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"世界の野球"東欧ブルガリア -野球事情とその展望-「ブルガリア野球の概要(後編)」

2018年4月9日

文=藤森健

 4月に入りまだまだ肌寒いブルガリアですが、いよいよ新しいシーズンが始まりました。ここ10年程、様々な問題を抱え停滞していたブルガリア野球ですが、ようやく良い方向へ動き出したと感じられる春です。

 というのも、このシーズンオフは若い世代が連盟の運営に関わるようになるなど、わずかなりとも変化が見られるからです。新しい体制での連盟の運営がどのようになるのか、国内リーグでどのような戦いが見られるのか、 主催地にもなる 国際大会で良い成績が残せるのかなど期待を抱いて新しいシーズンを迎えています。

 さて、第3回目の今回は引き続きブルガリア国内リーグや、国際大会(国代表、クラブチーム)などについてブルガリア野球の概要をお伝えします。


2018年シーズンは嬉しいことに子どもの大会で開幕(著者撮影)

ブルガリア国内リーグ、国内大会

 ブルガリアには1992年から27年続くブルガリアベースボールリーグ(Bulgarian Baseball League、昨年まではBulgarian National Championship)と冠する国内リーグがあります。かつては9-12歳、13-15歳、16-18歳、そして成人と4つの年齢別カテゴリーでリーグ戦が行われていましたが、ここ10年程は残念ながら成人のみのカテゴリーで行われています。

 リーグ戦は基本的に参加チーム総当たりで2試合ずつのホームアンドビジター方式でシーズン前半が争われ、後半に上位チームがプレーオフを戦います。ただ、毎年、参加チーム数や球場、予算の都合などで試合数やプレーオフの形式が変わり、それに付随して開幕の時期などの年間スケジュールが決まります。

 例えば2017年のリーグ戦は8チームが参加し、4月後半から全チーム総当たりで各チーム14試合ずつ、後半は9月から上位4チームでのプレーオフという形で行われ優勝が決まりました。

 優勝チームは翌年の欧州野球連盟(CEB)が主催するクラブチームの国際大会への参加資格が得られます。昨年の優勝チームであるブラゴエフグラッドバッファローズ(Blagoevgrad Buffaloes)は今年6月に行われる、フェデレーションカップ予選大会(Federations Cup Qualifier)に出場します。ちなみにこの大会ではブルガリアが開催地にもなり、ブルガリア野球連盟は6年ぶりにホストとして参加します。

 リーグへの参加資格は緩く、国からスポーツクラブの認定を得ていること、連盟に所属し年会費を払っていること、試合にかかる経費(遠征費、ホームの場合には審判経費、ボール代、グラウンド使用料、ドクターへの費用など)を負担できることが条件です。

 ただし、欧州連合の中でも最貧国とも言われるブルガリアです。年会費と合わせて、試合にかかる経費を工面するのは日本人が思うほど容易ではありません。連盟として、経費削減できるように工夫をしていますが、皆苦労しています。地方にあるチームが容易にリーグ戦に参加できない理由のひとつががここにあります。


2017年ブルガリアベースボールリーグ優勝決定時(写真提供:ブルガリア野球連盟)

 リーグ戦以外にも毎年開催される2つの国内の大会(成人)があります。1つはブルガリアカップ(Bulgarian Cup)と言うカップ戦で、1995年からこれまで23回開催の歴史があります。試合数が少なく、短期間で行われるため、リーグ戦に参加していないチーム(毎週は選手が集まらない、遠征費が工面できない、実力が足りないなどの理由で参加出来ない)も参加して開催されます。

 もう1つはソフィアカップ(Sofia Cup)と言い、通常、首都の5チームが参加して行われます。昨年で20回目を数える大会で、同じ首都同士の対抗心が大会を盛り上げます。

 これに加えて子どもを対象とした大会もあります。しかし、ここ数年間は年に数試合、規模は小さく、友好試合が行われる程度です。長い間、連盟は子どもの年代の振興、普及こそ急務であるとの認識は持っていましたが、様々な問題で放置されてきた結果です。ただし、ここ2、3年前から徐々に真剣な取り組みが始まりつつあります。その取り組みについてもこの場で報告できればと考えています。

国際大会
ナショナルチーム

 ブルガリアが国代表(成人)として参加する大会は欧州野球連盟が主催し、2年に1度開催される欧州野球選手権(European Championship) があります。

 頻繁に制度が変わり、大会の制度が理解しづらいのですが、2016年以降を例にすると、欧州全体がA、B、Cと競技レベルによって3プール(グループ)に分けられ、上位から12チーム(A)、12チーム(B)、10チーム(C)というチーム数で運営されています。


