オリンピック北京大会 > コラム 北京への道 > 第11回

アジア予選の第一次候補選手60人はすでに発表されているが、最終メンバーには“新しい名前”が登場するかもしれない。星野監督はむしろ、それを望んでいる。
星野仙一・日本代表監督は去る5月7日、北京五輪アジア予選(11月、台湾・台中)の第一次候補選手60人を発表した。巨人の10人を最多として全12球団から選出したが、ポジションのダブりや右左の絡み、また4月時のコンディションなどでやむなく落選した実力上位の選手も少なくない。
星野監督は「あくまで暫定だから。今回、このメンバーの中にいなくても、最終選考で入ってくる選手も出てくるだろう。いや、シーズンで結果を出して、“おっ、こんな面白いヤツもいるやないか”というのを、われわれがどんどんと言えるぐらいになってほしい」と言う。
現に4月17日のスタッフミーティングでは、110人がリストに上った。「そこから60人にする段階でも相当、悩まされた」。開幕から好成績を維持して、逆転代表入りを狙う“隠れ候補”は実際、数多い。

プロ3年目の中日・中田は、「若手に出てきてほしい」という星野監督の希望に沿う選手といえる(写真=大泉謙也)
セ・リーグの首位を争う中日からは川上憲伸投手、岩瀬仁紀投手、岡本真也投手、谷繁元信捕手、井端弘和内野手、荒木雅博内野手、福留孝介外野手とすでに7選手がノミネートされているが、さらに最多勝争いに参戦中の中田賢一投手、アテネ五輪のメンバーでもあった中村紀洋内野手、勝負強い打撃に加えて内外野を守れるのが魅力の森野将彦内野手も虎視眈々だ。
広島・栗原健太内野手は開幕から打率3割をキープ。本塁打も打てる貴重な右のスラッガーだが、一塁というポジションだけがマイナスに作用したとみられる。
ロッテ・福浦和也内野手は6年連続で打率3割以上をマークしている天才打者。左わき腹を痛めて4月は1試合も出場できなかったのが漏れた理由で、復帰後は本来の力を発揮していることから、実績も実力も十二分に逆転圏内だ。
阪神・赤星憲広外野手とソフトバンク・川崎宗則内野手の2選手は、すでに星野監督が代表候補と明言している。「5月7日の時点で試合に出ていなかったから外したけれども、彼らは足もあるし、ケガさえ治って本来のプレーができたら、ぜひ呼びたい選手だね」
復活なった横浜・仁志敏久内野手に長打力が自慢の吉村裕基内野手。両リーグ最速で20本塁打に到達した楽天・山ア武司内野手や広島・前田智徳外野手などベテラン勢もまだまだ元気だ。
隠れ候補という意味では、メジャー・リーガーたちもそのカテゴリーに含まれる。イチロー、城島健司(以上、マリナーズ)、松井秀喜(ヤンキース)、松坂大輔(レッドソックス)……。彼らが加わればまさにドリームチームの誕生だが、MLBの出方次第という現状では厳しいと言わざるを得ない。
「どうなるか分からん選手を考えてはいない。いないものとして話を進めていって、仮に出場できるようになったらそれはそれでラッキーと思って、その時に考えればいいだけのこと。それに日本のプロ野球の12球団から“どうぞ好きな選手を選んでください”と言われているんだから、すごいチームが出来上がりますよ。全然、大丈夫」
最終エントリーの締め切り日となっている大会45日前、10月12日までに第二次候補30人に絞り、宮崎サンマリンスタジアムでの直前強化合宿で最終ベンチ入りメンバーの24選手を選ぶ。
「あくまでも予選を勝ち抜くためのチーム編成をする。アメリカやキューバと戦う本チャンではまたメンバーはがらりと入れ替わるかもしれない。例えばAという国はタテに落ちる変化球を苦手にしているとか、下手投げが武器になるとか、対戦相手によって傾向も対策も違ってくる。だから今回は、韓国と台湾に有効な選手を多く選ぶことになるやろうね」
日本で活躍する巨人・李承Y(韓国)や阪神・林威助(台湾)を徹底的に封じた投手や、巨人・姜建銘(台湾)をカモにした打者が星野ジャパンの隠し球、秘密兵器として招集される可能性は十分にある。
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