北京五輪

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コラム 日本のライバルたち

2008北京大会

北京オリンピックに出場する参加チームが出そろった。すでに出場切符をつかんでいた国に加わることになったのは、カナダ、韓国、チャイニーズ・タイペイの3チーム。アメリカやキューバといった常連の強豪国だけでなく、いずれも金メダルを狙う日本にとって侮りがたい存在だ。気になるライバルたちの情勢をチェックし、分析を試みた。

アメリカ [アメリカ大陸予選1位] 2大会ぶり6回目

アトランタ若手主体に切り替え成功 ベテランの力でかわしたい

金−88ソウル、00シドニー 銀−84ロサンゼルス 銅−96アトランタ

悲願の金メダル獲得を狙う日本にとって、最大のライバルだろう。アテネ五輪地区予選で敗れた反省から、デービー・ジョンソン監督は、メジャー経験のあるベテランから、伸び盛りの若手にチーム構成をシフト。2006年のアメリカ大陸予選では、平均年齢25歳の陣容でキューバを破り、1位で出場権を手にした。昨年のワールドカップでも、メジャー昇格を目前にした選手で優勝を飾り、北京へ向けたシミュレーションも完璧。メジャー登録を外れた選手で臨むため、早くからメンバーを固定できない不安はあるが、そこは素材の宝庫としてのプライドを誇示するつもりだ。

日本が金メダルを引き寄せるには、準決勝でアメリカとキューバを対戦させたい。それには予選リーグ1位通過が条件だから、自慢のディフェンス力で勝ちにいきたい。アメリカが若手主体でくるのなら、川上憲伸(中日)、上原浩治(巨人)ら投球術に長けたエース級を投入することが不可欠だろう。

中国 開催国 初出場

課題山積みの発展途上チーム 日本はコールド勝ちを狙え

獲得メダルなし

2002年にプロ・リーグを発足させ、03年には代表監督にジム・ラフィーバーが就任。かつてドジャースでプレーし、ロッテに在籍したあとメジャー監督も務めたラフィーバーは、何度もアメリカでの強化合宿を行い、選手たちの潜在能力をフルに引き出した。05年のアジア選手権では、学生が主体とはいえ韓国を破って3位に食い込むなど、チーム力は着実に進歩しており、張振旺捕手などメジャー球団とマイナー契約を結ぶ逸材も現れた。

ホスト国としてファンの期待も高いが、残念ながら総当たりの予選リーグで勝ち星を挙げられそうな相手はいない。課題は、連係プレーの精度が高くないこと、僅差で負けると集中力が切れ、連戦をこなすメンタリティーに乏しいことだ。日本も100パーセント白星を計算できるが、勝ち方にもこだわることが大切。アジア予選のフィリピン戦で好投した涌井秀章(埼玉西武)のように、格下でもリズミカルな投球のできる先発でコールド勝ちしたい。

キューバ [アメリカ大陸予選2位] 5大会連続5回目

パワーからスタイル転換か 逃げ切り策のゲームプランを

金−92バルセロナ、96アトランタ、04アテネ 銀−00シドニー 銅−なし

高いポテンシャルと勝利に対する執念で、世界一に君臨する“赤い軍団”も、五輪予選、ワールドカップと続けてアメリカに完敗するなど、最近は苦しい戦いを強いられている。代表新監督候補には、かつての主将でシダックスでもプレーしたアントニオ・パチェコが挙がっており、ち密な試合運びのできるチームに再建するようだ。日本戦に刺客として送り込まれそうなのが、19歳の左腕アロルディス・チャップマン。角度とキレのある150キロ超のストレートはプロ選手でも簡単には攻略できないレベルだ。一方、メジャー球団が狙うユリエスキー・グリエルが軸になる打線は、パワーよりもつなぎの攻撃を重視している。

打撃戦ではなく、ロースコアの接戦に持ち込みたい日本は、ダルビッシュ有(北海道日本ハム)から渡辺俊介(千葉ロッテ)のように本格派から変則へのリレーで目先をかわし、馬原孝浩(福岡ソフトバンク)ら速球派のリリーバーで逃げ切るゲームプランが有効だ。

オランダ [ヨーロッパ大陸予選1位] 4大会連続5回目

スタイルはスモールアメリカン 日本独自の機動力で揺さぶりたい

獲得メダルなし

国際大会にプロ選手の参加が容認されてから、若手が積極的にマイナー、独立リーグなどアメリカで腕を磨いたことで、戦術やプレースタイルの面で“スモール・アメリカ”という印象のチーム。強豪相手にリードしても浮き足立つことがなく、2000年のシドニー五輪でキューバに五輪初黒星を付けたのをはじめ、近年では世界上位にコンスタントに顔を出しており、今回もメダル争いに絡む実力を備えている。

