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3連覇を逃すも若き侍戦士たちが悔しさの中で見せた成長と日本代表としての振る舞い

2023年8月30日

 8月26日、中国・山東省威海市で開催されてきた「第11回 BFA U15アジア選手権」が、7日間の日程を終え閉幕した。侍ジャパンU-15代表は決勝戦でチャイニーズ・タイペイに敗れ、2位で大会を終え3連覇とはならなかった。

チームを変えた中国戦

 オープニングラウンド第2戦の中国戦が雨天延期になり、第1戦を香港、第2戦をパキスタンと対戦した今大会。どちらも実力差のある相手だけに、当初は「打って当たり前」「抑えて当たり前」のような雰囲気があり、実際にタイムリーが飛び出しても三振を奪っても、ベンチの反応はやや薄いものだった。
 ところが、延期となった第3戦の中国戦でチームは大きな変貌を遂げる。U-15世代の過去の対戦ではコールド勝ちしている相手だけに、試合前から選手たちはリラックスした表情を見せていたが、試合が始まると中国チームは持ち前の高い身体能力で必死に食らいつく。スーパーラウンドに向けて侍ジャパンU-15代表はさまざまなことを試しながらではあったものの、思うように得点できなかった。
 この試合途中から選手たちはより一層の声を出し、ヒットや守りで良いプレーが出たらベンチ全員で選手を讃え始め、チームとしての一体感が生まれた。
 中国チームは最終的に3位決定戦で韓国と接戦を繰り広げるも1対2で惜敗し、試合後には多くの選手が涙を流すなど地元開催の今大会に賭ける思いは特別なものがあったのだ。

高い投手力と指示を遂行した野手陣

 過去同様、大会を通して高い投手力を見せた侍ジャパンU-15代表。中国戦、韓国戦の2試合に先発していずれも自責点0に抑え最優秀防御率を獲得した池田聖摩(熊本中央ボーイズ)や好救援を見せた萩野瑠海(ヤンキース岡山young)、スーパーラウンドのチャイニーズ・タイペイ戦では制球が乱れ勝ち越しを許したものの決勝戦では雪辱を果たした大城諄來(浦添ボーイズ)など、今大会も投手陣が好投を繰り広げた。
 エース格として期待されていた東濱成和(沖縄県宜野湾ポニーズ)は思うような投球ができず、スーパーラウンドのチャイニーズ・タイペイ戦後には悔し涙を流したが、伊藤翔大コーチは「いずれこの世代を背負っていくレベルの投手。登板できる機会があれば次も投げてもらいたい」と、優勝を目指しつつも大会中の成長に期待した。

 今大会の野手陣は、直前合宿から大会規定の低反発バットへの対応に苦しめられるが、今山和之監督が「大きな当たりを狙うよりも、低いライナー性の打球を丁寧に打つように」と指示を出し、選手たちはそれに応え結果を出した。
 藤田蒼海(関メディベースボール学院ポニー)はスーパーラウンドの2試合でいずれも2死から粘りヒットでチャンスメイクし、その後の得点に繋がり勝利に大きく貢献した。藤田は最多得点、ベストナイン(三塁手)を獲得し、高い守備力とスーパーラウンドでの逆転打など攻守で活躍した松本悠嗣(東北楽天リトルシニア)と中軸として活躍し守備でもスーパープレーを見せた扇大和(東北楽天リトルシニア)がベストナイン(外野手)を獲得。韓国戦で満塁ランニング本塁打を放ち、積極的な攻めの姿勢で大会最多の5盗塁を決めた小峰渉央(佐賀フィールドナイン)が盗塁王となった。
 その他にも、決勝戦で守備から出場して2本のタイムリーを放った曽根丈一郎(金光ボーイズ)や攻守で高いレベルのプレーを見せた池田、強肩と好捕でチームを救った村雲脩吾(京都嵯峨野ボーイズ)など、国際大会でも堂々たるプレーを見せた選手たちの活躍があってこその2位という好成績だった。

チームを鼓舞したコーチと選手

 中でも大きかったのが伊藤翔大コーチの存在だ。投手コーチとして身体の使い方など積極的にアドバイスを送るだけでなく、試合中は点差が開いていても声を張り上げチームを鼓舞。生活面でも選手のケアやメリハリが効いていない部分があれば指導し、代表選手としてのチーム力を高めていった。
 また、実際に球場に足を運んだり映像を何度もチェックしたりして、時間の許す限り相手チームを分析。打者の特徴や計測タイム、有効な攻め方などをチーム全体に共有して周到な準備を行い、選手たちも見事に結果で応えた。
 伊藤コーチとともに大きな存在となったのが小泉凛太郎(大阪福島リトルシニア)だ。今大会ではコンディション面で登板する機会が無かったが、下を向くことなくいつでも笑顔と大きな声でチームを盛り上げ、攻守交替などでは真っ先に出迎えるなどチームに欠かせない存在となっていた。そして最後まで声を張り上げ続けた小泉は、決勝戦の終了後には声を枯らすほどになっていた。

 そうして試合を進めるごとに結束力とチーム力を高めていった侍ジャパンU-15代表。期間中に監督はじめスタッフ陣が日本代表選手に相応しいスポーツマンとしての行動を取るよう伝えていたが、決勝戦敗退後には勝利したチャイニーズ・タイペイチームを悔しさの中、自然と讃えた。この行動は大会審判長の小山克仁氏から賞賛を受けたほど、選手たちは強さだけでなく相手チームへの尊重も忘れない「Good Loser」に成長していた。
 今後は次の世代へとステップしていく選手たち。チーム解散時に今山監督は「金メダルを獲らせてあげられなくて申し訳ない。みんなのこれからの頑張りを遠くながら見守っていきたい。自信をもってこれからのステージに行ってもらいたい」と涙ながらに選手たちに語りかけた。悔しさと経験を糧にした若き侍戦士たちの今後のさらなる飛躍に期待だ。

第11回 BFA U15アジア選手権

大会概要 出場選手

大会期間

2023年8月20日~8月26日

オープニングラウンド
8月20日(日)15:00 香港 1 - 21 日本
8月21日(月)19:00 日本(雨天中止)中国
8月22日(火)15:00 日本 15 - 0 パキスタン
8月23日(水)19:00 日本 3 - 0 中国
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)

スーパーラウンド
8月24日(木)15:00 チャイニーズ・タイペイ 5 - 6 日本
8月25日(金)15:00 日本 5 - 1 韓国
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)

決勝
8月26日(土)19:00 日本 4 - 6 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)

開催地

中国(威海市)

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