そして総合的な代表チームの運営力の不足ですが、今大会が東京五輪出場につながる大会ということで大会のレベルが急激に上がり、ブルガリアがそれに置いていかれたことが、その大きな1つと言えます。

 今大会、Bプールプレーオフ、そして、Aプール大会と勝ち続ければ、五輪出場の可能性があるということで、例年以上に各国とも力を注いでいました。例えば、優勝国イスラエルは米国などから、ロシアにはキューバで活躍していたという選手達、アイルランドにはこの春にMLBで登板機会のあった投手、そして、ギリシャ、セルビアにも大会のために遠くから来た選手らが参加していたりと、ローカルリーグで活躍する以外の選手の加入による強化が目立ちました。一方、その中でブルガリアは他国のような補強はできず(実力を持った海外在住選手の存在がない、もしくはネットワークがない、存在したとしても呼び寄せる資金がない…)、戦力的に劣勢の状態での戦いになりました。

 五輪ということはあるものの、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)やWBSCプレミア12などでは一般化している、米国や中南米などの野球強豪国で活躍する国籍要件を持った選手を招集してチームを強化するということが、欧州選手権Bプールのレベルでも特別なことではなくなってきたことは欧州野球の変化を感じさせるものでした。


ブルガリア代表チーム(写真提供 : Petyo Petokov)

 今回の結果を受け、ブルガリアの選手を含めた関係者からは「自分たちには他国のような大きな補強になるような選手がいなかったから負けたのだ」と楽観的に捉える声が聞こえます。しかしながら、近年のこのカテゴリーの国々では、海外からの選手補強だけでない変化、全体的なレベルの向上が見て取れ、その中で、ブルガリアが取り残されつつあることが顕在化してきています。

 それはアンダー世代への取り組み、指導者養成、外国の指導者の積極的採用や大会の試合前後のコンディション調整の姿勢などに現れ、それぞれが長短期的に、そして戦略的にチームを運営している様子が認められます。

 ブルガリアにはこの他国のような運営、取り組みの姿勢が十分でなく、このことがCグループへ降格した根本的な原因であることは明らかです。なぜそれができないのか、というところにこの国特有の複雑な要因があり、簡単には改善できないことは理解しているつもりです。ただ、これを機に現状を冷静に認識・分析することから始め、次の世代に繋がるような展望を関係者達が共有し、次の行動につなげてくれればと強く思います。そして、そうなるためにはどうすれば良いのか、ということを考えながら長い夏を過ごしています。

東欧ブルガリア -野球事情とその展望-
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