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"世界の野球"受け継がれるSri Lanka野球の物語~光り輝くスリランカ野球の夢~「第28回 BFA アジア選手権」

2017年11月7日

文・写真=八木 一弥

 日本の皆さんコホマダ(元気ですか)???
 日本は少しずつ寒くなってきたようで、体調など崩されていませんか??

 スリランカは現在雨が降り続いており、少し肌寒い日が続いています。

 さて、スリランカ野球についてお届けさせていただくのは4回目です。今回は第28回BFAアジア選手権の様子についてお伝えさせていただきます。

 ご存知の方も多いと思いますが、10月2日から8日にかけて台湾で第28回BFAアジア選手権が開催されました。

 1枚目が新荘体育場野球場、2枚目が天母棒球場です。この2つの球場が今回のアジア選手権の舞台でした。
 今大会は中国が不参加だったため、日本、チャイニーズ・タイペイ、韓国、フィリピン、パキスタン、香港、スリランカの7か国が参加していました。

 結果は侍ジャパンが2大会ぶりに優勝、チャーニーズ・タイペイが準優勝、韓国が3位という結果で幕を閉じました。やはり侍ジャパンが優勝というのは、私にとってとても嬉しく、この喜びもたくさんお伝えさせていただきたいのですが、今回はスリランカ野球について盛りだくさんで興奮をお届けさせていただきます。

 スリランカチームは以前お伝えさせていただいたように、今年3月にパキスタンで行われました西アジアカップで悲願の初優勝を果たし、今回のアジア選手権にパキスタンとともに西アジア代表として初出場しました。

 今大会スリランカはアジア4強の日本、韓国、チャイニーズ・タイペイ、中国に次ぐアジア5位を目標に準備してきました。もちろんパキスタン(世界ランキング26位)、香港(同35位)、フィリピン(同47位)の他の3チームは、いずれも力のあるチームです。どの試合もかなり厳しい戦いになるだろうと感じていました。

 予選ラウンドではスリランカはグループAで韓国、チャイニーズ・タイペイ、フィリピンと戦いました。

 予選ラウンドの結果は以下の通りでした。

 韓国-スリランカ18-0

 韓国戦は、ミスというミスはなかったものの、かなり力の差のある韓国に完敗でした。しかし、投手陣は2奪三振、打撃陣は2安打、3三振と、スリランカ野球のレベルが少しずつアップしていることを感じることもできる内容でした。

 フィリピン-スリランカ8-5

 第2試合のフィリピン戦は私たちが一番の目標にしてきた試合でした。序盤に3点を先制しましたが、フィリピンの打撃陣に3ランホームランなどで徐々に押し返され、5-3と逆転されました。8回にスクイズで5-5の同点に追いつくも、その裏に3点を追加され、8-5で敗戦しました。

 フィリピンは本当にいいチームだなと感じました。実際に試合を見たり、戦ったりする中で、「選手の自立」という部分でスリランカチームとの大きな差を私は感じました。フィリピンの選手たちは野球をよく知っており、選手間でよくコミュニケーションを取り、試合を選手が作っていっているという印象を受けました。対する我々スリランカは、どちらかといえばコーチが指示を出して、選手が動いていくというイメージでしょうか。刻一刻と状況が変わっていく試合の中で、選手たちが局面で何かを感じ、行動し、状況を打開していく、そんなシーンに何度も「やられた~」と思わされました。

 Bグループの中国が不参加だったため、この試合に勝ったチームがBグループの2位チームと順位決定戦をし、スーパーラウンドへ進むことができるように組み合わせに変更が出たため、この後香港との決定戦に勝ったフィリピンがスーパーラウンドに進出しました。

 チャイニーズ・タイペイ-スリランカ13-0

 予選ラウンド最終戦はチャイニーズ・タイペイとの試合でした。序盤3回までは1-0と粘りながら何とか試合を作っていた先発投手が、味方のエラーでペースを崩してしまい、大量失点に繫がってしまい、終わってみると13-0という結果でした。
 しかし、バッテリー間で意図を持った配球にトライしながら、回が終わるたびにバッテリー会議が行われ、打たれながらもたくさんのことを感じながらトライできたのではないかと感じています。

