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"世界の野球"力戦奮闘ブラジル野球!~日系移民が紡いできた夢~「新チーム始動後に見えた新たな課題」

2019年3月5日

文・写真=小島尚幸

 Boa tarde!!
 こんにちは!

 少し遅くなってしまいましたが、新しい年を迎え、1月中旬から私の配属先であるアニャンゲーラ日系クラブも活動が始まりました。ブラジルの野球は、夏休みが終わるこの時期辺りから活動が始まるチームが多いようです。

新チーム始動

 それに伴い、新チーム始動!ということにもなりました。ブラジルでは2月から新学期となるため、このタイミングでチームの編成も変わりました。年齢別でいくつかのカテゴリーに別けられており、2年ごとに上のカテゴリーに進んでいくという仕組みになっています。
 今年から私は、13歳~14歳のプレジュニアと言われるカテゴリーの監督をさせていただくことになりました。
 新チームが始まる前、選手たちに、どんな目標を持っているか、どこのポジションを守りたいかなど様々な質問をしました。すると、選手からは「試合でもっと勝てるようになりたい」「僕もピッチャーをやってみたい」など、とにかく積極的で目標をしっかり持っているのを感じ取ることができました。これからこのチームが成長していくのが非常に楽しみだと感じています。

課題と解決策

 しかし、課題や問題も多くあるのも事実。元々このカテゴリーの人数は8人しかおらず、試合の時は下のカテゴリーや他チームから助っ人を借りるなどサポートしてもらう必要があります。練習においても、それぞれ選手や家庭の都合もあり全員が揃うことはなかなかありません。少人数では満足な練習ができないことも多く、基礎的な練習ばかりになってしまいます。
 こういった場合、私たちのクラブは違うカテゴリーと一緒に練習することもよくあります。15歳~16歳のジュニアと言われるカテゴリーと一緒に練習し、試合形式の練習など多く取り入れ、試合勘を養っています。また、ジュニアのカテゴリーはキューバ人が指導に当たっているため、キューバ式の指導、そして私が学んできたことを生かした日本式の指導も取り入れて指導に当たっています。
 上級生のカテゴリーと一緒に練習することは、レベルの差が出てしまうといったデメリットがあるものの、レベルの高い選手と一緒に練習することで、より多くのことを吸収できるといったメリットもあると考えています。また、私が他のカテゴリーに指導できる機会も増え、その選手たちにとってもレベルの向上に繋がるより良い練習ができるのではな いかと思っています。

 現状、選手が少ないということもありこのような練習形態となっていますが、キューバ式や日本式の指導で選手が混乱しないよう指導していくこと、それぞれの選手に合った指導をしていくこと、そしてメリット、デメリットを勘案しながら選手たちにとってより良い練習環境を整えていく必要があると感じています。そして、前回でも紹介したようなブラジル野球の特徴である“融合された野球”を少しずつ確立していきたいです。

好きなことはとことんやる!

 野球はもちろん、スポーツの練習において、好きな練習メニューもあれば嫌いな練習メニューもあるのではないでしょうか?これはブラジルに限らず日本やどこの国においても当てはまることでしょう。
 このチームはとにかく走ることを取り入れた練習メニューが嫌いです(笑)。手を抜く場面もしばしばあり、注意することもよくあります。しかし、この練習がどうして大事なのか説明し、伝えることで選手たちは素直に聞き入れ、しっかりと取り組んでいます。
 また、好きな練習はとことんやるのがブラジルの子供たち。全体の練習が終わった後、私を呼び止め「もっともっとノックを受けたいから打って!」「もっとバッティングをしたいから投げて!」と目を輝かせながら言ってくる子供たち。日が暮れるまで熱心に練習し、教わったことを一生懸命やっています。そういった姿勢を見ると私ももっと選手のために頑張りたいと思い、とても嬉しい気持ちになります。
 嫌いな練習と好きな練習に対するモチベーションの差は大きい気もしますが、もっともっと上手くなりたいという気持ちはとても伝わってきます!

 新チームが始まり、多くの期待がある一方で課題も見えてきました。少しずつ解決策を見出しながら、選手たちと一緒になって良いチーム作りをしていきたいと考えています。
 今後もチームの活動や様子、ブラジル野球などをお伝えしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。

力戦奮闘ブラジル野球!~日系移民が紡いできた夢~
著者プロフィール

小島 尚幸
1991年4月23日生
第91回全国高等学校野球選手権大会に埼玉県代表 聖望学園高等学校の三塁手として出場。2018年7月よりJICA日系社会青年ボランティアとしてブラジル・サンパウロ州のアニャンゲーラ日系クラブへ派遣され、少年少女への野球の指導や普及活動を行っている。日系移民が広めてきた野球文化の継承、野球を通しての人間形成を目指し活動している。

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