欧州野球選手権とその予選大会の構成

 また、大会は同一プールが隔年で開催され、基本的に各プールでの成績に基づき、次年の昇降格が決まります(プレーオフも有り)。2016年にA、Cプールの大会、2017年にBプールの大会が開催され、通常通りだと2018年にAとCプールとなります。ただし、今年のAプールの大会は東京オリンピックへの出場チーム選考の関係で、2019年開催に変更されています。

 ブルガリアは昨年Bプールの大会に参加し、私は監督として指揮を取りました。これまで長い間ブルガリアはBプールに停滞しています。そのため、良い結果を期待されましたが、6カ国中5位という成績でした(Bプールは2組に分かれ開催されている)。

 監督として期待に応えることはできませんでしたが、その反面、試合の指揮や練習だけでなく、選手の招集、予算管理などを含めて代表チーム運営全体に参加することで、改めてこの国の課題を認識することができました。監督として参加した大会の詳細についても、改めて書きたいと考えています。

 欧州野球連盟が主催する以外にも、ナショナルチームが参加する大会があります。バルカン半島の近隣国が集まるバルカンカップ(Balkan Cup)というものがその一つです。

 定期開催ではないものの、ブルガリア、セルビア、ルーマニア、ギリシャ、トルコやクロアチアなどが集まり開催されます。今月末にもブルガリアが提案国及びホストになり開催予定で、野球、ソフトボール、男女混合のスローピッチの試合が"トリプルボール"と題され同時に行われます。

 この大会は代表チームの強化や勝敗よりも、親睦を深めることや、バルカン地域の野球の振興を目的としています(少なくともブルガリアでは)。大陸続きの近隣国のため比較的移動に負担がかからず、また競技レベルも大差のない地域独特の大会と言えます。また、国際大会ということで対外的(欧州野球連盟や欧州連合、国や県など自治体)に活動をアピールできるという側面も持っています。

 アンダー世代の代表チームを対象とする欧州大会は毎年各世代で開催されています。様々な問題を抱え国内の試合も満足にできない状態のブルガリアは2012年のU21大会を最後に参加できていません。

クラブチーム

 クラブチームの国際大会も欧州野球連盟が主催するものを中心に毎年開催され、1~2チームが出場しています。

 2016年から現制度が採用された欧州野球連盟が実施するクラブの大会はヨーロピアンカップ(The European Cups)と称され、4段階のレベルで開催されています。それは上からヨーロピアンチャンピオンズカップ(European Champions Cup:8チーム)、CEBカップ(C.E.B. Cup:8チーム)、フェデレーションズカップ(Federations Cup:6チーム)、フェデレーションズカップ予選(Federations Cup Qualifiers:15チーム 2017年)と言います。

 この大会は欧州野球連盟に加盟する各国に最高2チーム(通常、大会開催前年の各国内リーグ上位チーム)の出場資格が与えられます。また、この大会成績は国のものとして、翌年の同大会に反映されます。

 ブルガリアは2016年、2017年とフェデレーションカップに1チーム、同予選大会に1チームが参加しました。しかし、昨年、フェデレーションカップで最下位の成績を残したため、降格が決まりました。その結果、現在、ブルガリアは 2チームとも最下層のフェデレーションカップ予選大会への参加となっています。

 ただ、昨年末に2018年の予選大会開催地がブルガリアと決定した後、ブルガリア連盟は大会開催と遠征費の両方を工面できないなどの理由により、参加権利のあるポーランド大会へのブルガリアチーム(国内2位)の参加を辞退しました。当予選大会は、ヨーロピアンカップにおける最下位クラスの大会なので、これ以上の降格もなく、次回も同位置から参加できるということもあっての決定ということもあるようです。


ヨーロピアンカップ2017の構成

 その他にも最近では欧州野球連盟が主催する大会以外にクラブチームが参加できるものに、オーストリアのクラブが運営する親善大会“フィクストンボール (Finkstonball)”や、当サイト"世界の野球"セルビア野球の挑戦と葛藤 バルカン・ベースボール事情あれこれ「セルビア野球と国際リーグ」で辰巳知行氏が詳細を書かれていましたインターリーグ(EURO INTERLEAGUE BASEBALL)などがあります。残念ながらインターリーグには数年前にブルガリアも参加したことがありましたが、運営方法や価値観の違い、財政的な問題などから参加を止めています。

 以上、ブルガリアとこの国の野球の概要について3回に渡り書かせていただきました。ブルガリアがどんなところか、そこで行われている野球がどのような歴史を持ち、どのように野球が行われているのか概ね理解いただけたかと思います。次回からはそれらを踏まえて、よりブルガリア野球を掘り下げて、お知らせしたいと考えています。

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