 この後は順位決定戦が行われ、スリランカはパキスタン、香港と2試合戦いました。試合結果は以下の通りです。

 パキスタン-スリランカ10-2

 西アジアカップでパキスタンに勝って出場を決めたものの、力の差はなく、チャンスをなかなかものにできず、苦しんでいる間に勝ち越しを許してしまいました。やはり、ここぞという場面で強いパキスタンでした。(写真はBFA公式facebookページより)

 香港-スリランカ0-2

 序盤から緊迫した試合展開で、何度もピンチを背負いながらも、継投でなんとかしのいで、終盤に先取点を挙げ何とか逃げ切り、今大会初勝利を挙げました。

 今回このような素晴らしい大会に参加させていただき、最終順位は7位でしたが、トップレベルのチームと試合をさせていただいたり、素晴らしい試合をすぐ近くで観戦させていただいたり、本当に貴重な時間を過ごさせていただきました。私も含め、人生最大ともいえるような経験をさせていただき、選手一人一人がたくさんのことを感じ、たくさんの想いを聞かせてくれました。
 この経験を機にチームとして大きく変わっていくことができれば本当に素晴らしいことだと思いますが、その点に関してやはり難しさも感じます。しかし、ひとりひとりが感じたことを次に活かし成長していくことができれば、結果的にチームとして一歩前進できるかもしれないと感じています。

 今回の大会を通して、私は、国のカラーって何だろうということを考えていました。特にフィリピンとの試合の中では野球の力はもちろんですが、その差が顕著に彼らのプレーに大きく影響していたように感じたからです。それはすなわち選手が自立しているともいえるのかもしれません。フィリピンの選手たちは元気ではつらつとした野球の中に、ちょっとした、ボールが来ているのにまだ来ないよと見せておいて、パパッとタッチしてしまうような、2塁牽制でベースカバーのショートが捕れなかったボールをセカンドがすでにカバーしているのにもかかわらず、レフトがセンターにカバーに見せかけて走っていて、あれ?抜けたの?となるような、そういった、「やられた~」というようなシーンや、「芸が細かいなぁ」と感心してしまうようなシーンを交えて野球をしていました。自由な中に遊びが含まれていて、この自由でちょっとずるがしこいような面白い雰囲気がこの国の野球なのかな、と、そんなことも考えました。実際に見に行ってみたいなと思います!

 以前、野球は鏡のようなスポーツだと私は思っていますと、お話させていただいたかもしれませんが、まさに、野球をやっている選手たちの感情だけでなく、その国の価値観や文化までもが、そこには映し出されると私は思っています。日本には日本の文化や価値観、韓国なら韓国の、アメリカならアメリカの、というように似たものはあっても同じ文化は無いように同じ野球は、棒球は、ベースボールはなくていいのかなと感じます。

 スリランカの野球を覗いたとき、それをみてスリランカの人たちって○○な人たちなのかな?そんな感想を持っていただけるくらい、スリランカのいいところもこれからなところも映ってくればいいなと私は感じています。 それはもちろんスリランカだけではありません、世界中のすべての国の野球にそうあってほしいと感じています。

 そうなるには、その国のことを本当によく知ったうえで一緒に野球をやっていくことが大切だと感じています。私のスリランカでの任期は残り1年を切りました。少しでもそういったこの国らしさ、この国だからこそ生まれる野球を、私も探しながら、野球に向き合っていきたいなと思います。これからまだまだ伸びると感じさせてくれるスリランカ野球。今大会を通して大きな大きな一歩を踏み出しました。

 また、今大会後に侍JAPANからスリランカチームに、ボールとバットをいただきました。本当にありがとうございました。

 今大会を通して、貴重な経験をさせていただき、関わらせていただいたたくさんの方々から、様々なことを勉強させていただきました。本当にありがとうございました。 これからも、スリランカ野球をよろしくお願い致します。

著者プロフィール

八木 一弥
1993年12月1日生
愛媛県立丹原高校を卒業後、大分大学へ進学。
2016年10月よりスリランカ硬式・軟式野球連盟に青年海外協力隊の野球隊員として配属。「世界中に野球小僧を」モットーに、スリランカの人々に野球の楽しさを伝えいくことを目指している。主な活動は学校・クラブチームへ野球の普及活動、技術指導やナショナルチームの指導。好きな言葉は「野球小僧」。

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