198センチの本格派右腕レオン・ボイド、パワーピッチングで昨年のワールドカップではキューバ打線も抑えた左腕ディエゴマル・マークウェルら、ハマると厄介な先発陣を攻略するには、機動力も駆使して揺さぶるのが効果的。西岡剛(千葉ロッテ)や川ア宗則(福岡ソフトバンク)らの働きがカギを握る。一方、打線はパワーがあるものの、緩急を生かした投球に弱い。スローカーブのある三浦大輔(横浜)のようなタイプで試合を優位に進めたい。

カナダ [世界予選1位] 2大会連続4回目

力を付けているダークホース それでも日本との戦力差は歴然

獲得メダルなし

五輪世界最終予選では、ライバルと目されていたオーストラリアに完敗したものの、アジア勢に1点差で連勝。メキシコとの打撃戦も制した結果、1位通過という予想以上の成果を挙げた。アテネ五輪でも4位と健闘しており、ダークホースとして侮れない存在ではあるが、日本と戦力を比較すれば、恐れる相手ではないと断言できる。投手は右腕ばかり、反対に打線にはズラリと左打者が並ぶのが特徴で、まとまってはいるが爆発力には欠ける。

日本は、成瀬善久(千葉ロッテ)のように制球力のある左腕を先発に立てるのが理想。34歳のスタビー・クラップ、36歳のライアン・ラドマノビッチ、唯一の右打ちスラッガーである32歳のジェレミー・ウエアら、メジャー経験のあるベテランをしっかりマークすることが大切。打率.529、3本塁打で五輪出場の立役者となった、20歳のニック・ウェグラルツには要注意だ。攻撃では、手堅い攻めでリードを奪い、試合の主導権を握りたい。

韓国 [世界予選2位] 2大会ぶり5回目

国際大会での勝負強さは◎ 足を使う傾向を逆手に取りたい

金−なし 銀−なし 銅−00シドニー

見事な戦略で、五輪世界最終予選では5連勝を飾り、一番乗りで代表権を手にした。ベテランの孫敏漢が南アフリカとドイツを抑え、若い左腕の二枚看板、21歳の柳賢振がオーストラリアとカナダ、20歳の金廣鉉がメキシコとチャイニーズ・タイペイに立ち向かう先発ローテーションが的中。李承Y(巨人)をはじめ、李容圭、李大浩、アジア予選でも活躍した高永民が活発に援護射撃し、世界でも五指に入る実力をフルに発揮した。

戦力は日本とそん色なく、国際大会での勝負強さは日本以上と言っても過言ではない。ただ、五輪ではシドニーを除いて目立った戦績を残せず、北京に懸ける思いも強い。勝つためには手段を選ばないというプレースタイルを含め、日本にとっても嫌な相手だが、短いイニングの継投で打線に流れを作らせないのも一つの手。足を使ってチャンスを広げようとする傾向も強いゆえ、川上憲伸(中日)のように守備力の高い投手を起用するのがいい。

チャイニーズ・タイペイ [世界予選3位] 2大会連続5回目

潜在能力高いが途切れる集中力 ミスに付け込み冷静に戦いたい

金−なし 銀−92バルセロナ 銅−84ロサンゼルス

アジア予選、世界最終予選とも開催地に名乗りを上げ、ファンの後押しも受けて最後の切符を手にした。選手一人ひとりのポテンシャルは高いが、どこかで必ず集中力が切れ、つまらないミスから黒星を喫する試合も多く、北京五輪では予選リーグ通過に狙いを絞ると思われる。韓国、オランダ戦に精力を注ぎ込み、日本戦は捨てゲームにするだろう。しかし、僅差の展開になると、一気に畳み掛けてくる怖さがあるのを忘れてはならない。

アジア予選のように、ダルビッシュ有(北海道日本ハム)、藤川球児(阪神)といったストレートに力のある投手をつないでいくのがベスト。主砲の陳金鋒をはじめ、張泰山、彭政閔らパワーヒッターは慎重に攻めながら、リズムを大切にした投球で試合の流れをつかみたい。攻撃も積極的に機動力を絡め、打って得点するというよりは、相手のミスに付け込み、ビッグイニングを作れれば申し分ない。序盤でリードされても冷静に戦いたい。

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