オリンピック北京大会 > コラム 金メダルへの道 > 第12回

北京五輪に出場する星野ジャパンの第2次候補39選手が6月20日、都内ホテルで発表された。スタッフ会議で1次候補の81選手から絞り込まれ、その後の日本代表編成委員会で承認された。

6月20日の日本代表編成委員会には、前回アテネ五輪監督で星野ジャパンの相談役を務める長嶋茂雄氏も出席。星野監督と握手を交わし激励した
(写真=島田由明)
「随分と悩みました。まだケガがあったりで万全ではない選手もいますから。でも監督会議の前までなら、ケガの場合は5人までの入れ替えが可能ということなので、現時点、見込み段階の選手も何人か入れておきました」
ポジション別の内訳は投手16人、捕手6人、内・外野手17人。昨年12月のアジア予選に出場した24人から今回、漏れたのは、現在二軍で調整中の千葉ロッテ・小林宏之投手、東北楽天・長谷部康平投手、中日・森野将彦外野手の3人。その他21人が再びエントリーされた。
新人ではただ一人、福岡ソフトバンクの久米勇紀投手が選出。さらに、04年アテネ五輪の経験者でもある東北楽天・岩隈久志投手、今季ブレーク中の阪神・岩田稔投手、中日・吉見一起投手など新戦力と実績組がバランス良く選ばれた。
注目された巨人・上原浩治投手の名前もあった。発表の前日、19日にも行われていたスタッフ会議の席上、星野仙一監督が携帯電話で直接取材。スピーカーホン機能を使って音量をMAXにし、田淵幸一ヘッド兼打撃コーチ、山本浩二守備走塁コーチ、大野豊投手コーチにもそのやりとりを聞かせたが、上原の「短いイニングなら行けます!」という力強い返事に全員が納得しての招集だった。
星野監督は「ピッチャーはだれも『ダメです』なんて言わないもの。でも声を聞けば本当の気持ちが分かる。熱いものが伝わってきた。オレはそう感じた」とクローザーとして完全復活させることを決断。阪神・藤川球児、中日・岩瀬仁紀両投手と組ませて「3人で後ろ4イニングを任せたい」と早くも必勝リレーの起用法まで思い描いている。

二軍調整中ながら第2次候補入りした巨人・上原。星野監督からの電話に「短いイニングなら行けます!」と力強く答えたという
(写真=前島進)
最終24選手では投手枠11人を予定しており、今後さらに5人をふるいにかけなければならない。その11人は先発5、中継ぎ3、抑え3と分ける方針。先発には「力は群を抜いている」という北海道日本ハム・ダルビッシュ有、準決勝と決勝では中継ぎも兼ねる中日・川上憲伸、アジア予選の韓国戦に先発した千葉ロッテ・成瀬善久までが当確か。残る2席は埼玉西武・涌井秀章、東北楽天・岩隈と田中将大、ロッテ・渡辺俊介あたりの競争になりそうだ。
20日夜のテレビ番組で、星野監督は「初戦のキューバ戦の先発にはマー君が面白いかなとも思っている。あのキュキュッと曲がるスライダーでね。あとは気迫で立ち向かっていったらね」と注目発言。田中のことは将来の日本球界を背負って立つ投手と認めており、日本中が注目する大一番の大役に抜てきする可能性も十分にある。
中継ぎ3枠の争いはし烈だ。阪神・久保田智之、中日・吉見、ソフトバンク・久米らがライバル関係となり、ソフトバンク・和田毅と杉内俊哉、阪神・岩田らで1〜2席を奪い合いか。
捕手は最終的には3人にする方針で、順当ならアジア予選を戦った巨人・阿部慎之助、阪神・矢野輝弘、ロッテ・里崎智也だろう。しかし、投球や打球が当たったり、走者と衝突したり負傷の多いポジションだけに、倍の6人をエントリーしておいた。

埼玉西武・中島は本来、遊撃手だが、日本代表では三塁手の候補。アジア予選メンバーの横浜・村田と一騎打ちか
(写真=早浪章弘)
内・外野手部門で注目されるのは埼玉西武の強力スラッガー2人だろう。中島裕之内野手は本来、遊撃手だが、星野ジャパンの首脳陣は三塁手として考えており、横浜・村田修一内野手と一騎打ちの様相。G・G・佐藤外野手は6月6日に追加招集された選手で、「クリーンアップ候補の一人になるやろうな」と星野監督も期待している。
「決まっているのはキャプテンの宮本(慎也・ヤクルト内野手)だけ。彼はまた、選ばれて当然という結果も残しているしね。あとは、まだ1カ月ちょっとあるし、みんなで競い合ってほしい。初めてオリンピックを経験する選手が多くて、日本の野球界のためにもいいことじゃないかな」
また、20日の日本代表編成委員会には前回アテネ五輪の監督で、星野ジャパンの相談役でもある長嶋茂雄氏(巨人終身名誉監督)も参加。同委員会の強化本部長として星野監督を激励した。
「とにかく一生懸命に頑張ってくれ」。この熱いエールに星野監督は「直前合宿に来てハッパをかけてくださいよ」と返し、「8月(2日〜)にジャイアンツ球場でしょ。もちろん行こうと思っている」と了承の返事をもらった。
さらに長嶋氏は「上原は大丈夫でしょう。四番候補はG・G・か新井(貴浩・阪神内野手)あたりかな」とも言及。星野監督は背番号3を長嶋氏のために欠番にしており、-ミスターとともに-の思いは強い。
北京五輪組織委員会への登録最終リミットは7月23日。「ここからがまた大変で困ったものだと。全員を連れて行けるのなら楽なんだけどね」。直前まで考えに考え抜いて、星野監督は最終24人に絞り込む。
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